映画「蒲田行進曲」、テレビドラマ「スチュワーデス物語」で、一躍ブレイクした、風間杜夫(かざま もりお)さんは、長い間、二枚目役やいい人役が多かったながら、1996年、三谷幸喜さんのテレビドラマ「古畑任三郎」第2シリーズ第9話「間違われた男」では、犯人役で見事な演技を披露しています。

「風間杜夫のデビューからの出演ドラマ映画を画像で!」からの続き

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「古畑任三郎」第9話「間違われた男」で犯人役

風間さんと言えば、正統派の二枚目で、そんなルックスから、あまり悪役のイメージがありませんが、1996年には、三谷幸喜さん脚本のテレビドラマ「古畑任三郎」第2シリーズ第9話「間違われた男」で、見事に犯人役を演じています。


「古畑任三郎」より。風間さんと田村正和さん。

このエピソードは、犯人が最初から分かっている「倒叙ミステリー」として物語が進んでいくほか、三谷さんお得意の「なりすましもの」で、なおかつコメディとして描かれているのですが、

風間さんは、とっさに自身が殺めた被害者になりすましたものの、どこまでもつきまとってくる古畑任三郎に、次第に追い込まれていく殺人犯・若林仁役を、見事に演じきり、

特に、古畑に追い詰められ、同性愛者のふりをするシーンでは、圧巻の演技を披露されています。

古畑任三郎「間違われた男」のあらすじ

それでは、ここで、「間違われた男」のあらすじを簡単にご紹介しましょう。

風間さん演じる、雑誌編集者の若林仁は、妻の不倫相手(清水昭博さん)を山荘のロッジで射殺すると、糸を駆使したトリックで密室を作り上げ、現場を後にするのですが、車での帰り道、タイヤがパンクしたことから、偶然通りがかった鴨田厳(小野武彦さん)の車に乗せてもらいます。

しかし、鴨田は、なぜか、若林のことを知っていると話し始めたことから、慌てた若林は、今日出会ったことは誰にも言わないでほしいと頼みます。ただ、鴨田は、一旦は了承するも、自宅の留守番電話に若林と出会ったことを吹き込んでしまいます。

そこで、山荘での殺人事件の犯人が自分だとバレてしまうことを恐れた若林は、鴨田を殺害し、鴨田の自宅に行き、留守番電話のテープを回収するのですが、玄関から外へ出ようとしたちょうどその時、鴨田を訪ねて来た、古畑任三郎(田村正和さん)とバッタリ遭遇。とっさに若林は鴨田になりすますのですが・・・

この後、前述のとおり、若林は古畑に追い詰められていくのでした。

「間違われた男」には「蒲田行進曲」へのオマージュが散りばめられていた

そんな「間違われた男」ですが、このエピソードでは、若林が「かまたがわばし」のたもとでヒッチハイクするシーンや、鴨田が下北沢で平田満さんを見かけるというシーンなど、

風間さんの代表作である「蒲田行進曲」へのオマージュが所々見られ、風間さんのファンにとっては、たまらない作品となっているようです。

「間違われた男」が再放送ができない?その理由とは

ただ、この「間違われた男」は、同シリーズ第四話「赤か、青か」と共に、2021年時点では、再放送ができない状態で、「フジテレビ ONE TWO NEXT」(有料放送チャンネル)でも、

※権利上の都合により、及び第九話「間違われた男」の放送はございません。

と記載されています。

というのも、劇中、アニメ「サザエさん」のオープニングを使用しているシーンがあり、著作権を所有する作者・長谷川町子さんの親族の許可が降りていないことが理由のようです。

そのアニメの部分だけをカットすれば・・・という意見もあるようですが、ドラマ上、重要な役割を担っているシーンのため、どうしても削除できないのだそうです。

(ただ、DVDやBlu-rayで視聴できるそうです)

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田村正和との思い出をコメント

ところで、風間さんは、2021年5月20日、「第46回 菊田一夫演劇賞」(優れた芸術家らを表彰する)の大賞を受賞し、都内で行われた授賞式に出席しているのですが、

その際、報道陣から、「古畑任三郎 第2シリーズ」で共演し、2021年4月3日に他界された田村正和さんとの思い出について聞かれると、

僕もどっちかというとシャイというか人見知りで、打ち解けて話すことができなかった。生涯をスターとして過ごされた先輩で、あの方のようにはなれないが、私も舞台役者として最後には褒められる一生を送りたい。
お亡くなりになったことは残念に思っていますけども、俳優としての生き方は大変素晴らしかったし、羨ましくも思っています

と、語っています。

「風間杜夫が落語家になった理由とは?」に続く

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