「俳優養成所」の一次試験(書類・写真選考)に合格し、二次試験を受けると、午前中の筆記試験では、そこそこ手応えがあったという、愛川欽也(あいかわ きんや)さんは、午後からも、リズム感、音感の試験までは楽勝だったそうですが・・・朗読の試験では周りの上手さに自信を喪失し、最後のパントマイムの試験では全く覚えていないくらいテンパり、不合格を確信したといいます。

「愛川欽也は高校の時「俳優養成所」の試験を受けていた!」からの続き

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リズム感の試験は楽勝

二次試験の午前の部(筆記試験)が終わると、1時間の昼休みを経て、午後からは、リズム感、音感、朗読、パントマイムの試験だったそうで、

愛川さんは、指示された通り、2階の控室で、持ってきた青い海水パンツに着替えて待機していると、午後1時にリズム感の試験が始まり、

まず、10人ずつ名前を呼ばれて教室に入れられると、試験官の音楽の先生の前に一列に整列させられ、次に、床に白墨で描かれた大きな輪に沿って全員が間隔を開けて輪にならされ、先生の手拍子に合わせて演奏されるピアノのリズムに合わせて好きなように歩かされたそうです。

(緊張のあまり右手と右足が一緒に出る者もいたそうです)

すると、やがて、手拍子が三拍子のワルツになり、ルンバのリズムになったそうで、みんな必死でリズムに乗って歩いていたそうですが、愛川さんは難なくできたそうです。

音感の試験も楽勝

次の音感の試験では、ピアノの先生がドミソドミソなどいろいろな音を出し、その音に合わせて一人づつ歌を歌うというものだったそうですが、この音感の試験も愛川さんは楽勝だったそうです。

また、先生が、どうしても音に合わせることができない受験生に、

あんた変よ、もう一回やろう

と、言い、ほかの受験生が一斉に笑うなど、午前中の筆記試験とは打って変わって、終始和やかな雰囲気で行われたそうです。

朗読の試験では自信喪失

しかし、次の朗読の試験では、一人ずつ、川端康成の「伊豆の踊り子」の始めの部分を読まされたそうですが、受験生の中には、まるでラジオを聴いているようかのような、とびきり上手な人もいたそうで、

(思わず「うまい」と声に出してしまいそうになったそうです)

愛川さんは、この時、今すぐにでも俳優になれそうな青年たちがたくさんいることに、今更ながら気づいたそうで、このままでは容姿だけを考えても自分が合格するはずはない、来年、高校を卒業してからもう一度受けようと、すでに、あきらめモードになったのだそうです。

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最後のパントマイムの試験ではテンパり不合格を確信

そして、最後の試験はパントマイムだったそうですが、

その設定というのが、

目が覚めると寝坊したことに驚く。彼は毎朝する用事をできるだけ早く済ませ出かけようとして定期券のないことに気づき、部屋の中を夢中で探す。やっと見つかって部屋を出ていく

というもので、

愛川さんは、今までお芝居などやったことがなく、海水パンツ一枚の姿だったこともあり、胸の高鳴りが外からでも聞こえるのではないかと思うほどドキドキしながら、試験場の中央の、劇団の幹部の俳優や演出家がずらりと並んでいる前に立ち、受験番号と名前を大きな声で言うと、

(偉い先生が愛川さんを自分の子供を見るような目で見ていたそうです)

試験官のテーブルの端に座っていた人が「始めてください」と言ったことから、急いでパントマイムの試験問題を頭の中で思い返してみたそうですが、そこから先は、自分がどう動いたのかよく覚えておらず、最後の遅刻して慌てて出ていくシーンの時には目に涙が溜まっていたそうで、

試験が終わって教室の真ん中でピョコンと頭を下げた時には、先生たちの顔を見ることさえできず、「終わった(落ちた)」と思ったのだそうです。

「愛川欽也は「俳優養成所」の試験後は絶望感に襲われていた!」に続く

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