その真っ直ぐ過ぎる性格が原因で、時には周囲と軋轢が生じた、杉良太郎(すぎ りょうたろう)さんですが、その一方で、歴代総理大臣など超大物と親密な関係を築かれていたようです。今回は、そんな杉さんの、政界における凄すぎる人脈についてご紹介します。
「杉良太郎が舞台で本当に切腹して大パニック?リアル追求が凄すぎる!」からの続き
田中角栄元首相
まずは、田中角栄元総理大臣。
杉さんと田中角栄元首相との詳しい出会いは不明ですが、
角栄さんは、
医者とか政治家とか、頭を使う連中はああいう勧善懲悪のドラマが一番いいんだ
と、毎週欠かさず、杉さん主演の「遠山の金さん」を見ていたそうで、
とにかく、杉さんと会うと、「金さん、金さん」と呼び、一度も「杉さん」とは呼ばなかったそうです。
田中角栄元首相。
そして、角栄さんは、杉さんに、
君はなー、国民に夢と希望を与えてるんだ。政治家に一匹でも夢や希望を与えられる者がいるか。頑張ってくれー! 君は日本の宝だー。
とも、激励されたそうですが、
ある時、杉さんは、角栄さんの真横に座らされ、
いまから1人ずつ政治家を呼ぶ。人間というのはこんなもんだっていうのを、君に見ておいてもらいたい。
と、言われると、
その後、政治家が部屋に入ってくるたびに、角栄さんは、札束をドーンとおき、
しっかりやれよ
と、声をかけられたそうで、
3人ぐらい終わったところで、
どうだ? こんなもんだ。これでもみんな、裏切るんだ
人間なんてこんなもんだ
と、おっしゃったのだとか。
杉さんは、角栄さんが、このような受け渡しの場面を自分に見せたのは、
人間なんてこんなもんだ。いいところ、綺麗なところばっかり見るんじゃないぞ。もっと人間の汚いところを見ろ。
と、教えてくれたのではないか、と考えられたそうですが、
角栄さんが、どれだけ杉さんを気に入られていたかが伺えますね。
福田赳夫元首相
次は、福田赳夫元総理大臣。
福田赳夫元首相といえば、田中角栄元首相とは、長期間に渡る政争・権力闘争が「角福戦争」と言われるほどの政敵だったのですが、なんと、この福田元首相、杉さんの後援会長でした。
福田赳夫元首相(左)と田中角栄元首相(右)。
杉さんは、福田元首相とは、洋画家の安井曾太郎さんの奥さんの紹介で知り合われたそうですが、
ある時、福田元首相の奥さんが、
杉さんの応援をしてあげて
と、福田元首相に言われると、
福田元首相は、じっと杉さんの顔を見て、
あー、ほー、ほー
と、うなずき、
いい面構えをしてるな。吾輩が後援会長を引き受けよう。
と、以降、杉さんの後援会長になってくれたのだとか。
(その時、奥さんのかたわらにいたのが、まだ書生だった小泉純一郎元首相だったそうです)
竹下登元首相
そのほかにも、杉さんは、竹下元首相、橋本龍太郎元首相、小渕恵三元首相、島村宜伸衆議院議員、中川昭一衆議院議員とも仲が良く、月に1度は、この錚々(そうそう)たるメンバーが、杉さんの自宅に集まっていたそうで、
みんなで集まった際には、「ズンドコ節」を「3年たったら竹下さん♪」と替え歌にして合いの手を入れ、竹下元首相が総理大臣になる日が近づいてくると、「もうすぐたったら竹下さん♪」と歌詞を変えるなど、盛り上がり、
最後には、杉さんが「東京音頭」を歌ってお開きとなったそうで、竹下元首相の番記者たちが応接間で踊ったこともあるなど、和気あいあいとした雰囲気だったそうです。
ちなみに、中川さんは、
偉い人ばっかりだから
と、入り口のところに立ったまま入ってこなかったそうで、どれだけ凄いメンバーだったかが伺えます。
小渕恵三元首相
また、杉さんは、2000年4月2日、伍代夏子さんと結婚披露宴をされているのですが、当日の朝、招待していた小渕恵三元首相から、直接、
今日はどうしても勘弁してくれ。行けないんだ。
と、電話がかかってきたそうで、
公務で大変なんだし、そんなこと気になさらないで下さい。
と、杉さんが答えたところ、
いや悪い、悪い、悪い。申し訳ない。
と、小渕元首相は謝られたそうですが、
実は、小渕元首相は、この時、入院されており、その後、容態が悪化すると、緊急病棟に移るも、同年5月14日に他界。
杉さんは、小渕さんが最後に話した民間人だったそうで、
後に、政治記者から、
民間人で最後に話したのはあなただから、話を聞きたい
と、取材を受けたそうです。
小渕恵三元首相。
安倍晋三首相
さらに、杉さんは、もともと、「経世会」と「清和会」で敵同士だった、竹下登元首相と安倍晋太郎元首相(安倍晋三首相の父親)を結びつけ、以来、竹下元首相と安倍晋太郎元首相は親友・盟友となられたそうで、
(そのため、安倍晋三首相は、杉さんの顔を見ると必ず、「杉さんはお父さんだから」と言われるそうです)
安倍晋太郎元首相(左)と竹下登元首相(右)。
安倍晋太郎元首相が亡くなった時には、竹下元首相が悲しみのあまり、
安倍ちゃんが死んじゃった
と、自殺するのではないかと思うほど落ち込まれたそうですが、
竹下元首相が、弔事を読む際、「安倍ちゃん」「安倍君」「安倍さん」どう呼ぶのがいいのか聞いてこられると、杉さんは、橋本龍太郎元首相と共に、
いまさら安倍さん、安倍君はないよ。安倍ちゃんがいいに決まってる。
と、竹下元首相を叱られたほか、
弔辞の練習の際には、「安倍ちゃん」と言った後、間をおかずにしゃべりつづける竹下元首相に、
早い! 何でそんなにペラペラ読むの。全然説得力がないんだよ。
と、ダメ出し。
そして、その後、
竹下元首相:どの辺でしゃべったらいいの?
杉さん:安倍ちゃん、1、2、3、4、5、6…
竹下元首相:そんなに待つの? ワシは待てん!
杉さん:そこをグッと我慢する。10数えてからしゃべってください。
と、続けてアドバイスされたのだとか。
ちなみに、杉さんによると、
「安倍ちゃん」の後、次の言葉が出てこない。胸が詰まってもうしゃべれなくなる。聞いている人たちもみんな泣いちゃう――。そこからボソッとしゃべりだすわけですよ。
当日は竹下先生の後ろに座らせてもらいました。大丈夫かな、間が短くないかな。いいぞ、いいぞ、その調子って。
と、あの竹下元首相に演出まで指導されていたのでした。
さて、いかがでしたでしょうか。
杉さんのことが嫌いな芸能人は数多くいると言われていますが、これだけ多くの歴代総理大臣から信任厚かったということは、やはり、分かる人には分かる、ということなのかもしれませんね。
「杉良太郎が運転免許を自主返納したタイミングが悪すぎる?」に続く