WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)2次リーグの初戦のアメリカ戦では、球審に勝ち越し点を取り消され、その後、サヨナラ負けを喫した、王貞治(おう さだはる)さんは、その後、韓国にも再び敗れ(今大会2度目)、2次リーグ通過の見込みがほぼなくなっていた中、メキシコがアメリカを僅差で破ったことで、奇跡的に準決勝進出を果たします。

「王貞治はWBC2次リーグ米戦で球審に勝ち越しを取り消されていた!」からの続き

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2次リーグでも韓国に敗れる

2次リーグ初戦のアメリカ戦では、セーフだった判定を、アメリカ代表監督の抗議で覆されて、勝ち越し点を取り消され、結果、痛恨のサヨナラ負けを喫した日本代表は、2戦目のメキシコ戦には勝利したものの、最終戦の韓国戦では再び敗れ(1勝2敗)、

翌日の試合で、もし、アメリカがメキシコに勝てば、2次リーグ敗退が決まるというピンチを迎えます。

日本が準決勝に進出できる可能性はほとんどなかった

ちなみに、この状況で日本が先に進むには、「勝敗が並んだ場合は、得失点率で上位進出チームを決める」という条件に合致するしかなく、2次リーグの最終戦となるメキシコ対アメリカで、メキシコが僅差で勝つことが条件になっていたそうですが、

そもそも、誰もが、メキシコがアメリカに勝つはずがないと思っていたそうで、王さんは関係者と、アメリカ・アナハイムの「パンダ」という中華料理店で食事をしながら、

(食事会は事実上「残念会」だったそうです)

どうせメキシコがアメリカに勝つわけがないじゃないか

と、言いながら、店の奥のテレビでメキシコ戦を見ていたそうですが・・・

メキシコがアメリカに僅差で勝利し奇跡的に日本の準決勝進出が決定

3回裏、メキシコが1点を先制すると、4回表には、すぐにアメリカが1点を返し、同点に追いつくも、5回裏には、再び、メキシコが逆転し、2対1とリード。

それでも、9回表には、アメリカが一死、一、二塁と攻めたことから、「やっぱりダメだなあ」と言っていると、ダブルプレイとなって試合終了(メキシコ勝利)したそうで、王さんたちは、それはもう、大騒ぎとなったのだそうです(笑)

(これにより、アメリカ、メキシコ、日本はともに1勝2敗で並び、失点率の差で日本の準決勝進出が決まったのでした)

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ミーティングでは選手たちに「もう怖いものはない。思い切って戦おう」と言っていた

そんな、思わぬ準決勝進出に、王さんは、ミーティングで選手たちに、

もう怖いものはない。思い切って戦おう

と、言ったそうで、

中継ぎの1人、藤田宗一投手(千葉ロッテ)は、この時のことを、

(第1、2次リーグで)韓国に負けた後のミーティングで、王監督がボソッと『まだあるから』とおっしゃったんです。でも、みんな日本へ帰るつもりで準備をしていたら、メキシコが(アメリカに)勝った。

すぐに『あ、これや。監督が言っていたことは、こういうことか』と思いました。何があるか分からない。諦めないということですよね

と、語っています。

「王貞治は第1回WBCで日本を優勝(初代世界王者)に導いていた!」に続く

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