1989年「告発の行方」、1991年「羊たちの沈黙」で、2度の「アカデミー賞主演女優賞」に輝かれた、ジョディ・フォスターさん。女優としての地位を確立された後は、監督業や映画プロデューサーとしても活躍されています。


(天才子役時代~19歳で映画界を遠ざかる)からの続き

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「告発の行方」でオスカーを受賞

ジョディさんは、1984年、
ようやく、映画「ホテル・ニューハンプシャー」で、
本格的に映画界へ復帰すると、

「ホテル・ニューハンプシャー」より。
(左から)ナスターシャ・キンスキーさん、
ロブ・ロウさん、ジョディ・フォスターさん。

1989年には、「告発の行方」で、
学歴もなく、社会の底辺にいる女性サラが、
酒場で男たちに暴行され、
その後、様々な屈辱を受けながらも、

女性検事キャサリン(ケリー・マクギリスさん)とともに、
裁判所相手(加害者というより)に、何度も戦いを挑む姿を演じ、
「アカデミー賞主演女優賞」を受賞。

「告発の行方」より。ケリー・マクギリスさんと、
ジョディ・フォスターさん。

ジョディさんは、
自らこの汚れ役を演じたことで、

レーガン大統領暗殺未遂事件に巻き込まれ、
植え付けられた、世間の良くないイメージを、
見事、払拭されたのでした。

「羊たちの沈黙」で再びオスカーに輝く

そして、1991年には、トマス・ハリス原作の、
同名小説の映画化「羊たちの沈黙」で、

連続殺人事件を追うFBI訓練生クラリス役を演じ、
再び「第64回アカデミー主演女優賞」を受賞。

この作品は、クラリスと、彼女にアドバイスを与える、
猟奇殺人犯で元精神科医であるレクター博士の、
奇妙な交流を描いた作品で、

「羊たちの沈黙」より。
ジョディ・フォスターさんと、アンソニー・ホプキンスさん。

当初、ジョナサン・デミ監督は、クラリス役に、
ミシェル・ファイファーさんを起用したいと、
考えていたそうですが、オファーを断られ、

その後、オファーした、メグ・ライアンさん、
ジーナ・デイビスさんにも断られてしまいます。

そして、配給会社の要望もあり、
渋々、ジョディさんを起用することになったそうで、

撮影が始まっても、デミ監督は、
クラリス役を演じるジョディさんの演技に不安を抱き、

一方、ジョディさんも、それまで、
B級映画しか撮ったことのないデミ監督を馬鹿にし、

と、撮影現場では、
二人の衝突が絶えなかったのだとか。

しかし、デミ監督は、クラリスが、
幼い頃、叔父の農場で見た羊の解体処理の様子を、
レクター博士に打ち明ける演技を見ると、

「ジョディ・フォスターの表情がすべてを物語っている」

と、その演技を認められたそうで、

予定では入れるはずだった、羊の解体処理のシーンを、
入れる必要がなくなったことを明かされています。

ちなみに、この作品は、ジョディさんが、
「第64回アカデミー主演女優賞」に輝いただけではなく、

「第64回アカデミー賞」で、主要5部門を、
すべて受賞という快挙を遂げています。

続編「ハンニバル」を辞退、その理由とは

こうして、ジョディさんは、
「羊たちの沈黙」で、映画ファンだけでなく、
原作ファンからも熱狂的に支持され、
名女優としての地位を確立されたのですが、

続編の2001年「ハンニバル」
への出演は、辞退されています。

「ハンニバル」より。

というのも、原作では、
クラリスとレクター博士が愛し合い、
逃亡を図るという衝撃の結末になっていたそうで、

このあまりにもおぞましい展開に、
ジョディさんは生理的嫌悪感を抱かれ、

自分が演じたクラリスではない、
と感じたからなのだとか。

(そのせいかはどうかは分かりませんが、
 映画の結末も、原作と変えられています)

あまりにもクラリスがハマり役だったため、
ジョディさんの辞退を惜しむ声が、
ネット上では多く見受けられましたが、

クラリスに思い入れのあるジョディさんだからこそ、
この結末は、今までの演技を自ら否定するようで、
どうしても受け入れられなかったのでしょうね。

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監督・映画プロデュース業へ進出

ところで、ジョディさんは、1991年、
映画「リトルマン・テイト」で、初めて監督をされ、
天才少年テイトの母親役としても主演。

「リトルマン・テイト」より。
アダム・ハン=バードさんとジョディ・フォスターさん。

さらに、この頃、映画制作会社、
「エッグ・ピクチャーズ・プロダクション」
を立ち上げられると、

自ら、映画プロデューサーとしても活動され、
1994年には、第1回作品映画「ネル」を制作。

ジョディさんは、文明から隔離された山奥で育ち、
誰にも理解できない言葉を話す、野生の娘ネル役を演じ、
見事、「第67回アカデミー賞主演女優賞」に、
ノミネートされています。

「ネル」より。
ニーアム・リーソンさんとジョディ・フォスターさん。

現在、「エッグ・ピクチャーズ・プロダクション」は、
どこが権利を持っているのかは分かりませんでしたが、

ジョディさんは、その後も、

1995年「ホーム・フォー・ザ・ホリデイ」(監督)
1998年「The Baby Dance(TVシリーズ)」(製作総指揮)
1999年「Waking the Dead(日本未公開)」(製作総指揮)
2002年「イノセント・ボーイズ」

「イノセント・ボーイズ」より。

2007年「ブレイブ ワン」(製作総指揮)
2011年「それでも、愛してる」(監督)
2013年~2014年「Orange Is the New Black(TVシリーズ)」(監督)
2014年「HOUSE of CARDS(TVシリーズ)」(監督)
2016年「マネーモンスター」(監督)

「それでも、愛してる」より。
ジョディ・フォスターさんとメル・ギブソンさん。

で、監督や製作に携わり、

「イノセント・ボーイズ」
「ブレイブ ワン」
「それでも、愛してる」

には、ご自身も出演されています。

「ブレイブ ワン」より。

さて、いかがでしたでしょうか。

子役として活動を始め、
順調にキャリアを積んでこられるも、

ヒンクリーによるストーカー被害により、一時期は、
キャリアを中断せざるを得なくなってしまったジョディさん。

映画復帰作には、敢えて、「告発の行方」という、
被害者が諦めずに戦い、勝利を掴み取る役を選ばれ、
見事、ご自身のストーカー被害のイメージを、
払拭されているのですが、

ジョディさんは、「ブレイブワン」でも、
暴漢に襲われ殺された恋人のため、
銃で復讐するエリカ役を演じられており、

理不尽な暴力からの被害者が、
悪に立ち向かう姿を演じられるのは、

やはり、ジョディさんの中では、
いまだにストーカー被害の影響が、
少なからず残っているのかもしれませんね。

近年は、CGを駆使した娯楽映画が多いですが、
ジョディさんならではの、メッセージ性のある映画を、
これからも作り続けてほしいですね。

応援しています!!

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