西武ライオンズ監督9年間で、リーグ優勝8回、日本一6回と素晴らしい成績を収めるも、「つまらない野球」で観客動員数を低迷させたとして、西武球団に辞任に追い込まれたという、森祇晶(もり まさあき)さんは、かねてから、阪急ブレーブスの元監督・西本幸雄さんや、日本ハムの元監督・大沢啓二さんなどにも采配に苦言を呈されていたのですが、何より、身内である西武球団に攻撃されることに我慢ならなかったといいます。

「森祇晶はフロントに不信感を抱き西武監督を辞任していた!」からの続き

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西本幸雄に苦言を呈されていた

まずは、元阪急ブレーブスの監督・西本幸雄さんは、

森は昭和34年頃まで藤尾の補欠やったんやが、音も無しに成り上がってきた。監督になってからの森は、これは実に巧くやっていると思う。特に日本シリーズの戦い方は絶品や。

と、森さんの野球を褒めているかと思いきや、

ワシの場合、短期決戦は“早く勝ってしまいたい”という気持ちが強いあまり、ことごとくしくじってもうた。しかも、シリーズ中、“ワシもよく、ここまでチームをつくったもんや”と自己満足するもんやから、スキができて引っくり返されてしまう。

森にはそういう油断が全くないわな。ホンマ“7戦勝負や”とかいうて、あんなもの(日本シリーズ)を楽しんでいる森というヤツの気がしれん

向こう意気ちゅうのんかな、勝つことはもちろん大切なことやけど、ワシはこっちの方がもっと大切やと思うんや。野球はあくまでもスポーツ。勝っても負けてもお客さんを感動を残さんとあかん。

これは森というより師匠の川上さんに原因があると思うんやけど、計算ずくで勝っても壮快感がないとワシは思うんや。

確かにワシは日本シリーズで8度も負けたけど、強がりではなく後悔はそうない。自分の作ったチームが上り坂にあるという時の快感は優勝よりもええものや。

それに清原や秋山がなぜピリッとせんのか、伸び悩んでいるのかというと、(森が)ひとつのコマとしてしか見ていないからと違うかな。彼らを球界の第一人者に育て上げれば、もっと楽に日本一がとれるかもわからん

と、森さんの野球に苦言を呈しています。

大沢啓二に「森の野球はバントばかりしてつまらない」と言われていた

また、森さんは、1993年、最後の最後までパ・リーグで優勝争いをした、日本ハムの監督・大沢啓二さんにも、シーズン中、「森の野球はバントばかりしてつまらない」と言われ、この言葉がマスコミに取り上げられているのですが、

これに対して、大沢さんは、

オレはね、森に対して言ったわけじゃないんだよ、本当は。バントをやって石橋を叩いてランナーを進め、それを点に結びつける。それは結構なことだ。オレだって通算680勝している監督なんだ。バントの大切さくらい分かっていますよ。

ただね、これをやり過ぎると、野球本来の魅力であるスリルとスピードが死んでしまう。オレはそこを皆で考えて欲しいと言っているんだ。今季、ウチは盗塁を130個決めたよ。ところが、セ・リーグはどうなんだ。巨人は39個、中日なんてたった29個だよ。全くひどいもんだよ

と、やはり、森さんの野球に苦言を呈しています。

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巨人との日本シリーズで東京ドームのオーロラビジョンに「森監督今季限りで辞任へ」と映し出されていた

こうして、ファンやマスコミだけでなく、通算1384勝の西本幸雄さんのような大監督や相手チームの監督の大沢啓二さんにまで、苦言を呈されていた森さんですが、さらには、身内である西武球団からも「攻撃」されたことに、忸怩(じくち)たる思いがあったといいます。

その「攻撃」とは、1994年10月29日に開催された巨人との日本シリーズ(第6戦)で、森さんは、この時、まだ辞任を発表していなかったにもかかわらず、試合開始前の正午前、なんと、東京ドームのオーロラビジョンに、巨人の親会社である読売新聞ニュースで「森監督今季限りで辞任へ」と映し出されたというのです。

これに対し、森さんは、当初は、「何の冗談だ?」と笑っていたそうですが、観客が入場して来てもそのニュースは消えず、ずっと映し出されたままだったことから、段々と不愉快になっていったそうで、

いくらライバル球団の新聞社とはいえ、公式に発表していない事がこうも堂々と発表されているのは、西武のフロントがすでに森さんを切ることをマスコミに漏らしたのではと考えたのでした。

(ちなみに、西武球団は、表向きには、常勝軍団を作り上げた森さんを慰留しているのですが、退団させることは既定路線だったとも言われています)

「森祇晶は清原和博を入団当初から一軍で起用し続けていた!」に続く

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