1982年、井上さんは自身のバックバンド「安全地帯」に詞を提供すると、その曲「ワインレッドの心」は大ヒットとなり、「安全地帯」は一躍人気バンドに。そして、続く「恋の予感」でも詞を提供し大ヒットさせると、今度は自身の「いっそセレーナデ」、中森明菜さんに詞と曲を提供した「飾りじゃないのよ涙は」が立て続けにヒットします。


「昔、大麻で逮捕されていた!傘がない!夢の中へ!氷の世界!」

Sponsored Link

テレビ番組に出演

1980年のアルバム「EVERY NIGHT」以降は、
以前に比べると、売上が下がったものの、

(とはいえ、この時期にリリースした、「ジェラシー」
「とまどうペリカン」「カナリア」「リバーサイドホテル」
は、
 現在では、井上さんの代表曲となっています。)

1981年1月に、特番でテレビ初出演を果されると、
7月には、「夜のヒットスタジオ」
8月には、「ザ・ベストテン」「いっそセレナーデ」がランクイン)、
と音楽番組に出演され、依然、変わらぬ人気を誇ります。

(ちなみに、「ザ・ベストテン」出演の翌週は、
「法事があるから」と出演を拒否されています♪)

「夜のヒットスタジオ」(1987年)より。

バックバンドに「安全地帯」を起用

そんな中、井上さんは、北海道旭川市郊外に建てられた、
「ミュージカル・ファーマーズ・プロダクション」
(略称MFP、「音楽を耕す農夫集団」の意)に、

1981年7月、キティレコードのディレクター、
金子章平さんの勧めで訪ねられ、

当時、北海道で実力NO.1のアマチュアバンドだった、
「安全地帯」のメンバーとセッションをされているのですが、

その演奏を聴いた金子さんは、その場で、
「安全地帯」を井上さんのバックバンドに起用することを決定。

「安全地帯」は、同年8月から行われる「81井上陽水ツアー」から、
井上さんのバックバンドとして帯同されたのでした。

金子さんは、その理由について、

井上陽水のバックバンドに、
まだアマチュアだった安全地帯を起用した理由は、

井上陽水の持っている複雑なニュアンスが入り組んだ表現の美しさに、
安全地帯の純粋な想いが込められた音楽が加わることで、
お互いにとってプラスに働くと思ったからです。

と、明かされています。

また、井上さんは、この時、
ロック一辺倒だった「安全地帯」のメンバーに、
ロック以外にも、歌謡曲やポップスなど、
幅広い音楽に目を向けるよう促されたそうで、

「安全地帯」のヴォーカル、玉置浩二さんは、
そのことについて、

その頃のオレたちにはロック以外なにも考えられなかったね。
とにかくドゥービーを聴いて、打ちのめされていたから。

やっぱりロックはカッコイイし、
オレたちにはこれしかないと思っていた。
メソメソしたのはやってられんな、ってね。

でもそんなことにこだわっている自分の方が小さいって気づいたんだ。
自分のやりたいものをやることの方が自然だし、
自分の姿勢の問題だって思うようになったんだ。

表現の仕方で、たとえ歌謡曲だって違うものになる。
陽水さんに会って、それに目覚めたのね。
無言のうちに教えられたんだよね。

と、語っておられます。

「ワインレッドの心」「恋の予感」「飾りじゃないのよ涙は」

そして、1982年2月に、
「安全地帯」はデビューするのですが、

1983年11月には、井上さんが詞を提供した、
「ワインレッドの心」が71万枚を売り上げる大ヒット、

「ワインレッドの心」

1984年10月には、同じく井上さんが詞を提供した、
「恋の予感」が43万枚を売り上げる大ヒットを記録し、

「恋の予感」

井上さんご自身も、1984年10月リリースの、
「いっそセレナーデ」が35万枚を売り上げる大ヒット。

「いっそセレナーデ」

さらに、1984年11月には、当時アイドル歌手だった、
中森明菜さんに詞と曲を提供した「飾りじゃないのよ涙は」が、
オリコン週間シングルチャート初登場1位で、
62万枚を売り上げる大ヒットを記録し、

その年の12月10日付けオリコンチャートでは、

2位「飾りじゃないのよ涙は」
3位「恋の予感」
4位「いっそセレナーデ」

と、井上さんの作品が上位3曲を、
占拠する状態となったのでした。

Sponsored Link

アルバム「9.5カラット」が2作目のミリオンセラー

また、1984年12月には、井上さんが、
これらのヒット曲をはじめとする提供曲をセルフカバーした、
アルバム「9.5カラット」をリリースすると、

翌年の1985年にかけて大ヒットとなり、
1985年のアルバム年間売上1位を獲得。

「9.5カラット」

累計売上155万枚となり、実に「氷の世界」以来、
2作目のミリオンセラーを達成したのでした。

ただ、これらの成功は井上さんの序章に過ぎず、
その後も井上さんの快進撃は続きます。

「少年時代は藤子不二雄Aから?PUFFY?ビートルズ?」に続く

Sponsored Link