阪神タイガースの監督に就任するも、野田誠三オーナー(電鉄本社社長)からは、「若手登用」と「世代交代」を厳命され、若手を主軸に起用すると、ベテラン選手からは不満の声があがっていたという、杉下茂(すぎした しげる)さんは、アウトの判定がセーフに覆った時も、審判に抗議せず、審判の説明を少し聞いただけであっさり引き上げ、選手達の怒りを買っていたといいます。

「杉下茂の阪神監督1年目は野田誠三オーナーから若手起用を厳命されていた!」からの続き

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審判から権藤正利投手のマウンドでの動作(ボーク)を注意するよう言われていた

杉下さんは、阪神監督時代、ある試合で、左腕の権藤正利投手が登板した際、

審判から、

権藤正利がフォームに難があり、マウンドで非常に(ボークと)紛らわしい動作をするので、きちんと静止させるように。静止しないなら完全にボークです

と、指摘されたそうですが、

8月10日の巨人戦(後楽園)でも、試合前に、審判から、

権藤と話して下さい。相手球団からも抗議が来ている

と、言われたそうで、

権藤投手に、

今日だけは(紛らわしい動作を)止めてくれ

と、伝えたそうです。

巨人の牧野茂コーチはボーク狙いでホームスチールを仕掛けていた

しかし、この日(8月10日)の試合、5回裏二死満塁の場面で、巨人の牧野茂コーチが三走の黒江透修選手にホームスチールのサインを出し、黒江選手が本塁でタッチアウトとなると、

牧野コーチが「ボークだ」と猛抗議し、判定が覆って、巨人に1点が入ってしまいます。

(実は、牧野コーチは、はなから権藤投手の二段モーション気味のフォームにボークの疑いを持っており、ホームスチールすることで、そのクセがはっきり出るはずだと思い、失敗覚悟で走らせていたのだそうです)

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判定が覆っても審判に説明を受けただけであっさり引き上げ選手たちを激怒させていた

ただ、この判定には、今度は阪神の選手たちが大激怒。そこで、監督である杉下さんが審判のところに向かうのですが・・・

杉下さんはというと、抗議どころか、審判の説明を少し聞いただけであっさり引き上げ、選手たちには何も説明しなかったそうで、

(結局、その1点で阪神は敗戦)

阪神の辻佳紀(ヒゲ辻)捕手は、試合後、記者たちに向かって、

かつての名投手か何だか知らんが、ボーク問題は微妙なんだ。自分一人が説明を聞いてあっさり納得しても、われわれの気持ちは収まらんよ。責任者はケンカするつもりでやってもらわんと。

それがなんだい。ああ簡単に引き下がって。ファイトファイトと言って、一番ファイトがないのは誰だい

と、吠えまくったのだそうです。

一方、杉下さんはというと、

オーナー(野田誠三)も烈火のごとく怒ってしまった。『あんな生温い抗議するヤツにユニフォームを着させてはいけない』と。そう言われても仕方ない。試合前に(審判から)『ボークを取ります』と言われたんだから・・・

と、語っています。

「杉下茂は阪神監督を就任1年目シーズン途中で解任されていた!」に続く

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