「劇団四季」の社長退任後は、「認知症」報道がされた浅利慶太(あさり けいた)さんですが、その噂を吹き飛ばすかのように、2015年には、新事務所「浅利演出事務所」を設立。2016年12月には、浅利さんの原点である、フランス劇「アンチゴーヌ」、2017年6月には「劇団四季」のオリジナルミュージカル「夢から醒めた夢」を上演されています。


「キャッツが大ヒット!劇団四季の社長を退任?」からの続き

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認知症?

2014年6月25日、突然、
「劇団四季」(四季株式会社)の社長を退任するも、
演出家としての活動は続けていく意向を示していた浅利さんですが、

その翌日に発売された「週刊新潮」(7月3日号)には、

劇団四季が悲鳴を上げた
認知障害「浅利慶太」37億円バラ撒きの欲求

と、題した記事で、浅利さんに認知症の疑いがあること、
そして、それが原因で問題行動を起こしていることが報道されます。

その内容というのは、

浅利さんが、日本語の読めない外国人女優に、
日本語で必死に話かけられていたり、

旧知の作曲家である、アラン・メンケンさん
「美女と野獣」「リトルマーメイド」等の作曲家)
の名前を思い出せないほか、

みなさんに大幅なボーナスをあげたいんだ。財源は37億4000万円。
(中略)11年以上の在籍者を、年次ごとに6段階に分けて、
37億円を払いたい。振り込みは7月14日の劇団創立記念日。

と発言して、劇団のスタッフを驚かせたことを、

浅利さんの慶応大学時代からの友人である、
音楽評論家の安倍寧さんが証言したもので、

(ただ、役員が1000万円に対し、浅利さんの奥さんで、
 専属女優である野村玲子さんには1億円以上と、
 支払の額には結構な差があったそうです。)

さらに、安倍さんは、

舞台の初日、浅利がロビーに立ち、
観客を出迎えて挨拶するのが「四季」の慣習になってるのですが、

それが、その場で僕を見つけると、
「前に紹介してもらった3軒のレストランは美味しかった。
早く4軒目を教えてくれよ」とか、
「今日は1人かい。奥さんは一緒じゃないの?」と、
同じことばかり繰り返して聞いてくるのです。
それでおかしいなと思い始めました。

と、浅利さんのことを、

彼は、軽度のアルツハイマー型認知症。
正確に言えば、認知障害です。

と断言されているのです。

出入り禁止?

そして、浅利さんが社長を退任してから2ヶ月半過ぎた頃には、
「劇団四季」の稽古場に入ることができなくなり、
事実上、「出入り禁止」の状態になっているとの噂が。

もちろん、浅利さんご本人は、

(認知障害は)そんなことはまったくない。

と、否定されているのですが、

実際、退任以降、複数の演目の演出を担当するも、
2ヶ月半経った頃には、すでに担当されておらず、
「劇団四季」にも出社されていないとのことなので、

認知障害の真偽はさておき、
何か問題があったことは間違いなさそうですね。

新事務所設立、現在は?

しかし、2015年には、浅利さんは、
認知症のうわさを否定するかのように、

新事務所「浅利演出事務所」を設立すると、
独自の演劇活動をスタート。

4月19日からは、
フランス演劇「オンディーヌ」を上演され、

浅利さんは、巨大劇団の経営から解放されたことで、

「小劇団に戻ったよう」

と、楽しそうに語っておられます。

「オンディーヌ」より

そして、その後も、

「ミュージカル李香蘭」
「思い出を売る男」
「この生命誰のもの」

と、立て続けに上演すると、

2016年12月には、浅利さんの演劇活動の原点とも言えるべき、
フランスの劇作家ジャン・アヌイの「アンチゴーヌ」を上演。

「アンチゴーヌ」より

「アンチゴーヌ」は、1954年、劇団四季の第2回公演として、
 上演されており、この初演以来たびたび公演。
 近年では2005年に自由劇場で上演されています)

