1967年、「卒業」の主演で一躍脚光を浴びると、以降、着実にキャリアを重ね、1979年には、「クレイマー、クレイマー」の主演で、ついに「アカデミー賞主演男優賞」を受賞した、ダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman)さんは、1982年には、コメディ映画「トッツィー」で女性を演じ、大きな話題となります。

「ダスティン・ホフマンは昔「クレイマークレイマー」で大ブレイクしていた!」からの続き

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「トッツィー」で女優を演じさらなる人気

1979年、映画「クレイマー、クレイマー」で、「アカデミー賞主演男優賞」を受賞し、実力派俳優としての地位を確立したホフマンさんは、

1982年には、40歳になっても売れる兆しが見えない完璧主義者の俳優マイケル・ドーシーが、女優ドロシー・マイケルズに変身してテレビドラマのレギュラーを獲得し、あれよあれよとお茶の間の人気者になっていく姿を描いたコメディ映画「トッツィー」で、マイケル・ドーシー兼ドロシー・マイケルズ役を演じると、映画はまたしても大ヒットを記録。

ホフマンさんは、女優ドロシー・マイケルズを演じるために裏声を使いこなしつつ、逆に、リアルな低い声を出して、そのギャップで観客を笑わせる等の芸達者ぶりを披露し、さらなる人気を博したのでした。


「トッツィー」より。

女性を演じる役作りを通して女性の涙ぐましい努力を実感していた

ところで、ホフマンさんは、前作「クレイマー、クレイマー」(1979)で、父親でありながら、母親的な役目を演じたことで、今回、このドロシー役に興味を持ち、オファーを受けたそうですが、

その役作りを通し、男性が女性に強いる身勝手な思い入れの裏返しとして、女性たちがいかに、日々、男性たちのために、涙ぐましい努力をしているかということを実感したそうで、

ホフマンさんは、2012年、「アメリカン・フィルム・インスティチュート (AFI)」でのインタビューの最後では、

僕はドロシー・マイケルズを演じるまでは、女性の本当の気持ち、心の奥底にあるものを理解できてなかったと思う。

だから、僕にそれを気づかせてくれた「トッツィー」(1982)は、あまりにも意味深くて、決してコメディなんかじゃないんだ

と、感極まって、涙で声をつまらせながら語っています。


「トッツィー」より。

ドロシー・マイケルズ(女性)を演じるために徹底した役作りをしていた

そんなホフマンさんは、女性を演じるにあたり、女性の外見、仕草、物腰などを勉強するために、当時、ブロードウェーで公演中だった男性同士の愛を描いたミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」に何度も足を運ぶほか、

クレイマー、クレイマー」で夫婦役として共演した、友人のメリル・ストリープさんに、映画「欲望という名の電車」のヒロインのセリフの読み合わせをしてもらったり、セリフに少しだけ南部訛りを加えるなど(そうすると、自分のしゃべりのピッチにうまくはまり、より女性らしく聞こえることを発見したそうです)、徹底した役作りをしたそうで、

さらには、実際に試してみようと、娘の保護者懇談会に「ドロシーおばさん」として出席したそうですが、生徒も生徒の親も先生も、誰一人としてホフマンさんであると気が付かず、

同じ格好で、友人の、ジョン・ヴォイトさん、メリル・ストリープさん、キャサリン・ロスさんの前に出ても、やはり、誰もホフマンさんであることに気が付かなかいほどの完成度だったそうです。

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毎日3時間の特殊メイクで皮膚呼吸が困難になっていた

こうして、女性を演じる準備が整い、撮影に臨んだホフマンさんですが、今度は、毎日3時間にも及ぶ特殊メイクを施されたそうで、

このメイク、ラテックス製のベースを使っていたため、皮膚呼吸が困難になり、どう頑張っても5時間が限界で、メイク中は、食事ができず、ストローで料理を吸引するという不便さだったそうで、

そのうえ、バストにはシリコン、ヒップには特注のパッドを入れるほか、全身の体毛を剃ったそうで、この体験を通し、女性が女性であるために苦痛を強いられていことを実感したのだそうです。

ちなみに、ホフマンさんは、

もし、自分が女性だったとして、男がすね毛を見て気持ち悪がったとしても、毎朝時間をかけて剃毛したり、コルセットでウエストを締め付けたりは絶対にしない

と、語っています(笑)

「ダスティン・ホフマンは「レインマン」で2度目のアカデミー賞主演男優賞を受賞!」に続く

「トッツィー」より。

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