1973年には、マーティン・スコセッシ監督の「ミーン・ストリート」で「全米映画批評家協会賞助演男優賞」、1974年には、フランシス・フォード・コッポラ監督の「ゴッド・ファーザーPART2」で「アカデミー賞助演男優賞」を受賞した、ロバート・デ・ニーロ(Robert De Niro)さんは、その後も快進撃を続けます。

「ロバート・デ・ニーロは昔「ゴッドファーザー2」でブレイク!」からの続き

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「タクシードライバー」のトラビス役で「第49回アカデミー賞主演男優賞」にノミネート

1974年「ゴッド・ファーザーPART2」の若きヴィトー・コルレオーネ役で、「アカデミー賞助演男優賞」を受賞する快挙を遂げたデ・ニーロさんは、

1976年には、「ミーン・ストリート」以来、再び、マーティン・スコセッシ監督と組み、ベトナム帰還兵のタクシードライバーが、腐敗した現代社会に対する怒りや虚しさ孤独に追い詰められ、やがては過激な行動に向かう姿を描いた映画「タクシードライバー」で、

不眠に悩まされ、大都会ニューヨークのマンハッタンの夜の街をただひたすら走り続ける、主人公のベトナム帰還兵のタクシードライバー、トラビス役を演じると、映画は大ヒットを記録。


「タクシードライバー」より。

また、この「タクシードライバー」は、「第49回アカデミー賞」で、作品賞(マイケル・フィリップスさん、ジュリア・フィリップスさん)、主演男優賞(デ・ニーロさん)、助演女優賞(ジョディ・フォスターさん)、作曲賞(バーナード・ハーマンさん)がノミネートされるほか(残念ながらいずれも受賞とはなりませんでしたが)、「カンヌ国際映画祭」で、マーティン・スコセッシ監督がパルムドール(最高賞)を受賞しており、

この映画の成功で、デ・ニーロさんは、スコセッシ監督とともに、一躍、時代の寵児となったのでした。

本当に1ヶ月1日15時間タクシー運転手として働いていた

ちなみに、この「タクシードライバー」のストーリーには、脚本家・ポール・シュレイダーさんの自伝的な要素が多く含まれており、

シュレイダーさんの孤独感が色濃く反映された脚本を読んだデ・ニーロさんとスコセッシ監督は、すぐに心を動かされたそうですが、

(シュレイダーさんは、ロサンゼルスに住んでいた時に会社を解雇され、チェーンのチキン・レストランの配達人として車の中で一日中過ごす中、友人も恋人もおらず、何週間も誰とも口をきかず、ひとりポルノシアターに通う毎日を送っていたそうで、そんな中、次第に神経が衰弱していき、タクシードライバーになった方がまだましだと考え、ニューヨークに移ったのだそうです。)

トラビスを演じることになったデ・ニーロさんは、やはり、いつもの通り、トラビスになりきろうと、実際に、タクシーの運転手のライセンスを取得し、ニューヨークの街で、1ヶ月間1日15時間、タクシーの運転手として働いたそうです。

すると、大半の乗客は運転手にはまるで無関心であることに気がつき、同じ孤独を知る人間として、トラビスに共感したのだそうです。

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セリフ「You talkin’ to me?」はアドリブだった

ところで、この「タクシードライバー」では、デ・ニーロさん演じるトラビスが、鏡に映る自分に向かって、

You talkin’ to me?(俺に用か?)

と、語りかける、有名なシーンがあるのですが、

実は、脚本には、「鏡を覗き込む」とだけしか書かれておらず、デ・ニーロさんが、映画「禁じられた情事の森」でマーロン・ブランドさんが鏡の前で呟くシーンにインスピレーションを得たアドリブだったそうですが、

徹底した役作りで、完全にトラビスになりきっていたデ・ニーロさんにとっては、自然と出た言葉だったのかもしれません。

「ロバート・デ・ニーロ は「レイジング・ブル」で30キロも増量していた!」に続く

「タクシードライバー」より。

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