1961年、中日ドラゴンズに入団すると、入団からたった2年間で130試合にも登板し(65勝)、あまりの登板過多から「権藤、権藤、雨、権藤」と言われた、権藤博(ごんどう ひろし)さん。

今回は、そんな権藤博さんの若い頃(プロ入り前の社会人時代)の活躍や経歴を時系列でご紹介します。

権藤博

「権藤博の生い立ちは?高2で内野手から投手に転向!高3で西鉄の練習に参加していた!」からの続き

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権藤博は高校卒業後は西鉄ライオンズを断り、社会人野球のブリヂストンタイヤに入社

高校時代、甲子園出場は果たせなかった権藤博さんですが、その活躍から、高校3年生の夏には、西鉄ライオンズ(現・西武ライオンズ)の練習に参加するなど、プロから注目されるようになり、

高校3年生の秋には、まず、西鉄ライオンズ、次に、社会人野球のブリヂストンタイヤ(福岡県久留米市)のテストを受けると、見事、どちらも合格したそうです。

ただ、先にブリヂストンから合格通知が届いたことと、体重が62キロと体が細かったこともあり、西鉄を断り、高校卒業後の1957年、社会人野球のブリヂストンタイヤに入社したそうです。

ちなみに、権藤博さんは、

西鉄が声をかけてくれて三原(脩)さんと川崎(徳次)さんの前で投げた。それが自信になり、次のブリヂストンのテストでは誰もバットにかすらなかった

と、語っています。

権藤博は社会人(ブリヂストンタイヤ)1年目(19歳)は体力づくりのため毎日走り込みをしていた

こうして、1957年春、ブリヂストンタイヤに入社した権藤博さんは、久留米工場の用度課に配属されると、会社は8時10分始業で16時10分終業だったそうですが、野球部は14時に上がって練習を始めたそうで、

権藤博さんは、全体練習の後、(華奢(きゃしゃ)だったため、体力づくりのため)球場近くにある筑後川の川べりを毎日走り込むほか、投球の軸となる右足を鍛えるため、外野のポール間を片足ジャンプで往復したそうです。

(権藤博さんは、西鉄のエースで憧れだった、稲尾和久さんのフォームを参考にしたそうで、投げ終わりの手の位置まで細部にわたってマネをしたそうです)

また、吉川英治さんの小説「宮本武蔵」で武蔵が積んでいた修行にヒントを得て、腹筋やダッシュなどの回数を日ごとに増やすトレーニングも実践すると、徐々に体が強くなり、球も速くなったそうです。

(当時の福岡県は社会人野球が盛んで、近くには日鉄二瀬や東洋高圧大牟田、北九州地区には八幡製鉄、門司鉄道局など、全国に名を馳せる名門がひしめいていたそうで、そんな中、ブリヂストンタイヤは「同好会のようなチーム」で、練習は個々の自主性に委ねられていたそうです)

ちなみに、権藤博さんは、この頃のことについて、

パンや牛乳が10円の時代にビールが100円くらい。先輩がビールを買ってきて。ビールなんて飲んだことなかったけど、“頑張ったらビール”といつも思っていた

と、語っています。

(当時の若者にとって、「夢」「富」の象徴が1杯のビールのおいしさだったそうです)

権藤博は社会人(ブリヂストンタイヤ)3年目(21歳)はほとんど打たれなかった

そんな権藤博さんは、1年目、2年目とほとんど活躍できなかったそうですが、3年目には手応えを感じたそうで、ブリヂストンの球場に日本石油、日本通運、立教大学などが来て試合をしたそうですが、打者のバットにかすらせないほど球威が増し、ほとんど打たれなかったそうです。

ちなみに、対戦した投手には、日本通運の堀本律雄さんもいたそうで、堀本律雄さんは、1957年の第3回世界野球大会で日本の優勝に貢献するほか、同年、都市対抗野球で4勝を挙げて久慈賞も獲得し、当時「社会人NO.1投手」と言われていたそうですが、

(確かに堀本律雄さんはものすごい球を投げていたそうです)

ブルペンの後ろで見ていた、同期入社でバッテリーを組んでいた堤田忠夫さんに、

ゴン(権藤博さん)のほうがすごい球だよ

と、言われたことが嬉しく、また、この一言が自信になったそうです。

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権藤博は社会人(ブリヂストンタイヤ)4年目(22歳)には延長10回無失点の快投で一躍全国に名前が知れ渡っていた

そして、権藤博さんは、4年目の1960年、22歳の時には、都市対抗野球の北九州南部予選初戦の強豪・日鉄二瀬戦で、延長10回まで無失点と快投すると、11回に1点を失い、力尽きるのですが、

この時の活躍で、「九州に権藤あり」と、権藤博さんの名前が全国に知れ渡ることになったのでした。

その後、権藤博さんは、北九州代表になった日鉄二瀬の補強選手として全国大会に出場すると、2試合に登板し、計7イニングを無失点に抑えたのでした。

「【画像】権藤博の若い頃が凄い!プロ野球現役時代を時系列まとめ!」に続く

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