ジャンルを問わず、数多くの映画に出演し、どんな役でも演じこなせる実力派俳優として名高い、風間杜夫(かざま もりお)さんですが、つかこうへいさんとの出会いで、役者として鍛えられたそうです。ただ、当時は、つかさんから散々ひどいことを言われ、木刀で撲殺する夢を何度も見ていたといいます(笑)

「風間杜夫は「蒲田行進曲」の倉岡銀四郎役が当たり役となっていた!」からの続き

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つかこうへいの「つか劇団」の常連俳優だった

風間さんは、20代後半~30代前半までの8年間、つかこうへいさんの「つか劇団」に在籍し、つか作品の常連俳優として、数え切れないほどの、つかさんの舞台に出演しているのですが、実は、つかさんと出会い、役者としてかなり鍛えられたといいます。

というのも、つかさんの舞台には台本がなく、新作の場合、すべて、「口立て」と言われる方法でセリフを覚えていかなければならず、

役者は稽古場に集められ、「おい、ちょっと風間出ろ」「平田(満)出ろ」と言われて、つかさんがその場で作り、言って聞かせたセリフを、役者たちは、何回もマネしながら覚えていかなければならなかったそうで、

最終的には、活字になるものの、稽古が1ヶ月間あったとすると、最後の1週間くらいまでは「口立て」で、それまでの間、場面を作っては壊し、また新しく場面を増やしては壊しを繰り返すという、独特の演劇法で鍛えられたのだそうです。

つかこうへいからは全てをさらけ出す演技法を指導されていた

また、つかさんは、

とにかく人間の中にはあらゆるものが詰まっているんだから、それを全部出せ。で、お客さんに判断してもらえ

と、正義感など良いところばかりではなく、風間さんの中にある、人を恨んだり、妬んだりする気持ちやいじましい気持ちなど、全てさらけ出せと言っていたそうで、

風間さんは、

テレビでもどんな芝居でも、役を一色で考えない、自分で勝手に限定しない。人間にはいろんな面があるということを心がけて演じています

と、語っています。

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つかこうへいからは散々ひどいことを言われ撲殺する夢を何度も見ていた

ただ、つかさんからは、散々、ひどいことも言われたそうで、

風間さんは、

狂気の風間というか、エキセントリック・ハイテンションという色をつかさんに作ってもらった。殻を破ってくれ、僕の中にあるいろんなものをあの人が引き出してくれた。

本気度を引っ張り出すというか。でも、僕の中にはつかさんへの反発もあって、当時は、木刀を持って、あの人を殴り殺した夢を何度も見ていたんです(笑)

と、語っています。

例えば、風間さんが小劇場で汗を飛ばしながら熱演していると、風間さんの汗のかかった前列のお客さんから黄色い声援が飛んだそうですが、

それを見たつかさんからは、「幕間でもっと水を飲め!」と指示されたそうで、つかさんに言われた通り、水を飲み、公演中、勢いよく汗を飛ばして、黄色い声援を受け、楽屋に帰ると、

つかさんからは、「汗かいて何の役者の誉れかな」「熱演と呼ばれる役者の芸の無さ」などと、皮肉めいた句を詠んできたこともあったそうで、

意図してか否か、つかさんも、自身の「傲慢さ」という醜い部分をさらけ出したことで、役者の様々な感情を引き出し、殻を破らせることに成功していたのでした。

「風間杜夫は若い頃「スチュワーデス物語」で大ブレイクしていた!」に続く

当時のつかこうへいさん(左)と風間さん(右)。

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