「NABBA ミスター・ユニバース」で優勝4回、「ミスター・オリンピア」で優勝6回という不滅の大記録を打ち立て、ボディビルを引退した、アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)さんは、次は、ハリウッドを征服するという新たな野望を抱き、俳優に転身するのですが・・・
「シュワルツェネッガーを支えた親友で最高のトレーニングパートナーとは?」からの続き
映画デビューは「SF超人ヘラクレス」の主演も訛りがひどく吹き替えられていた
シュワルツェネッガーさんは、ボディビルを引退する前から、すでに俳優としても活動されており、
1970年に、「アーノルド・ストロング」名義で、「SF超人ヘラクレス」の主人公・ヘラクレス役で映画デビューすると、
(ただ、訛(なま)りがあまりにもひどかったため、制作後、セリフが吹き替えられたそうです)
「SF超人ヘラクレス」より。
1973年には、映画「ロング・グッドバイ」で、聾唖(ろうあ…耳が聞こえず言葉が話せない)のマフィアの殺し屋を演じ、
「ロング・グッドバイ」より。
ボディビル引退後の1976年には、映画「ステイ・ハングリー」で、ボディビルダー役を演じ、「ゴールデングローブ賞」の新人男優賞を受賞されているのですが・・・
「ステイ・ハングリー」より。シュワルツェネッガーさんとジェフ・ブリッジスさん。
体格、訛り、名前などあらゆることを否定されていた
実は、エージェント、マネージャー、スタジオ責任者などから、口々に、
君は立役者にはなれない、肉体を見たまえ、モンスターのようではないか
と、言われたうえ、
(それまで、長い間、厳しいトレーニングに励んで作り上げてきた体をモンスター扱いされ、シュワルツェネッガーさんはとても動揺したそうです)
今は70年代だ。20年の間、ヘラクレスのような大男が演じてきたのだ。昨今の映画は小さな男が演じている。ダスティン・ホフマン、アル・パチーノ、ウディ・アレン、彼らは、70年代のセックスシンボルだ。わかっているか?
(身体の大きなシュワルツェネッガーさんにはチャンスはない)と、言われ、
さらには、シュワルツェネッガーさんの訛りをバカにして、
話し方をごらん。正直に言おう。君を怒らせたくない。ドイツ訛りのために憎むべき人に見える。怖いのだ
恐らく『OK捕虜収容所』(原題『Hogan’s heroes』)のナチス役人の役を演じる仕事を得られるだろう。そして君の名前が、シュワルツェン、シュミッツル、あるいはなんであれ、広告に掲載されているのを見れば、人々はその名前で逃げていくよ
と、言われ、名前を変えるようにまで言われていたのだそうです。
ひたすら発音の練習をしていた
それでも、シュワルツェネッガーさんは、ボディビルの時と同様、否定派の意見には耳を貸さず、その代わり、訛りをなくすレッスンを受け、
良いワイン(wine)はブドウの木(vine)から育つ
シンク(sink)は亜鉛(zinc)でできている
などのセリフを何千回と繰り返し練習するほか、
(ドイツ語を話すシュワルツェネッガーさんにとっては、英語の「F」と「V」の発音がとても難しかったそうです)
ボイスレッスン、話し方のレッスン、演技のレッスンに励んだのだそうです。
「シュワルツェネッガーは昔「ターミネーター」で大ブレイクしていた!」に続く