「第3期東映ニューフェイス」のオーディションに見事合格すると、「京都撮影所(時代劇)」に所属することになった、里見浩太朗(さとみ こうたろう)さんですが、最初は大部屋俳優として、端役からのスタートだったそうです。

「里見浩太朗の若い頃は東映ニューフェイス!時代劇は生活のためだった?」からの続き

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ニューフェイスも最初は端役だった

里見さんは、何万人もの応募者の中から、見事、最終30人に残り、「東映ニューフェイス」となった訳ですが、

その後も、京都の撮影所に入るまでの間、「俳優座」で、小道具の持ち方や置き方、羽二重(カツラの下地)のつけ方を勉強されたほか、撮影に必要なあらゆることを覚えるため、その他大勢の役や通行人の役など、端役を経験されたそうですが、

それでも、最初は、学生アルバイトと同じ扱いだったそうで、寮には、毎日昼の3時頃になると、翌日の予定とともに、自分の名前の横に、「籠屋1」「仕出し(エキストラ)A」など、役柄も一緒に張り出されるの見て、役柄にあったかつらを選ぶなど、自分たちで撮影の準備をして現場に向かわれていたのだそうです。

(主演を務めるようになってからは、これまでバス移動だったものが、ハイヤー移動に変わるなど、待遇が良くなったそうです♪)

ニューフェイス部屋

ちなみに、「東映ニューフェイス」のオーディションに合格した人は、撮影所では「ニューフェイス部屋」という部屋に入るそうですが、

そこには、

おい、カツラをメーク部屋に持ってこい

衣装を畳んでおけ

などと、命令してくる先輩がいるかと思えば、羽二重(カツラの下地)の付け方を教えてくれたり、衣装のたたみ方を教えてくれる先輩、また、出演予定があるにもかかわらず、現場に行かずに寝ている怠け者の先輩がいるなど、様々なタイプの先輩がいたそうで、

里見さんは、そんな「ニューフェイス部屋」を、

いい先輩と悪い(笑)先輩、両方入り乱れていたのがニューフェイス部屋でした。

と、明かされていました。

「天狗街道」でデビュー

さておき、里見さんは、1957年、映画「天狗街道」で、主演の大友柳太朗さんと絡みのある大きな役で俳優デビューを果たすと、その後、「上方演芸 底抜け捕物帖」「誉れの陣太鼓」「富士に立つ影」に脇役として出演し、

翌年の1958年には、早くも「金獅子紋ゆくところ・黄金蜘蛛」で初主演されたのでした。


「金獅子紋ゆくところ」より。円山栄子さんと里見さん。

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出演作品(映画)

それでは、ここで、里見さんのデビュー以来の主な出演映画をご紹介しましょう。

1957年「天狗街道」
     「上方演芸 底抜け捕物帖」
     「誉れの陣太鼓」
     「富士に立つ影」

1958年「金獅子紋ゆくところ 魔境の秘密」
     「任侠東海道」
     「江戸の名物男」
     「少年猿飛佐助」
     「少年猿飛佐助 牢獄の姫君」
     「少年猿飛佐助 天空の白馬」
     「源氏九郎颯爽記 白狐二刀流」
     「ひばり捕物帖 かんざし小判」


「少年猿飛佐助 牢獄の姫君」より。真田幸村に扮する里見さん。

     「月の話奇談 変幻胡蝶の雨」
     「変幻胡蝶の雨・月の輪族の逆襲」
     「大菩薩峠 第二部」
     「少年三国志 第一部」
     「浪人八景」
     「少年三国志 第二部」
     「唄祭り三人旅」
     「新選組」


「少年三国志」より。

     「若君千両傘」
     「旗本退屈男」
     「小天狗霧太郎」
     「国定忠治」
     「小天狗霧太郎 完結篇」
     「満月かぐら太鼓」
     「神州天馬侠」


「満月かぐら太鼓」より。

     「喧嘩太平記」
     「神州天馬侠 完結篇」
     「隠密七生記」
     「柳生旅ごよみ 女難一刀流」
     「新選組」
     「紫頭巾」
     「捨てうり勘兵衛」
     「ひばり捕物帖 自雷也小判」


「ひばり捕物帖 自雷也小判」より。

1959年「いろは若衆 ふり袖ざくら」
     「忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻」
     「幕末美少年録 会津の決死隊」
     「唄しぐれ千両旅」
     「右門捕物帖 片目の狼」
     「あばれ街道」
     「ゆうれい小判」

     「紅だすき喧嘩状」
     「おしどり道中」
     「唄ごよみ出世双六」
     「お染久松 そよ風日傘」
     「血闘水滸伝 怒濤の対決」
     「里見八犬伝 妖怪の乱舞」


「里見八犬伝 妖怪の乱舞」より。

     「里見八犬伝 八剣士の凱歌」
     「いろは若衆 花駕籠峠」
     「天下の伊賀越 暁の血戦」
     「風雲児 織田信長」
     「緋鯉大名」
     「ひばり捕物帖 ふり袖小判」