浅利さんは、この作品に対する思いを、

仏文系の先輩方(加藤道夫さん、芥川比呂志さん)に育てられたので、
ジャン・アヌイやジャン・ジロドゥ作品はよくやりました。

「アンチゴーヌ」は、ずっと大事にしている作品ですから、
時々は上演したいと思っているんです。

このように高いレベルを維持している作品は、
いつやってもその魅力は変わりませんね。

超一流作品は、やる人間にとっても毎回新鮮ですし、
何度もご覧になっている方にも新鮮にうつるはずなんです。

あとは、主題が深いということと、
感動を受け取ることが出来る作品だということ、

更に言うとあまり長すぎない芝居だというところも、
上演決定のポイントです。

と、明かされており、

一度は新劇を否定し、商業主義的な演劇に身を投じられたとはいえ、
やはり、新劇は浅利さんにとって故郷のようなもの。

素晴らしい作品は、思想を超えて、
心に訴えかえてくるのかもしれませんね。

ただ、それでも、2017年6月には、
「劇団四季」のオリジナルミュージカル、
「夢から醒めた夢」も上演されており、

これからもお客さんが喜んでくださるだろうな、
というものを考えながらやっていきたい。

と、さすがに、劇団を継続させるための、
商業主義的な演劇も忘れてはおられないようでした♪

「夢から醒めた夢」

元妻は?

そんな浅利さんの、
気になるプライベートですが、

浅利さんは、結婚を三度、離婚を二度されています。

まず、最初の奥さんは、「劇団四季」の創設者のひとりでもある、
女優の藤野節子(ふじの せつこ)さん。

藤野節子さん

婚姻期間やお二人の馴初めなど、
詳しいことは分かりませんでしたが、
浅利さんの同士的な存在だったようで、

離婚後も浅利さんは、
藤野さんを主演女優として使い続けられており、

1986年に藤野さんが病気で亡くなると、
浅利さんは、葬儀で、

砂浜を荒々しくした後を君はいつもきれいに掃き清めてくれた。

と、弔辞を述べておられます。

そして、二人目の奥さんは、
「劇団四季」の主演女優として人気を博した、
影万里江(かげ まりえ)さん。

影万里江さん

影さんも、藤野さん同様、婚姻期間など、
詳しいことは分かりませんでしたが、
離婚後も、主演女優として活動されていたそうです。

(影さんは、1981年、手話劇「ちいさき神の、作りし子ら」の稽古中に、
 「脳腫瘍」で入院されると、初日を迎える5日前に亡くなっています。)

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現在の妻は野村玲子

2度目の離婚後は、長らく独身だった浅利さんですが、
2003年、やはり「劇団四季」で、
ヒロインとして活躍されていた野村玲子さんと再々婚。

野村玲子さん

実は、浅利さんは、入団当初から野村さんに目をかけ、
数多くの舞台でヒロインに抜擢されており、

野村さんの入団後10年くらいの頃から、
交際に発展したようで、

その後、10年交際され、
浅利さんが70歳になる前にケジメをつける形で入籍。

28歳差(野村さん42歳)の、
年の差婚として話題となったのでした。

ちなみに、野村さんは、2017年現在も、
「浅利演出事務所」の舞台「オンディーヌ」で、
ヒロインを務められており、公私共に、
良きパートナーであることが分かりますね♪

さて、いかがでしたでしょうか?

かつて、

(劇団四季)創立時の日本演劇界は、左翼イデオロギーばかりが横行し、
演劇という芸術本来の輝きが失われていました。

詩と幻想、そして人生への感動と賛歌を謳い上げる演劇の歓びは、
必ず市民社会に広く受け入れられるはず。

と、語っておられた浅利さん。

その後は、貧乏だった劇団員がアルバイトをせずとも、
舞台で生計を立てられるよう、商業主義的に発展させ、
見事、「劇団四季」を巨大劇団に成長させましたが、

浅利さんの原点である、「演劇は詩と幻想の芸術」は、
常に胸に秘められていたのでしょうね。

すでに80代も半ばと高齢の浅利さんですが、
これからもお体を大切に、末永く、
素晴らしい舞台を作り続けてほしいものです♪

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