2018年4月に愛船「光進丸」が全焼し、緊急会見ではショックを隠しきれず憔悴しきっていた、加山雄三(かやま ゆうぞう)さん。一時は、ライブも延期するなど、体調を崩されていましたが、同年6月、「光進丸」の遺作「演歌の若大将~Club光進丸」を発売されます。

「加山雄三の愛船光進丸が全焼!火災原因はエアコンの電気トラブル?」からの続き

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「光進丸」が水没

2018年4月1日に所有する大型クルーザー「光進丸」が炎上したことを受け、翌日4月2日、悲しみをこらえつつ、会見を開かれた加山さんですが、

4月4日午前9時頃には、追い打ちをかけるように、「光進丸」が、その横で係留されていた作業船とともに横倒しになり、大半が水没してしまいます。

下田海上保安部によると、「光進丸」は、火災で船体にできた亀裂に海水が入り込んだことが原因で横転したようで、加山さんの所属事務所は、今後の対処(「光進丸」をクレーンで引き上げるなど)については、

状況が分からない。今後のことは何も決まっていません

と、コメントするのみだったのですが・・・

4月18日には、「光進丸」が、加山さんの所属事務所が委託した会社によって、大型船のクレーンで引き上げられたそうなので、やはり、加山さんは、「光進丸」をそのまま放ってはおけなかったようです。

(その後、「光進丸」は、駿河湾を挟んで対岸にある静岡市の清水港へ移送されて陸揚げされ、引き続き、静岡県警や下田海上保安部などが出火原因を調べたそうです)

ショックでライブを2日前に延期

そんな中、さすがに、加山さんのショックは相当大きかったようで、

4月7日には、所属事務所が、公式サイトを通じて、4月9日に東京・ケネディハウス銀座で予定されていたライブの延期を、

現在の本人の気持ちを考えますと「延期」という判断を取ることが最善

必ず近いうちに「加山雄三」は元気な姿を見せられることと思います

と、発表されています。(延期公演は5月14日)

「光進丸」の遺作「演歌の若大将~Club光進丸」を発売

ただ、「光進丸」炎上から2ヶ月後の2018年6月には、37年間をともに過ごした「光進丸」で作り、歌ってきた演歌など11曲を収録したアルバム「演歌の若大将~Club光進丸」を発売。


演歌の若大将~Club光進丸

加山さんは、「光進丸」への思いを、

悲しいことは悲しいですけど、感謝して見送りましたから。役割を果たしてくれたし、身代わりになってくれた。

色んな幸せを与えてくれた。本当に船が好きで相棒失くした気持ちだけど、歌は残るし、思い出も残る。

こんなことで苦しんでいる場合じゃない。もっと苦しんでいる人がいるだろうから、俺はこれを乗り越えてがんばっていく。

と、語りつつ、

こんなことやってええんか(演歌)?と思うでしょ。何十年間と船でカラオケをやる時は演歌しか歌わなかった。「Club光進丸へようこそ!船長が歌います」とか言って、船員と酒を飲みながら歌ってきた演歌を1枚のアルバムにしたかったんだ。

演歌は時代に逆行しているようだけど、新しい世界なんだよ。アメリカのカントリーミュージックみたいなもので、永遠に残すべきジャンルだね。

と、大好きな「光進丸」で歌い、幼い頃から慣れ親しんだ演歌をアルバムにした経緯を明かされたのでした。

ちなみに、加山さんは、光進丸が炎上する10日前に船内で撮影した写真を、アルバムのジャケットにされているのですが(その日が船で過ごした最後の日)、

加山さんは、

撮影のためにデザイナーの方にネオンのライトをセッティングしてもらったのに、10日間の命だった。船の遺作になる。船へのレクイエムだな。

船の中でやってたことを詰め込んでできたアルバムには意味がある。これだけたくさんの幸せを与えてくれた船に感謝でいっぱい。光進丸に乗ってる気分で酒でも一杯やりながら聴いてほしいね。

と、おっしゃっていました。

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4代目「光進丸」は設計済?

また、加山さんは、

解体場所まで運ぶサルベージ(クレーン)船の名前がなんと「幸神丸」。すごいなって思ってジーンときたね。幸せの神様に抱かれて墓場に向かった。黙ったまま感謝で手を合わせるしかできなかったね。

と、水没した「光進丸」を引き上げて解体する際に起こった出来事をしみじみと語りつつ、

新しい船についても、

やる気だけは残してますけど。もう道楽的なことでやるのではなく、人のためになる物を作りたいって気持ちが強くなってきてる。前から考えていたが、もし作るのなら災害救助船。全部エコでできるものをと、どんどんアイデアがでてきている。

今までの3倍以上の98メートルくらいにして、災害の時に避難する場所があって、食料1000人分、水は一日250トンを確保できる船。断熱性がある液体ガラスに、軽いカーボン素材を使ってスピードを上げてさ。

ハワイまで1週間かかるのを2日で行きたい。残り少ない人生がもったいないからね。出資してくれる人がいたらいつでもできるよ。設計はほとんどできてる。2020年の東京五輪までに完成させたいね。

と、すでに、4代目「光進丸」の設計が済んでいることも明かされていました。

37年という歳月を連れ添った「光進丸」を失い、その悲しみからすぐに立ち直れるものではないものの、アーティストらしく、その想いを作品という形で昇華させた加山さん。

ぜひ、生まれ変わった4代目「光進丸」も見てみたいものです。

「加山雄三は脳梗塞を早期発見し10日程で退院していた!」に続く

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