クリント・イーストウッドは「許されざる者」で監督でもアカデミー賞受賞!


俳優業のかたわら、映画監督としても活動し、コンスタントに作品を発表するも、いずれも大きなヒットとはならず、しばしば、批評家からは批判されていた、クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)さんですが、1992年、最後の西部劇として、「許されざる者」を発表すると、たちまち世界的な大ヒットを記録します。

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監督業に進出するも不当なまでの低評価だった

荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」「ダーティハリー」などで、俳優としてトップスターの地位を確立したイーストウッドさんは、1971年には、「恐怖のメロディ」で監督デビューを果たし、俳優業のかたわら、

「荒野のストレンジャー」(1973)
「愛のそよ風」(1973)
「アイガー・サンクション」(1975)
「アウトロー」(1976)
「ガントレット」(1977)


「アウトロー」より。

「ブロンコ・ビリー」(1980)
「ファイヤーフォックス」(1982)
「センチメンタル・アドベンチャー」(1982)
「ダーティハリー4」(1983)
「世にも不思議なアメージング・ストーリー」(1985)


「ブロンコ・ビリー」より。

「ペイルライダー」(1985)
「ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場」(1986)
「バード」(1988)
「ホワイトハンター ブラックハート」(1990)
「ルーキー」(1990)


「ルーキー」より。イーストウッドさん(左)とチャーリー・シーンさん(右)。

などの作品を立て続けに発表するのですが、イーストウッドさんの持つアクションスターのイメージから、「マッチョイズム(強さやたくましさにこだわった男性優位主義)」「タカ派(戦争など武力を辞さない姿勢を持つ人または集団)」などとみなされ、作品の評価は、不当なまでに低いものでした。

西部劇映画「許されざる者」が大ヒットし「第65回アカデミー賞」も受賞

そんな中、1992年、監督・製作・主演を務めた西部劇映画「許されざる者」が世界的な大ヒットを記録。

この年の「第65回アカデミー賞」にも9部門にノミネートされ、見事、「作品賞」「監督賞」「助演男優賞」「編集賞」の4部門を獲得し、ついに、イーストウッドさんは、映画監督としても高い評価を得て、巨匠の仲間入りを果たしたのでした。


「許されざる者」より。イーストウッドさん(左)とモーガン・フリーマンさん(右)。

「許されざる者」には運と実力がすべてそろっていた

ところで、イーストウッドさんは、かねてより、アカデミー賞獲得を心底渇望していたそうですが、今回の「許されざる者」の受賞は、作品の素晴らしさはもちろんのこと、大きな運も味方したと言われています。

というのも、イーストウッドさんは、この映画のもととなる脚本「ウィリアム・マニーの殺し」(もともとのタイトルは「切り裂かれた娼婦の殺し」)を10年以上前に買い取っており、1980年代半ばには、映画化の企画を立ち上げていたのですが、

(1980年代初頭には、フランシス・フォード・コッポラ監督が、映画化権を持っていたそうです)

それより先に、同じ西部劇「ペイルライダー」(1985)を製作することになって、「許されざる者」の撮影は、いったん保留となり、それから6年後の1991年秋、ようやく「許されざる者」の撮影に着手するのですが、

奇しくも、イーストウッドさんも、主人公の元アウトロー、ウィリアム・マニー同様60歳を超えており、マニーを演じるにあたり、その風貌と演技にプラスとなっていたのでした。

また、1970年代以降は過去のものとなっていた西部劇が、1990年に公開されたケヴィン・コスナーさん製作・監督・主演の「ダンス・ウィズ・ウルブズ」の大ヒットで、西部劇を見直す動きが強まるなどの時運にも恵まれ、念願のアカデミー賞受賞となったのでした。

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セルジオ・レオーネとドン・シーゲルに捧げていた

さておき、イーストウッドさんは、この作品について、

わたしはただ、ぜひともこの物語を伝えたいと思っただけだ。ウエスタンという神話に、わたしなりの落とし前をつけるためにね。最後のウエスタンをつくるとしたら、これ程うってつけの作品はないだろう

と、語っており、

自身を導いてくれた、セルジオ・レオーネさん(1989年に心臓発作で死去)とドン・シーゲルさん(1991年にガンで死去)の二人の監督に捧げています。

「クリント・イーストウッドの「許されざる者」のあらすじは?」に続く

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