仕事では、脇役ながら厚待遇で迎えられ、プライベートでは、1962年、「大映」の同期だった俳優の勝新太郎さんと結婚されるなど、公私ともに順風満帆だった、中村玉緒(なかむら たまお)さんでしたが、1967年、勝さんが「勝プロダクション」を設立すると、これまでの平和で幸せだった日々が一転します。
「中村玉緒と勝新太郎の馴れ初めは?結婚前は市川雷蔵と相思相愛だった?」からの続き
夫・勝新太郎が映画制作と豪遊で湯水の如く・・・
1962年、「大映」の同期だった俳優の勝新太郎さんと結婚された中村さんですが、勝さんは、結婚後、出演作が立て続けに大ヒットしたことから、自分で好きな映画を作りたいと、1967年、「勝プロダクション」を設立。
すると、これまでの平和で幸せだった日々が一転します。
実は、中村さんは、結婚後は女優業を辞めてもいいと思われていたそうですが、勝さんは、湯水のごとく映画制作にお金をつぎ込んだうえ、毎晩のように飲み歩いては豪遊されたそうで、中村さんは、その資金を調達するために、本格的に女優業に復帰することになったのでした。
勝新太郎はアヘン所持、長男長女は大麻密売で逮捕
こうして、中村さんは、献身的に勝さんを支えていたのですが・・・
1978年には、勝さんが「アヘン所持」により書類送検(後に不起訴)。
1978年5月26日の会見より。
さらに、1980年には、必死で支えてきた「勝プロダクション」が倒産。
さらに、さらに、1982年には、長男と長女が揃って、「大麻密売」で逮捕されます。
借金は14億
ちなみに、この頃、「勝プロダクション」には12億円の負債があったそうですが、勝さん名義ではこれ以上借金できなくなってしまったことから、中村さん名義でさらに2億円借金し、借金総額は14億円に膨れ上がっていたそうで、
その借金返済のため、中村さんは、新たに「勝プロモーション」を設立し、社長に就任。
ただ、これだけ追い込まれた状況だったにもかかわらず、会見では、中村さんは、
(借金は)明日にでも返したいんですけど。主人の働く具合とみなさまのお仕事をいただく具合と、私の勝新太郎をどう働かしていく具合でずいぶん違ってくると思う。
と、切羽詰まった様子は感じさせず、勝さんもまた、悪びれる様子は見せなかったそうです(笑)
長男が誤って真剣で殺陣師を刺殺
さておき、中村さんは、夫の勝さんが度重なる不祥事のせいで仕事を干されていたことから、赤坂のナイトクラブで歌を歌うなど、営業までして必死に借金を返済されていたのですが、そんな中村さんをよそに、家族の不祥事はまだまだ続きます。
1989年には、長男が、映画「座頭市」の撮影中、共演俳優を誤って真剣で刺し殺し(業務上過失致死罪)、
1990年には、またまた、勝さんが、ハワイの空港で、コカインとマリファナ所持で現行犯逮捕されたのです。
そのため、中村さんは、すでに出演が決まっていたビール会社のCMが中止となり、CM制作会社から損害賠償を請求されてしまったのでした。
パンツの中に大麻とコカインを隠していた
ちなみに、勝さんは、逮捕された時、パンツの中に大麻とコカインの入った袋を隠し持っていたそうで、急きょ、現地で記者会見を開かれているのですが、
これからパンツをはかない
と、コメント。
(これは、芸能史に残る名シーンとして現在も語り継がれています(笑))
一方、中村さんはというと、この時、一人で日本の自宅におり、警察の家宅捜索を受けているのですが、なんと、おにぎりを作って、
ごゆっくり探してください
どうぞゆっくり、いろいろと…
と、捜索に来た警察をもてなされたそうです。
勝新太郎が懲役2年6ヵ月執行猶予4年
その後、勝さんは、ハワイで釈放されるのですが、日本で警察に逮捕されるのを恐れ、ハワイに居座り続けます。
そして、1年4ヶ月後、ようやく、
総理大臣の代わりはあったって、俺の代わりはいない
との理由をつけ帰国。
すると、勝さんは逮捕され、「懲役2年6ヵ月執行猶予4年」の判決が下るのですが、
執行猶予4年というのは俺にとってはアカデミー賞
と、相変わらずの「勝節」を炸裂。
中村さんは、勝さんに代わって世間に頭を下げられたのでした。
(ちなみに、勝さんが大麻とコカインの入った袋を隠し持っていたパンツは、中村さんが買ってあげたパンツの何枚かのうちの一枚だったそうです♪)
「中村玉緒は明石家さんまと着物プロデュースで借金14億円を完済していた!」に続く
https://www.youtube.com/watch?v=NZGjMXK5e4c