特別少年院の少年が出所して更生するまでのドキュメントを撮影することになった、田原総一朗(たはら そういちろう)さんは、その後、特別少年院の院長に少年Mを紹介してもらい、取材を始めたそうです。

「田原総一朗は昔「ドキュメンタリー青春」を制作していた!」からの続き

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特別少年院の院長に少年Mを紹介してもらう

久里浜の特別少年院の院長に取材協力の許可を得ると、院長には、近々、出所する少年Mを紹介してもらったそうで、

田原さんは、このMに会いに行き、

君のことを撮りたいんだ

と、何度も口説いて、何とか本人の了承を取ったそうです。

(Mは何度も少年院への出入りを繰り返しており、最終的には、タクシー強盗をやり、久里浜の特別少年院に入所していたそうです)

企画を発案した録音担当の安田哲男が少年Mを引き取ることを申し出る

また、田原さんは、大阪に住むMの親にも会いに行ったそうですが、Mの親は、Mが出所後もMを引き取らないと言ったことから、こちらで引き取ることを伝えたそうです。(親が引き取らない以上、誰かが保証人になる必要があったため)

すると、この企画を提案した(録音担当の)安田哲男さんが、

田原ちゃんじゃ、無理。オレの家で引き取る

と、言ったそうで、安田さんがMの保証人を引き受けることになったそうです。

少年Mが院長から訓示を受けるところから撮影することに

ちなみに、田原さんが、院長に、

(Mが出所する際)院長が訓示するところから撮りたい

と、申し出ると、

院長には、

田原さん、それをやったら(Mが)少年院にいたことが分かってしまうじゃないですか

と、言われたそうですが、

田原さんが、

訓示を受けている少年は撮りません。訓示をしている院長だけを撮るから

と、言うと、

明らかに誤魔化したにもかかわらず、院長は了承してくれたそうです。

そして、田原さんが、さらに、

少年院のドアを開けて出たところから撮りたい

と、言うと、

院長には、

責任を持つか

と、聞かれたそうですが、

田原さんは、

責任を持つ。 院長には絶対迷惑をかけない

と、断言して、撮影の承諾を得たのだそうです。

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少年Mの希望で調理師学校に入学する手配をする

こうして、田原さんは、Mが院長に「二度と戻ってくるなよ」と訓示されて出所するところから撮影を始めたそうで、次に、出所したばかりのMに最初に何をしたいか尋ねると、Mは「タバコを吸いたい」と言ったことから、タバコを渡し、Mがタバコを吸うところを撮影。

次に、「何になりたいか」と聞くと、Mは調理師になりたいと答えたため、田原さんは、都内の調理師学校をしらみ潰しに当たり、新宿の調理師学校に、寮完備で、学費、寮費、食費無料の特待生制度があることが分かったそうで、この調理師学校の窓口である教頭に会い、「Mを特待生にしてほしい」と頼んだところ、

テレビ取材は学校のPRになると考えたのか、「少年院出身であることを絶対に明かさない」という条件で、教頭は、田原さんたちの依頼を了承したのだそうです。

(ここでも、Mが少年院出身ということを明かさなければ、ドキュメンタリーは成立しないのですが、田原さんは、とりあえず、この条件を飲み、Mの取材を進めたのだそうです)

「田原総一朗は取材した少年院出身の少年に金銭をせびられていた!」に続く

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