まだ、無名の俳優だった1972年、フランシス・フォード・コッポラ監督作品「ゴッド・ファーザー」で、主人公・ヴィトー・コルレオーネの三男、マイケル・コルレオーネ役に抜擢されると、たちまち脚光を浴びた、アル・パチーノ(Al Pacino)さんは、その後も、順調にキャリアを積んでいきます。

「アル・パチーノが若い頃は「ゴッドファーザー」で大ブレイク!」からの続き

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「セルピコ」「狼たちの午後」でも当たり役に

フランシス・フォード・コッポラ監督作品「ゴッド・ファーザー」で一躍脚光を浴びたアル・パチーノさんは、その後、アメリカのアートシアター系作品で、シドニー・ルメット監督とタッグを組むと、

1973年には、「セルピコ」で、ニューヨーク市警に蔓延する汚職や腐敗に立ち向かう麻薬課の刑事、フランク・セルピコ役、


「セルピコ」より。

1975年には、「狼たちの午後」で、恋人の性転換手術代を稼ぐために銀行強盗をするソニー・ウォルツィック役を演じて高い評価を受け、「ゴッド・ファーザー」のマイケル・コルレオーネに並ぶ当たり役となります。


「狼たちの午後」より。

「スカーフェイス」では暗黒街でのし上がるチンピラ役

そして、1983年には、1932年にハワード・ホークス監督が手掛けたギャング映画「暗黒街の顔役」をブライアン・デ・パルマ監督が現代風にリメイクしたギャング映画「スカーフェイス」で、どん底から這い上がり、暗黒街の帝王に成り上がる、キューバからの移民でチンピラのトニー・モンタナ役を演じると、

知的で冷血な「ゴッドファーザー」でのマイケル役とは打って変わって、スラングを多様した下品な口調や、激しい怒りによる壮絶な暴力で、安っぽい男らしさを見事に表現し、映画は大ヒットを記録。

アル・パチーノさんも、「ゴールデングローブ賞」で主演男優賞にノミネートされるなど、その演技が高く評価されたのでした。

ちなみに、アル・パチーノさんは、この映画に出演した理由について、

オリバーストーンの脚本が素晴らしかった

と、語っています。


「スカーフェイス」より。

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「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」でアカデミー賞主演男優賞

その後、アル・パチーノさんは、1985年に映画「レボリューション めぐり逢い」に出演して以降、しばらく舞台活動をされていたのですが、

1989年に「シー・オブ・ラブ」で映画に復帰し、1990年に「ディック・トレイシー」に出演すると、


「ディック・トレイシー」より。アル・パチーノさんとマドンナさん。

1992年には、名門校に通う高校生と盲目の退役軍人との心の交流を通して、人生の岐路に立たされた人々の心情を描いた映画「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」で、人生に悲観し、ふてくされ、孤独で酒浸りの盲目の退役軍人フランク・スレード中佐役を演じ、

アルパチーノさんの、まったく瞳を動かさない壮絶ともいえる演技で、「第65回アカデミー賞主演男優賞」を受賞されています。

(アルパチーノさんは、1974~1980年、「セルピコ」「ゴッドファーザー PART II」「狼たちの午後」「ジャスティス」の4作品で、「アカデミー賞主演男優賞」にノミネートされているのですが、残念ながら受賞できず、この「セント・オブ・ウーマン」で悲願の受賞となりました。)

ちなみに、アル・パチーノさんは、この盲目の退役軍人役を演じるにあたって、当時、3~4歳だった娘に演じてもらい、それを参考にしたそうで、

目が見えないと自意識が消えてなくなり、自分以外のことに意識が集中し、自分が解き放たれる。とても演技の訓練になる

と、語っています。

「アル・パチーノのデビューからの出演映画ドラマを画像で!」に続く

「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」より。 ガブリエル・アンウォーさんとアル・パチーノさん。

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