自ら、製作・監督・脚本・撮影・美術・編集・主演をこなされている、映画監督で俳優の、塚本晋也(つかもと しんや)さん。そのスタイリッシュな映像美や独特の世界観は、世界の映画監督を魅了しています。


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プロフィール

塚本さんは、1960年1月1日生まれ、
東京都渋谷区のご出身です。

出身大学は、
日本大学芸術学部、

現在は、多摩美術大学造形表現学部で、
映像演劇学の教授もされているそうです♪

映画制作を始める

塚本さんは、14歳の時に、
8ミリフィルムで映画を撮り始め、

高校在学中には、日本テレビ主宰の、
「フィルム・フェスティバル」で入賞されるなど、
映画制作の実績を積まれますが、

未熟さを感じられ、
日本大学芸術学部美術学科へ、
進学されています。

演劇活動

しかし、塚本さんは大学に入ると、
制作スタイルにこだわりを持つあまり、
面白いと思える映画が作れなくなってしまい、

制作するよりも、演じることに、
楽しみを見出されたようで、

塚本さんは、劇団を主宰するほどに、
演劇に夢中になります。

そして、大学卒業後は、
CM制作会社に就職し、

仕事をしながら、
演劇活動を続けられたのでした。

しかし、次第に、
仕事と舞台の両立が難しくなり、
入社4年で会社を退職。

塚本さんは、退職後の1985年、
劇団「海獣シアター」を結成すると、
3本のお芝居を興行されたのでした。

映画で賞を受賞

そして、1986年、
「普通サイズの怪人」で、
映画制作を再開されると、

翌年1987年には、
「電柱小僧の冒険」で、

いきなり、「PFFアワード」の、
グランプリを獲得。

「電柱小僧の冒険」より。

さらに、翌年の1988年にも、
「鉄男」で、「ローマ国際ファンタスティック映画祭」の、
グランプリを獲得されています。

この「鉄男」という作品は、
1000万という低予算で制作されており、

スタッフは少人数、
撮影は16ミリのフィルムながら、

塚本さんの才能が随所に散りばめられた、
作品となっているようです。

「鉄男」より。

ちなみに、塚本さんは、その後も、
精力的に映画を制作されているのですが、

どの作品も、製作・監督・脚本・
撮影・照明・美術・編集など、
すべて、塚本さんが携わっておられます。

また、映画制作の傍ら、
1997年と2005年には、

「ヴェネツィア国際映画祭」で、
審査員も務められています。

「野火」を映画化!

塚本さんは、2015年には、
大岡昇平の小説「野火」を、
映画化し、主演も務められているのですが、

この作品も、塚本さんの、
自主製作・自主配給ということで、

塚本さんは、製作と主演の他に、
監督・主演・編集・脚本・撮影の6役も担当。

「野火」より。

とても手作り感あふれる作品ですが、
これは塚本さんのスタイルというよりは、

出資者が現れなくて、
仕方なく、という方が正しいようです。

塚本さんは、その理由を、

問題は金銭的なことだけじゃなく、
戦争を懐疑的に描く、ということ自体が、
だんだん難しくなってきているのに気づきました。

と、語っておられ、

出資者が、このような題材を扱った作品を、
敬遠していることが分かります。

映画化を思い立って、20数年。
そんなご苦労を乗り越えて、

ようやく映画は完成し、
全国で公開されたのでした。

撮りたいものを徹底して撮る、
そんな塚本さんの執念を感じますね。

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フランス人監督を魅了!

ところで、2016年6月26日、
「フランス映画祭」関連企画として、

塚本さんと、フランス人の、
ルシール・アザリロビック監督が、
対談されました。

アザリロビック監督は、
塚本作品の大ファンということで、
ほぼすべてを見ているとのこと。

アザリロビック監督は、

特に驚いたのが「六月の蛇」。
彼の作品は夢のようで、
それがだんだん悪夢のようになっていくのが好き。

最新の「野火」も、
戦争映画として歴史を語っていながら、
非常に現代的。

精神的に深いものがあって、
とても好きでした。

監督も俳優も、編集も製作も、
全部やってしまうオーケストラマン。
それが信じられない。

と、塚本さんを絶賛されていました。

ちなみに、クエンティン・タランティーノ監督も、
塚本さんのファンとのことで、
海外の映画監督を魅了する塚本さん。

塚本さんの作品は、20年以上前から、
企画を温めてきたものも珍しくなく、

流行に流されず、徹底して、
ご自分のテーマを追求されているところが、
分かる人には分かるんでしょうね。

なかなか大変かとは思いますが、
これからも自分の信じる道を貫き、

その独特な世界観で、
私達を魅了して欲しいですね。

応援しています!!

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