佐倉一高が南関東大会に千葉代表校として出場が決まると、日を追うごとに、選手の保護者たちも盛り上がり、いっそう興奮が高まってきたという、長嶋茂雄(ながしま しげお)さんですが、やがて、長嶋さん以外の選手の家族が全員、球場に応援に来ることが決まるも、長嶋さんの家族だけは、応援にもバスの見送りにも来てくれないことが分かり、がっかりしたそうです。

「長嶋茂雄は高3の夏に千葉代表で南関東大会に出場していた!」からの続き

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南関東大会では家族の誰も見送りに来てくれなかった

長嶋さんの佐倉一高が南関東大会に千葉代表校として出場が決まり、いよいよ、南関東大会が行われる隣の埼玉県営大宮球場に出発する日には、バスの中のチームメイトはみな、キョロキョロと家族の顔を探していたそうですが、

そんな中、長嶋さんだけは、一人うつむいていたそうです。

(チームメイトは、そんな長嶋さんを、家族に何かあったのではと心配してくれたそうです)

父親が仕事の都合で球場に応援に来れないと知りがっかりしていた

というのも、長嶋さんは、自分の家族が誰も見送りに来ないことが分かっていたからなのですが、

実は、チームメイト全員の保護者が、大会当日、大宮球場に応援に来ることが分かった夜、長嶋さんは、お父さんの膝を揺さぶりながら、

ねえ、父さん・・・。ウチも誰か応援にきてくれるんだろ?

と、聞いたそうですが、

お父さんは、珍しく首を横に振り、

お父さん:・・・行ってやりたいけど、ちょうどその日、ちょっと仕事があってな。うん、いつもの会合があるんだよ。茂雄、お父さんが見ていなくても、しっかり頑張るんだぞ。

長嶋さん:・・・

お父さん:あとで、お父さんにゆっくり話しを聞かせてくれ、な、茂雄。

長嶋さん:うん。

という、やり取りがあったのだそうです。

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大宮球場へ向かうバスの中では少し父親を恨んでいた

そんな長嶋さんは、大宮球場へ向かうバスに揺られながら、

仕事だというけど、チームメイトの家族も仕事の折り合いをつけて、みんなちゃんと応援にくるじゃないか。こないのは、キャプテンの長嶋のところだけなんだぞ・・・

と、まだ、少し、お父さんを恨んでいたそうで、

ぼくの一世一代の晴れ姿を見せてやりたいのに、これじゃ力が入らないなあ・・・

と、思いかけたそうですが、

こんなことではダメだ。おやじが見ていないからこそ、きょうの試合に頑張って、家に帰っておやじを喜ばせなくちゃ・・・

と、ふっと思い直したのだそうです。

(ちなみに、長嶋さんたちは、大宮市の「新月」という旅館に泊まったそうで、長嶋さんは初めて宿屋というものに泊まったそうですが、少しでもコンディションがいいようにと、野球部長の井原さんたちが奔走してくれたのだそうです)

「長嶋茂雄は高3のとき南関東大会で超特大ホームランを放っていた!」に続く

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