「緋鯉大名」より。

1960年「ひばり十八番 弁天小僧」
     「任侠中仙道」
     「孔雀秘帖」
     「野狐笛 花吹雪一番纏」
     「花桜千両槍」
     「あらくれ大名」
     「南国太平記 比叡の血煙り」


「ひばり十八番 弁天小僧」より。

     「南国太平記 薩摩の狼火」
     「右門捕物帖 地獄の風車」
     「ひばりの森の石松」
     「照る日くもる日」
     「照る日くもる日 後篇」
     「さいころ無宿」
     「桃太郎侍 江戸の修羅王」


「南国太平記 薩摩の狼火」より。花園ひろみさんと里見さん。

     「桃太郎侍 南海の鬼」
     「親鸞」
     「旗本退屈男 謎の暗殺隊」
     「ひばり捕物帖 折鶴駕篭」
     「壮烈新選組 幕末の動乱」
     「次郎吉囃子 千両小判」
     「喧嘩まつり 江戸っ子野郎と娘たち」


「喧嘩まつり 江戸っ子野郎と娘たち」より。里見さんと花園ひろみさん。

     「怪談五十三次」
     「神田祭り 喧嘩笠」
     「地雷火組」
     「地雷火組 完結篇」
     「水戸黄門 天下の大騒動」
     「忍術真田城」

1961年「大江戸喧嘩まつり」
     「忍術大阪城」
     「柳生武芸帳」
     「柳生武芸帳 夜ざくら秘剣」
     「夜霧の長脇差」
     「新諸国物語 黄金孔雀城」
     「赤穂浪士」


「大江戸喧嘩まつり」より。

     「鞍馬八天狗」
     「新諸国物語 黄金孔雀城 第二部 第三部」
     「新諸国物語 黄金孔雀城 完結篇」
     「怪人まだら頭巾」
     「月形半平太」
     「怪人まだら頭巾 紅ぐも地獄」


「鞍馬八天狗」より。

     「豪快千両槍」
     「幽霊五十三次」
     「怪獣蛇九魔の猛襲」
     「右門捕物帖 まぼろし燈籠の女」
     「逆襲天の橋立」
     「新黄金孔雀城 七人の騎士 第一部 第二部」              
     「出世武士道」

     「新黄金孔雀城 七人の騎士 完結篇」
     「お世継ぎ初道中」
     「維新の篝火」
     「柳生一番勝負 無頼の谷」
     「地獄の底をぶち破れ」
     「赤い影法師」


「お世継ぎ初道中」より。里見さんと桜町弘子さん。

1962年「大江戸評判記 美男の顔役」
     「右門捕物帖 卍蜘蛛」
     「八幡鳩九郎」
     「お姫様と髭大名」
     「きさらぎ無双剣」  
     「向う見ずの喧嘩笠」
     「胡蝶かげろう剣」

     「右門捕物帖 紅蜥蜴」
     「酔いどれ無双剣」
     「鉄火若衆」
     「血煙り笠」
     「髑髏銭」 
     「ひばりの花笠道中」
     「薩陀峠の対決」


「髑髏銭」より。里見さんと北条きく子さん。

1963年「銭形平次 捕物控」
     「十三人の刺客」
1964年「第三の忍者」
     「大殺陣」

1965年「宮本武蔵 巌流島の決斗」
     「日本侠客伝 浪花篇」
     「主水之介三番勝負」
1966年「日本侠客伝 血斗神田祭り」
     「兄弟仁義」
     「続兄弟仁義」
     「兄弟仁義 関東三兄弟」


「十三人の刺客」より。島田新六郎に扮する里見さん。


「第三の忍者」より。左端が里見さん。

1967年「兄弟仁義 続・関東三兄弟」
1968年「人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊」
     「十一人の侍」
     「怪猫呪いの沼」
     「侠客列伝」
     「兵隊極道」
1969年「緋牡丹博徒|緋牡丹博徒 鉄火場列伝」
     「日本暗殺秘録」

1970年「関東義兄弟」
     「盛り場仁義」
     「水戸黄門」
2002年「およう」
2004年「スクールウォーズHERO・泥だらけの栄光~」
2012年「北のカナリアたち」
2015年「エイプリルフールズ」


「エイプリルフールズ」より。里見さんと富司純子さん。

と、非常に数多くの映画に出演されています。

ちなみに、デビュー当初の1958~1962年は、隆盛を極めていた「東映」時代劇の一翼を担う花形スターとして、現在では考えられない数の出演を重ねられていましたが、

次第に時代劇が人気がなくなり、任侠路線となっていくと、作品に恵まれず、1969年の「日本暗殺秘録」を最後に「東映」を退社。

その後は、テレビに活動の場を移されています。

「里見浩太朗は昔ピストル所持で山城新伍と共に起訴されていた!」に続く

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