1982年、「紅麗威甦(グリース)」としてレコードデビューすると、硬派なルックスで、たちまち人気を博した、杉本哲太(すぎもと てった)さんは、1983年には、「白蛇抄」で映画デビューもすると、「日本アカデミー賞新人賞」を受賞するなど、俳優としても高く評価され、以降、活動の場を俳優業にシフトしていきます。

「杉本哲太が若い頃は嶋大輔と共に「横浜銀蝿」の人気を牽引していた!」からの続き

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映画「白蛇抄(はくじゃしょう)」で脚光を浴びる

杉本さんは、1983年、18歳の時には、「白蛇抄」で映画デビューすると、住職である父親の後妻の石立うた(小柳ルミ子さん)と禁断の関係に陥る高校生という難役を演じ切り、いきなり、「日本アカデミー賞新人賞」を受賞するなど、俳優としても、たちまち脚光を浴びます。

(杉本さんは、住職の息子という役のため、トレードマークのリーゼントをそり、丸刈りにして挑んでいます)

ちなみに、この映画のスチール写真を担当した加藤光男さんは、後に、

とにかく哲太は一生懸命だった、撮影時にバイクで転んで足に大けがをしたが、大丈夫です、とそのまま撮影は続行、骨折したかどうかまでは覚えてないが、かなり痛かったと思うよ、とにかく頑張っていた

と、語っています。


「白蛇抄」より。杉本さんと小柳ルミ子さん。

(この映画は、小柳ルミ子さんが初めて激しい濡れ場を演じたことで、大きな話題となりました)

「笑っていいとも!」などバラエティ番組では純朴なキャラクターがウケる

そんな杉本さんは、翌年の1984年3月21日には、「紅麗威甦(グリース)」の無期限活動休止を発表すると、その後は、俳優業に専念するようになり、数多くのテレビドラマや映画に出演しているのですが、

1998~1999年には、「笑っていいとも!」に出演するなど、バラエティ番組にも出演し、かつての硬派なルックスや茅ヶ崎一の不良という経歴とは相反する純朴なキャラクターがウケています。

映画「ひかりごけ」が俳優としての転機となっていた

そして、1992年、27歳の時には、実際に起こった「ひかりごけ(人肉食い)事件」を題材に、極限状態に置かれた人間の心理状態を鋭い視点で描いた、武部泰淳さんの同名小説を原作とする映画「ひかりごけ」で、三國連太郎さん、田中邦衛さん、奥田瑛二さんと共演しているのですが、

杉本さんは、

皆さんがアドリブでガンガン芝居していて、自分もそこに参加しているにもかかわらず傍観者になるほど“この人たちすげえ”と衝撃を受けました。役者としての非力さを感じて、今まで何やってきたんだろうと目が覚めた思いでした

と、この映画が俳優としての転機になったことを明かしています。


「ひかりごけ」より。

(この映画で、杉本さんは、遭難の末、衰弱して死ぬという壮絶な役を演じています)

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「相棒season16」での警視庁副総監役は大杉漣の代役だった

ところで、杉本さんは、2018年には、テレビドラマ「相棒season16」最終話の2時間スペシャル(3月14日放送)で、警視庁副総監・衣笠藤治役を演じているのですが、実は、この役、同年2月21日に、急性心不全のため急逝した大杉漣さんの代役として、急遽、起用されていたそうで、

かつて、自身の主演作に出演したこともあるという大杉さんのことを、俳優として「指針とすべき存在」と尊敬していたという杉本さんは、台本や設定をそのままに、代役を引き受けたのだそうです。

(ちなみに、杉本さんは、2007年、「相棒season5」の元日スペシャル「バベルの塔~史上最悪のカウントダウン!爆破予告ホテルの罠」で過激な犯人役で出演して以来、その後も、「season17」「season18」「season19」と「相棒」シリーズに出演しています)

「杉本哲太のデビューからの出演ドラマ映画CMを画像で!」に続く


「相棒season16」より。仲間由紀恵さんと杉本さん。

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