2017年8月に写真展「荒木経惟 センチメンタルな旅1971-2017-」を開催し、他界して20年以上経っても、変わらぬ奥さんへの愛が感動を呼んだ、荒木経惟(あらき のぶよし)さんですが、その写真展の開催中に、元ファッションモデルの湯沢薫さんから、突如、Facebookで告発されます。

「荒木経惟は妻・荒木陽子に夢中で写真集を多数出版していた!」からの続き

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「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-」

妻・陽子さんの早すぎる死に打ちひしがれるも、それでもなお、制作意欲は尽きることなく、その後も作品を発表し続けていた荒木さんは、

2017年7月には、陽子さんに焦点を当てた写真展「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-」を東京都写真美術館で開催されているのですが、


荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-

実は、このタイトル、1971年7月の新婚旅行を記録した、自費出版の写真集「センチメンタルな旅」から取ったもので、

ここが出発点。陽子がオレを写真家に育ててくれた。ずっと生理と本能で撮り続けてきたから、後から写真を見て、今も気付かされることが多いのよ。

と、いまだに、陽子さんから影響を受け続けていることを明かしつつ、

本展のタイトルの最後「2017」の後に、あえて「-」を入れられていることについても、

陽子との旅がまた始まるという決意。肉体的にはオレもあの世に近づいてるけど、彼女から「もうちょっとやったら」って、励まされてる感じがするんだ。

と、妻・陽子さんへの一途な愛をアピールされ、

陽子さんも生前、

彼と一緒に生きる事が、わたしにとっての旅なのだ。

との言葉を残されていたことから(遺稿集「荒木陽子全愛情集」(2017年7月発行)より)、


荒木陽子全愛情集

ご夫婦の永遠の愛が感動を呼んだのですが・・・

湯沢薫から性的虐待を告発される

その写真展が開催されている真っ最中の2017年8月5日、美術家で元ファッションモデルの湯沢薫(ゆざわ かおり)さんが、荒木さんから性的虐待を受けたことをFacebookで告白したのです。

湯沢さんは、1990年、19歳の時、荒木さんと雑誌の仕事をされた際、性的虐待を受け(詳細は触れられていません)、その後、精神病院に行かなければならないほどの精神状態となって、モデル業を休業しなければならなくなり、

いまだ、その恐ろしい出来事に苦しめられ、今回、偶然、荒木さんのFacebookでの投稿を見て、写真展の開催を知ると、急に具合が悪くなって発熱と嘔吐に襲われ、寝たきりの状態に陥ってしまったそうで、

私は荒木経惟氏の性的虐待の犠牲者が他にもいることを知っています。これは本当の話です。彼は現実には刑務所にいなければならず、彼は犯罪者ですが、多くの人々が彼の作品を愛しています。

私はもし、あなたが彼の作品が好きであれば、否定するつもりはありません。ですが、できるだけ多くの人に彼の犯罪行為を伝えたいと強く想い、私はこの真実の話を投稿することに決めました。

この真実の告白は勇気のいることでしたが、皆さんに芸術とは何か?ということを、改めて考えて頂けるきっかけになれば幸いです。有名だからといって、罪を犯してもいいのでしょうか?私はそうは思いません。

と、荒木さんを糾弾されたのです。

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元ミューズKaoRiからも告発

すると、2018年4月1日には、荒木さんの元専属モデルのKaoRiさんが、2001~2016年、専属モデルを務めていた間、荒木さんから数々の精神的苦痛を受けたことを自身のブログで告白。

KaoRiさんの告白によると、

まだ、駆け出しのダンサーだったKaoRiさんは、ヌードやダンスパフォーマンスのモデルとして、荒木さんのもとで働き始めるようになると、(恋愛に近い関係になったのか)一緒にいる時は、ご飯を食べる、寝る、お風呂に入る、絵を描くなど、日常のどんな瞬間も逃さず撮られるようになり、

やがては、荒木さんの数人いるお気に入りのモデルの中から、「ミューズ」と呼ばれる特別な存在となっていったそうで、


KaoRiさん(左)と荒木さん。

モデルとして撮られるだけではなく、荒木さんの個展のオープニングや取材ほか、公の場にも同行するようになるなど、時間的な拘束が増えていったのですが、

荒木さんからは、正当な報酬が与えられることはなく、撮影が終わった後に、お小遣い程度の報酬が手渡しされるだけだったため、生活費は別のところで稼がなければならず、生活は困窮を極めたのだそうです。

(何度、待遇改善を求めるも、無視されつづけたそうです)

また、多くの人がいる前で、わざと過激なポーズをとらされたり、部外者の前でヌード撮影を強いられたりしたことが何度もあったため、

ミステリアスで、なんでもする女

というイメージが、荒木さんを取り上げる写真業界や、さまざまなマスメディアにより拡散され、

そのせいで、ストーカー、家宅侵入、窃盗、ゴミをあさられるほか、様々な嫌がらせを受けるようになるなど、日常生活までも侵害されるように。

そして、やがては、そのストレスから、街の中や飛行機の中で意識を失って倒れたり、目を閉じたら殺されるかもしれない、といった強迫観念から、セキュリティのしっかりした家賃の高いマンションに引っ越すなど、精神的負担だけではなく、金銭的にも負担が大きくなっていったそうで、

ついに我慢の限界を感じた2016年2月、KaoRiさんは、荒木さんにはっきりと、待遇の改善を求める手紙を送ったのだそうです。

「荒木経惟は水原希子にも資生堂の広告でセクハラしていた?」に続く

KaoRiさん(左)と荒木さん。

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