お父さんが家庭を顧みなかったことから、10代にして出稼ぎに出るも、ヒロポンなどにも手を出すなど、荒んだ生活を送っていた、藤田まこと(ふじた まこと)さん。しかし、ある時、お父さんの友人に誘われて一座に入ると、人生が好転し始めます。

「藤田まことの生い立ちは?少年時代にはヒロポンで逮捕も!」からの続き

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歌手を目指す

10代でお父さんに見切りをつけ、働きつつも、荒んだ生活を送っていた藤田さんですが、そんな姿を見かねた、お父さんの友人(お父さんが所属していた一座の座員)が一座に誘ってくれたそうで、

最初は雑用係から始め、やがて、他の一座の巡業にも参加するようになると、17歳の時には、歌謡ショーの一座の公演で「旅笠道中」を歌唱し、初舞台を踏まれます。

そして、10代後半には、歌手を志して上京し、ディック・ミネさんのカバン持ちをしながら前座の歌手をされると、

1年ほどで大阪に戻り、「日本マーキュリーレコード」でアルバイトをしながら、歌手として修業を積み、「日本マーキュリーレコード」所属の歌手の地方巡業に、前座歌手として参加するようになったのでした。

「ダイラケのびっくり捕物帖」でテレビドラマデビュー

そんなある日のこと、藤田さんは、病気になった司会者の代役を務めると、このことをきっかけに、巡業の司会者としても活動するようになり、司会の才能も開花。

ただ、大阪のコメディアン「中田ダイマル・ラケット」さんに、役者としての才能を見いだされ、司会業をやめることを助言されると、中田ダイマルさん率いる「ダイマル・ラケット劇団」に迎え入れられます。

こうして藤田さんは、「役者志望の見習いコメディアン」(当時の大阪では、俳優とコメディアンの区別がなかったそうです)として活動を開始すると、1957年には、コメディ時代劇「ダイラケのびっくり捕物帖」でテレビドラマデビュー。

ただ、この時代劇では、藤田さんは、縁側に座っているだけの与力の役で、

なにがなんやら分からんうちに始まって、終わってしもた

と、テレビドラマデビューはあっという間だったそうですが、

以降も、

1958年「バッチリ天国」
1959年「東西とーざい」
     「びっくりタワー騒動記」
     「人形といっしょに」
1960年「しゃっくり寛太」
     「ダイラケ二等兵」
1961年「愛の劇場『あしあと』」
     「ダイラケのぼんぼん恋愛」   
     「アチャコのどっこい御用だ」
1961~1967年「スチャラカ社員」


「スチャラカ社員」より。左端が藤田さん。

などに、脇役で立て続けに出演され、

1961年、公開コメディ番組「笑いの王国」の冒頭の、亜細亜製薬の強壮剤「強力ベルベ」の生CMに出演され、水戸黄門、西郷隆盛、丹下左膳など、知名度の高い、様々な人物に扮装しながら、

ああ、効いてきた

のセリフを発すると、たちまち人気を博したのでした。

(藤田さんによると、この頃、初めて、街で視聴者から声をかけられたそうです)

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「てなもんや三度笠」のあんかけの時次郎役でブレイク

そして、1962年、時代劇コメディー「てなもんや三度笠」で、主役・あんかけの時次郎役に抜擢されると、小坊主・珍念(白木みのるさん)との掛け合いがお茶の間にウケ、一躍、藤田さんはその名を全国に知らしめます。


「てなもんや三度笠」より。(左から)藤田まことさん、白木みのるさん、財津一郎さん。

(藤田さんは、当初、「てなもんや三度笠」が、1年間存続することさえ危ぶんでいたそうですが(年間52回の放送予定)、予想外の人気となり、1968年まで放映されています)

また、藤田さんは、「てなもんや三度笠」のスポンサーだった「前田製菓」のCMにも、時次郎として出演し、

俺がこんなに強いのも、当たり前田のクラッカー!

と、懐から「前田製菓」のクラッカーを取り出して見栄を切ると、このセリフが大流行。

番組視聴率は常時40%を越え、1965年には、関西地区で最高64.8%を記録するなど、メガヒットとなったのでした。


前田製菓のCMより。

ちなみに、藤田さんは、「てなもんや三度笠」の出演のオファーがあった時、脇役として、テレビで6本、ラジオで5本の番組にレギュラー出演されていたのですが、

ディレクターの澤田隆治さんから、

主役の役者が他の番組で脇役を演じては恰好がつかない

と、出演番組をすべて降板するように要求されていたそうで、

三軍から一軍に上がるチャンスかもしれん

と、一か八かでこの条件を受け入れ、成功を収めたのでした。

(ただ、突然のレギュラー降板に、他のテレビ局は激怒。以降、長きに渡って、藤田さんを起用しなかったテレビ局もあったそうです)

「藤田まことの必殺シリーズ中村主水は当初は主人公ではなかった!」に続く

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