これまで母一人子一人で過ごしてきたお母さんから再婚話を聞かされ、思わずショックで家を飛び出すも、翌朝には家に帰り、お母さんとの最後の日を過ごしたという、愛川欽也（あいかわ きんや）さんですが、実は、そんな愛川さんを慰め、家に帰るように勧めた友人がいたそうです。
「愛川欽也は母親が再婚する前日には特別な時を過ごしていた！」からの続き
「俳優養成所」時代の旧友・クタクタの部屋を訪ねていた
お母さんが再婚相手のもとへ嫁ぐ前日は、一日、お母さんと特別な時間を過ごしたという愛川さんですが、実は、その前の晩、お母さんの告白にショックを受けて家を飛び出し、あてもなくさまよった後、「俳優養成所」時代の友達・クタクタの家（日暮里の裏通りにあるアパート）を訪ねていたそうで、
クタクタは、突然の来訪にも、
よう、珍しいな。どうしたんだ、急に現れて
と迎えてくれ、
愛川さんの落ち込む顔を見て、
女にふられたな。女なんていくらでもいるよ
と言ってくれたそうですが、
愛川さんが、
お袋だよ
と言うと、
それ以上何も聞こうとはせず、
でも俺はお前が羨ましいよ。お袋が生きているんだものな。俺は両親がもういないから役者やっても見てもらえないしな
と、言ったのだそうです。
（クタクタの両親は既に原爆で亡くなっていました）
友人のクタクタに母親の再婚について慰められていた
そして、その後、二人で中華そばを食べに行ったそうですが、この時、愛川さんがお母さんの再婚話を打ち明けると、
クタクタは、
それは辛いだろう。お前のところは普通の親子じゃないからな。母親をよその男に盗られるっていうのは俺には想像できないけど、お前の顔を見ていると分かるよ。
女と別れてもまた新しい女はできるが、母親と別れても新しい母親はできない。自分の母親は心から消えないよな
と、慰めてくれたそうで、
そばを食べ終わった後は、久しぶりに、二人でお酒を飲んだそうですが、
クタクタには、
お母さんとはあと一日か。絶対明日は家に帰れよ
と、背中を押してもらったそうで、
愛川さんは、その夜、クタクタの部屋に泊めてもらい、翌朝、家に戻ったのだそうです。
広島公演で友人のクタクタと再会
こうして、お母さんが嫁ぐ前日、お母さんと特別な時間を過ごすことが出来た愛川さんですが、自分がお母さんに甘えっぱなしで、大事に扱わなかったことで、お母さんと離れることになったと、後悔しながらも、
その後は、お芝居に再起をかけ、「俳優養成所」の同期生が創った小さな劇団の公演に参加すると、中国、四国、九州を巡る公演をスタートさせていたそうですが、
そんな中、広島の公演では、クタクタが会いに来てくれたのだそうです。
（実は、先日、愛川さんが、突然、クタクタの部屋を訪れた時には、風呂敷に荷物が詰められて積んであったそうで、役者をあきらめ、故郷・広島に帰ることを打ち明けられていたのだそうです）
