「ロッキー」が世界的な大ヒットを記録し、たちまちスターダムに上り詰めると、今度は、「ロッキー」のイメージから脱却しようと、様々なジャンルに挑むも、なかなかうまくいかなかった、シルベスター・スタローン(Sylvester Stallone)さんですが、ついに、「ランボー」が大ヒットします。

「シルベスター・スタローンが若い頃は「ロッキー」で大ブレイク!」からの続き

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「ロッキー」シリーズ以外なかなかヒットせず

ロッキー」の大ヒットで、一躍、スターの座に駆け上ったスタローンさんですが、今度は、「ロッキー」のイメージから脱却しようと、1978年には、社会派映画「フィスト」で演技派に挑戦し、同年には、初の監督・脚本・主演作品となる「パラダイス・アレイ」も興行的に失敗。


「パラダイス・アレイ」より。スタローンさんとトム・ウェイツさん。

そこで、プロデューサーのアドバイスもあり、1979年、起死回生を賭け、「ロッキー」の続編、「ロッキー2」を監督・脚本・主演で製作すると、大ヒット。

そして、1981年には、再び、役柄の幅を広げようと、刑事アクション「ナイトホークス」や、捕虜脱出アクション「勝利への脱出」に挑戦(脚本と主演)するのですが・・・やはり興行的にはパッとせず。


「ナイトホークス」より。

そこで、1982年には、「ロッキー3」を監督・脚本・主演で製作すると、またまた大ヒットと、「ロッキー」シリーズはことごとく大ヒットするも、それ以外は、ほとんどヒットさせることができませんでした。

ついに「ランボー」が大ヒット

しかし、そんな中、映画化が決定していながら10年以上もの間、頓挫(とんざ)していた、「ランボー」(ディヴィッド・マレルさんの小説「一人だけの軍隊」が原作)の主人公、ジョン・ランボーのオファーがあり、すぐに受けると、1982年、「ランボー」は、世界中で大ヒットを記録。

ついに、スタローンさんは、「ロッキー」シリーズ以外でも、大ヒットを飛ばしたのでした。


「ランボー」で主人公のベトナム帰還兵(グリーンベレー=特殊部隊)ランボーに扮するスタローンさん。この作品では、崖から飛び降りるなどの危険なシーンもノースタントで自ら演じたそうです。

ちなみに、この作品は、その後も、

「ランボー/怒りの脱出」(1985年)
「ランボー3/怒りのアフガン」(1988年)
「ランボー/最後の戦場」(2008年)
「ランボー ラスト・ブラッド」(2019年)

と、シリーズ化され、いずれもヒットとなっています。

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当初「ランボー」は長過ぎてどこからも配給を断られていた

ところで、「ランボー」シリーズは、いずれも、上映時間が100分程度と、現在のハリウッド映画の基準からすると短いのですが、

実は、スタローンさんによると、

完成したばかりの1作目は、ひどかった。冗談で言っているんじゃないよ。作ったのは自分なのに、焼き捨てたかったほどなんだから。主人公が自分の国を攻撃する映画で、しかも長すぎた。

それで 11社から配給を断られたんだ!だから、『思い切り削って、85分にしてみたらどうか』と思いついたというわけ(実際の『ランボー』は本篇93分)。 ランボーの話に、説明はそれほどいらない。すぐさま本題に入るほうがいいと

と、短くしたそうですが、それでも作品は売れず。

そこで、スタローンさんは、とにかく誰かに買ってもらえないかと、最後の手段として、さらに短く、20分に編集したものを、海外のバイヤーに見せると、

(それを編集したのは、スタローンさんではなく、誰か別の人だったため、スタローンさん自身はどのように編集されたかは知らなかったそうです)

上映が終わった後、場内は大きな拍手に沸き、ようやく、

この映画はいける。成功する

と、感じたそうで、以来、「ランボー」シリーズはいずれも、短めとなっているのだそうです。

ちなみに、スタローンさんは、

これは、そのまま、僕のキャリアの話とも言える。僕の人生ではたいていの場合、これはダメと思ったものが成功し、これはすべてにおいてうまくいったと思うものは、失敗してきているんだよね

と、語っており、「ランボー」シリーズが、特に思い入れのある作品であることを明かしています。

「シルベスター・スタローンの「ランボー」に残酷描写が多い理由とは?」に続く

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