「日劇ダンシングチーム」で妹の白石夕子さんと姉妹で活躍された後は、タレントに転身された、白石冬美(しらいし ふゆみ)さんですが、その後、声優に活路を見出されると、アニメ「怪物くん」の主人公・怪物くんや、「パタリロ!」の主人公・パタリロの声を担当され、一躍、人気を博します。

「白石冬美の若い頃は妹とダンサー?チャコでパックインミュージック?」からの続き

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声優として

白石さんは、1964年に、アニメ「ビッグX」のニーナ・ベルトン役で声優デビューされると、

その後も

1965年「W3」
1966年「おそ松くん」
     「魔法使いサリー」
     「レインボー戦隊ロビン」
1967年「かみなり坊やピッカリ・ビー」
     「パーマン」
     「ピュンピュン丸」
     「リボンの騎士」

と、立て続けに声の出演をされ、アニメの声優として活動。

すると、1968年には、アニメ「怪物くん」(モノクロ版)で主人公の怪物くんと、「巨人の星」の星明子、1970年には「あしたのジョー」のサチ、1979年には「機動戦士ガンダム」のミライ・ヤシマ、1982年には、「パタリロ!」の主人公・パタリロ・ド・マリネール8世、など、包容力のあるお姉さんの声で、少年少女から人気を博します。

ちなみに、白石さんは、少女役よりも少年役の方が、

暴れられるから

との理由で、楽しいと語っておられ、思い出に残る作品にも、真っ先に、「怪物くん」「パタリロ」を挙げられていました。

怪物くん


「怪物くん」(モノクロ版)

ただ、そんな楽しかった一つの「怪物くん」は、1980年にカラーでリメイクされた時、作者の藤子不二雄さん(当時の名義)に、

怪物くんの声をぜひ、またやらせてほしい

と、直訴の手紙を書いて送られたそうですが、

残念ながら、最終的には、野沢雅子さんに決定してしまい、リメイク版「怪物くん」「怪物くん」の声を演じることは叶わなかったそうです。

しかし、2010年、「怪物くん」のカラー版&モノクロ版DVD-BOX発売記念イベントと記者発表会に、野沢さんとともに登場された際には、

(原作者の)藤子先生に自分がやりたいと訴えたんだけど、野沢さんに決まって。そうしたらある日、野沢さんがあいさつに来てくれたの。それまで泣き暮らしていたのがパア~っと晴れて、「野沢さんがやるならいい!」って思ったわ。

と、当時のお気持ちを明かされており、以来、野沢さんとは信頼関係で結ばれているとのことでした。


野沢雅子さん(左)と白石さん。

パタリロ!

そして、白石さんの思い出に残る作品のもう一つ、パタリロ役に関してですが、

作者の魔夜峰央さんは、声優を選ぶところに立ち会われた時のことを、インタビューで、

何人か候補があって、テープを送ってきたんですよ。で、バンコラン(曽我部和恭さん)はすんなり決まってて、マライヒは何人か候補があって。三ツ矢雄二さんかな、マライヒで応募してきたらしいんですが、どう聞いてもオカマなんですよ(笑)。

結局、女性がやるっきゃないだろうっていうことで、藤田淑子さんになったんですけど。で、パタリロの白石冬美さんについては結構揉めましたけど、今考えたら、白石さんで良かったなと思いますね。

と、明かされており、当初、白石さんは、魔夜さんのイメージではなかったようですが、最終的にはパタリロの声が定着した形となったようで、良かったですね♪


「パタリロ!」

声優としての出演作品(アニメ)

それでは、ここで、白石さんのそのほかの出演作品もご紹介しましょう。

テレビアニメでは、

1968年「サイボーグ009」
1969年「ハクション大魔王」
1970年「昆虫物語 みなしごハッチ」
1971年「国松さまのお通りだい」
1972年「海底少年マリン」

1973年「ど根性ガエル」
1974年「星の子チョビン」
1975年「一休さん」
1976年「アラビアンナイト シンドバットの冒険」
1977年「超合体魔術ロボ ギンガイザー」

1978年「銀河鉄道999」
1979年「機動戦士ガンダム」
1980年「ふた子のモンチッチ」
1981年「ハニーハニーのすてきな冒険」
1982年「Dr.スランプ アラレちゃん」


「機動戦士ガンダム」のミライ・ヤシマ。

1983年「イーグルサム」
1984年「とんがり帽子のメモル」
1985年「オバケのQ太郎」
1988年「シティーハンター2」
1989年「藤子・F・不二雄アニメスペシャル SFアドベンチャー T・Pぼん」


「とんがり帽子のメモル」のグレイス。

1991年「どろろんぱっ!」
2003年「高橋留美子劇場」
2008年「おじゃる丸」
2011年「日常」
2013年「まおゆう魔王勇者」
2014年「スペース☆ダンディ」

劇場版アニメでは、

1969年「巨人の星」
1970年「ちびっ子レミと名犬カピ」
1980年「あしたのジョー」
1981年「世界名作童話 白鳥の湖」
1982年「セロ弾きのゴーシュ」
1983年「忍者ハットリくん ニンニンふるさと大作戦の巻」


「巨人の星」の星飛雄馬の姉・星明子。

1984年「忍者ハットリくん+パーマン 超能力ウォーズ」
1985年「忍者ハットリくん+パーマン 忍者怪獣ジッポウVSミラクル卵」
1986年「オバケのQ太郎」
1988年「機動戦士SDガンダム」
1999年「ドラえもん のび太の宇宙漂流記」
2005年「機動戦士ΖガンダムII A New Translation -恋人たち- / -星の鼓動は愛- 」


「忍者ハットリくん」のツバメ。

ほか、数多くの作品に声優として出演されています。

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死因は?

さて、1990年以降は、専門学校の声優科の講師を務められ、後進の指導に専念されていたため、声優としての露出が減っていた白石さんですが、

2019年3月28日、東京世田谷区の自宅で意識不明で倒れているのを、訪問した親族らに発見され、その後、死亡が確認されました。

死因は、「虚血性心不全」だったそうで、享年は82歳でした。

さて、いかがでしたでしょうか。

白石さんの、

  • 若い頃は?
  • 声優として
  • 怪物くん
  • パタリロ!
  • 死因

について、まとめてみました。

「Dr.スランプ アラレちゃん」では、主人公・則巻アラレ役のオーディションの最終選考まで残り、ほぼ、アラレ役に決定するも、最後の最後に、同じくオーディションの最終選考に残った小山茉美さんに決定してしまったというエピソードがあり、「怪物くん」の時と同様、涙が出るほど悔しい思いをされたという白石さんですが、

声優というのはあくまで役者の仕事のひとつなんです。声だけの仕事だと思って首から上だけで演じていては、キャラクターの感情も何も伝わらないんです。

と、後進たちに指導されており、それほど、声優としての仕事に情熱と誇りを持たれていたことが伝わってきますね。

白石さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

「白石冬美の若い頃は妹とダンサー?チャコでパックインミュージック?」

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