2017年11月3日、マイアミ・マーリンズから来季(2018年)の契約を更新しないことが発表され、所属球団が決まらないまま年を越し、日本で自主トレをしていたイチローさんですが、2018年3月7日、古巣・シアトル・マリナーズとの1年契約が発表されます。

ただ、さすがに、この年、45歳になるイチローさんがメジャーリーグで活躍するのは難しく、この年は、15試合出場した時点で、マリナーズと「スペシャルアシスタントアドバイザー(会長付特別補佐)」の契約を結び、選手としては同年の残り試合は出場しないことが発表されると、

翌2019年3月20~21日の東京ドームで行われた開幕2連戦が、実質、引退試合となり、イチローさんは、3月21日の試合後、会見を開き、引退を発表したのでした。

2019年3月21日のイチロー

「イチローはマーリンズでは第4の外野手で代打要員!MLB3000安打も3年で退団!」からの続き

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イチローは2018年(5年半ぶり)にシアトル・マリナーズに復帰していた

2018年、自身にとって初めてキャンプイン時に所属球団が決まっていない状態となり、日本で自主トレーニングをしていたイチローさんですが、キャンプも半ばに差し掛かった、3月7日、古巣シアトル・マリナーズとの1年契約が発表されます。

すると、イチローさんは、3月7日の復帰記者会見で、

いずれまたこのユニホームを着てプレーしたいという気持ちが心のどこかに常にあったんですけれど、それを自分から表現することはできませんでした。

それは5年半前のことが常に頭にあったので、戻ってきてくれっていう言葉は僕の周りでたくさん聞いたんですけれども、それを僕は聞き流すことしかできなかったんですね。

でも、こういう形でまたこのシアトルのユニホームを着てプレーする機会をいただいたこと、2001年にメジャーリーグでプレーすることが決まったときとは全く違う感情が生まれました。とてもハッピーです

と、喜びを語っています。

(イチローさんは、2012年7月、ニューヨーク・ヤンキースにトレードで移籍しているのですが、トレードを求めたのはイチローさんだったことから、自分から戻りたいとは言えなかったのでした)

また、イチローさんは、マリナーズに対して、

僕にはホームなのにホームでない。近いのにすごく遠く感じる存在になっていた。そこにある、当たり前のようにあったものは、まったくそうではない、特別なものであったことを、この5年半で感じています

と、複雑な思いがあったことも明かしています。

マリナーズ復帰会見を行うイチロー
マリナーズ復帰会見を行うイチローさん。

イチローはシアトル・マリナーズに復帰するも、開幕前には右ふくらはぎ痛や頭部死球で途中退場していた

しかし、イチローさんは、オープン戦、2018年3月14日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦では、右ふくらはぎ痛のため試合途中で退場、復帰直後の3月24日のマイナーリーグでの練習試合では、ブランドン・マン投手から頭部死球を受け、途中退場と、順調とは言えない幕開けとなります。

そして、3月29日の開幕戦のインディアンス戦では、9番・左翼手としてスタメン出場を果たすのですが・・・

結果は、2打数無安打1三振に終わってしまい、復帰後初のヒットとはならなかったのでした。

イチローはシアトル・マリナーズ復帰の開幕戦では観客にスタンディングオベーションで迎えられていた

ただ、開幕戦の本拠地セーフコ・フィールドには、レギュラーシーズンの試合としては歴代最多となる4万7149人の観客が詰めかけ、イチローさんは、第一打席、スタンディングオベーションで迎えられており、

イチローさんは、試合後のインタビューで、

『お帰り』と言ってもらえるのはもう少し先かなと思っていたんですけど、こんな風にしてもらったら、もう、この先はシアトルを離れたくないなという気持ちになりますよね

と、喜びを語っています。

イチローは2018年5月にはマリナーズの会長付特別補佐に就任し残り試合は出場しないことが発表されていた

しかし、その後もイチローさんの成績はパッとせず、15試合に出場した時点で(9安打、打率2割5厘)、同年(2018年)5月3日には、選手登録を外れ、マリナーズと「スペシャルアシスタントアドバイザー(会長付特別補佐)」の生涯契約を結び、選手としては同年の残り試合は出場しないことが発表されます。

とはいえ、来季以降は試合出場も可能という契約だったことから、イチローさんは、チームに帯同し、選手たちをサポートしながら、練習も続け、現役復帰を目指します。

そして、翌2019年1月24日には、マリナーズとマイナー契約を結ぶと、マイナー契約の招待選手としてキャンプに臨んだのですが・・・

深刻な打撃不振に陥り、キャンプ終盤になっても結果を出すことができず、イチローさんは引退を決意したのでした。

(※招待選手とは、球団が、メジャー契約は結んでいないものの、過去に実績を残した選手などがオープン戦などで活躍し、戦力になると分かれば、すぐにメジャー契約を結んでチームに加えたい選手で、メジャーのキャンプに「招待」という形で参加させるのだそうです)

イチローは2019年3月20日~21日、東京ドームでの開幕戦(アスレチックス戦)で暗黙の引退セレモニーが行われていた

そんなイチローさんは、オープン戦から24打席連続無安打のままシーズン開幕を迎えると、3月20日には、メジャー契約に切り替わり、東京ドームで行われた開幕戦(アスレチックス戦)に9番右翼で先発出場(10か月ぶりにメジャーリーグの公式戦に復帰)。

4回には、一旦、ライトの守備位置に就いてから交代を告げられると、ライトからベンチに走って戻るイチローさんを、三塁線付近で同僚の内野手4人が待ち構え、ハグを交わしたことから、このサプライズに、超満員の東京ドームは大きな拍手が沸き起こります。

そんな中、イチローさんは、さらに、スコット・サービス監督らともハグし、ダグアウト内でも同僚と握手&ハグをしたのでした。

(この日のイチローさんは1打数無安打1四球とヒットを打つことはできませんでした)

そして、翌3月21日の試合にも、イチローさんは先発出場するのですが、4打席無安打で終わると、8回裏、守備についた直後に交代。

イチローさんはゆっくりと三塁側のベンチ前に戻ってくると、選手一人一人とハグし、試合後は場内を一周してファンに別れを告げたのでした。

(この時点で、イチローさんはまだ引退することを公言していなかったのですが、既に噂が立っており、ファンやチームメイトもこのような対応をしたのでした)

2019年3月21日のイチロー
8回交代後、チームメイト全員とハグするイチローさん。

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イチローは2019年3月21日の試合後に現役引退を発表していた

その後(3月21日の試合後)、イチローさんは、東京ドーム近くのホテルで記者会見を開くと、

きょうのゲームを最後に現役生活に終止符を打ち、引退することになりました

と、述べ、現役を引退することを表明したのでした。

(イチローさんは、この時初めて「引退」という言葉を使いました)

「イチローはMLB移籍当初はファンからもブーイングを浴びせられていた!」に続く

お読みいただきありがとうございました

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