1967年、舞台に立っているところを、マイク・ニコルズ監督に見いだされ、映画「卒業」で主人公に抜擢されると、映画の大ヒットと共にたちまち脚光を浴びた、ダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman)さんは、その後も、「真夜中のカーボーイ」「レニー・ブルース」で「アカデミー賞主演男優賞」にノミネートされると、1979年には、ついに、「アカデミー賞主演男優賞」を受賞します。

「ダスティン・ホフマンが若い頃は「卒業」で脚光を浴びていた!」からの続き

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「真夜中のカーボーイ」「レニー・ブルース」でアカデミー賞主演男優賞にノミネート

1967年、映画「卒業」で、一躍、脚光を浴びたホフマンさんは、

その後も、

「ダスティン・ホフマンの100万$大捜査線」(1968)
「真夜中のカーボーイ」(1969)
「ジョンとメリー」(1969)
「小さな巨人」(1970)


「真夜中のカーボーイ」より。ジョン・ヴォイトさん(左)とホフマンさん(右)。

「わらの犬」(1971)
「アルフレード、アルフレード」(1972)
「パピヨン」(1973)
「レニー・ブルース」(1974)


「レニー・ブルース」より。

「大統領の陰謀」(1976)
「マラソンマン」(1976)
「ストレート・タイム」(1978)
「アガサ 愛の失踪事件」(1979)


「マラソンマン」より。

と、次々と映画に出演すると、「真夜中のカーボーイ」と「レニー・ブルース」でも、「アカデミー賞主演男優賞」にノミネートされるなど、確実に俳優としてのキャリアを積みます。

「クレイマー、クレイマー」でアカデミー賞主演男優賞を受賞

そして、1979年には、自立を求め家を出る妻と、取り残された夫と息子に起こるさまざまな問題を描いた映画「クレイマー、クレイマー」で、不器用ながらも徐々に息子と絆を育んでいく、夫テッド役に起用されると、

ついに、「アカデミー賞主演男優賞」を受賞するほか、「ゴールデングローブ賞主演男優賞 (ドラマ部門)」「ニューヨーク映画批評家協会賞主演男優賞」 など、栄えある賞を受賞し、一躍、トップスターとしての地位を確立したのでした。


「クレイマー、クレイマー」より。ジャスティン・ヘンリーさんとホフマンさん。

子役ジャスティン・ヘンリーを導き、様々なアドリブをしていた

ところで、ホフマンさんは、この映画「クレイマー、クレイマー」では、息子役で、これが映画初出演だった子役のジャスティン・ヘンリーさん(8歳)を導いて、様々なアドリブをしていたそうで、

ホフマンさん演じる父親と、ジャスティンさん演じる息子が、晩ごはんを食べている際、「もう食べたくない!」とふてくされる息子が、冷蔵庫からアイスクリームを取り出し、おもむろに食べ始めようとしたシーンは、もともと、脚本にはない表現だったそうですが、

ホフマンさんが、かつて、自身の娘との間で経験したことを、そのままジャスティンさんに提案し、ジャスティンさんが承諾して実現したほか、


「クレイマー、クレイマー」より。

ジャスティンさんがジャングルジムから落ち、ケガをして大泣きするシーンでも、

このシーンの撮影時、ホフマンさんがジャスティンさんに

いいかい? 君はこの映画のスタッフのことが大好きだろう?でもこうして仲良くできるのは今だけなんだ。

撮影が終わればみんながバラバラになり、もう二度と会えない人だっている。わかるかい?

と、言うと、

ジャスティンさんは、その時のことを想像して、目にいっぱい涙をためたそうで、

続けて、ホフマンさんが、

いま心の内側で何かを感じてるだろう? それを演技で用いるんだ

と、とても高度な演技指導を行うと、

見事、ジャスティンさんは、その期待に応え、ジャングルジムから落ちて大泣きするシーンを成功させたのでした。

ただ、撮影が終わった後も、ジャスティンさんは、感情を抑えることができず、わんわん泣き続けたそうで、

ホフマンさんが、

よくやった!

と、言うと、

ジャスティンさんは、号泣しながらも、「うん、うん」と、何度も頷いていたとのことで、こうして、ホフマンさんとジャスティンさんは、劇中と同様、本当の親子のような関係を築いていたからこそできたアドリブで、数々の名シーンを生み出していたのでした。


「クレイマー、クレイマー」より。ホフマンさんとジャスティン・ヘンリーさん。

(ジャスティンさんは、わずか8歳で「アカデミー賞助演男優賞」にノミネートされているのですが、これは、2021年現在も破られていない、史上最年少記録です)

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「クレイマー、クレイマー」の脚本のクレジット共同参加を辞退していた

ちなみに、「クレイマー、クレイマー」では、このほかにも、ホフマンさんのアイディアをもとに撮影されたシーンが数多くあるそうで、

ロバート・ベントン監督は、ホフマンさんに、脚本のクレジットタイトルへの共同参加を打診したそうですが、オリジナルの脚本はベントン監督ものであるという理由で、ホフマンさんはこの申し出を辞退。

ただ、この作品は、「アカデミー賞脚本賞」も受賞したことから、ホフマンさんは、後に、

打診を受け入れていれば脚本賞も受賞できたのに

と、冗談交じりに語っています(笑)

「ダスティン・ホフマンは「トッツィー」で女優を演じていた!」に続く

「クレイマー、クレイマー」より。ホフマンさんとジャスティン・ヘンリーさん。

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