バンドのマネージャーになり、バンドマンからピンはねして荒稼ぎするも、相変わらず、俳優としての仕事はなく、満たされぬ日々を送る中、マネージャーまでクビになってしまったという、愛川欽也(あいかわ きんや)さんは、今度は、チンピラに絡まれ、背中を刺されたといいます。
「愛川欽也はバンドのマネージャーで儲けるもやがてクビになっていた!」からの続き
チンピラ二人に絡まれる
「俳優養成所」時代の同期や後輩に次々に抜き去られ、半ば俳優になる夢をあきらめていた中、バンドマネージャーもクビになった愛川さんは、さすがにこのまま家には帰りたくなく、
(最近はお母さんともめっきり口をきかなくなり、昔の友だちとも全く会わなくなっていたそうです)
ふと、思い立って「俳優養成所」のある六本木へ行き、懐かしい建物の前に立ったそうです。
ただ、中には入らず、コーヒーを飲んでシャンソンでも聴いてから自宅(巣鴨)に帰ろうと、渋谷行きの都電に乗り、養成所時代、時々通っていた喫茶店「ブルーエ」に向かって交差点を歩いていると、
突然、
お前、なんで俺にガン飛ばすんだ
と、二人のチンピラに絡まれたそうで、
相手にするまいと、避けて行こうとすると、
チンピラの一人に、
何とかいえ、この野郎
と、背中を足で蹴られたのだそうです。
(大事なギャバジンの青い背広に靴の跡をつけられたのだそうです)
本物のヤクザにケンカを仲裁される
これには愛川さんもキレ、振り向きざまにその男の鼻を殴りつけ、二人のチンピラ相手にケンカとなると、
(昔、ボクシングを習っていた愛川さんは、二人相手でも負けてはいなかったそうです)
突然、
やめろ
と、言う声が聞こえ、
背の高い細面の、一目でやくざと分かる男が愛川さんとチンピラの間に入ったそうで、その男は、チンピラ二人をじっと見てから、次に愛川さんを見たそうです。
(二人のチンピラは、その男が何者であるかを知っていたようで、震えていたそうです)
そして、
お兄さん、どちらの組の方で・・・
と、尋ねられたことから、
(愛川さんは、自分が角刈りで青い背広を着ていたことから、ヤクザと勘違いされたと思ったそうです)
愛川さんが、
僕はどこの組のものでもありません。巣鴨に住んでいる本屋のせがれです
と、答えると、
男は振り返り、二人のチンピラの顔を何も言わず、いきなり叩き、
素人さんに絡むんじゃねえ、馬鹿野郎
と、言い残し、足早に人混みの中に去っていったのだそうです。
知らぬ間に背中を刺されていた
そこで、愛川さんは、早くこの場を去ろうと、横断歩道を渡り、喫茶店「ブルーエ」に向かおうとしたそうですが・・・
その瞬間、背中に冷たい衝撃が走り、愛川さんのそばを歩いていた女性たちが「キャー」と悲鳴をあげたことから、思わず、背中に手を回すと、背広が真っ赤な血で溢れており、気がつくと救急車に乗せられていたのだそうです。
(知らぬ間に刺されていたのでした)
「愛川欽也は母親の再婚話に大きなショックを受けていた!」に続く