俳優としてなかなか芽が出ない中、ついに、洋画やアニメの吹き替えで人気を博すようになった、愛川欽也(あいかわ きんや)さんは、やがては、ラジオのパーソナリティーやバラエティ番組の司会でも絶大な人気を博すようになります。
「愛川欽也が若い頃は洋画とアニメの吹き替えで人気を博していた!」からの続き
ラジオ番組「パックインミュージック」のパーソナリティで人気を博す
俳優としてなかなか芽が出ない中、アメリカの俳優・ジャック・レモンさんやマーティン・ミルナーさんの吹き替えで評判となると、アニメの声優としても人気を博すようになった愛川さんは、
1970年には、声優業と並行して、ラジオ番組「パックインミュージック」のパーソナリティを担当すると、軽妙なフリートークに、流れるようなマシンガントークが若い世代にウケ、「キンキン」の愛称で呼ばれる人気者になります。
(女性のバストは「パパイヤ」、アンダーヘアは「ジンジロゲ」、男性器は「ポールとタマタマ」など、独自の呼び名を次々と誕生させたそうです)
紀行クイズ番組「なるほど!ザ・ワールド」でトップ司会者に
そして、1974年には、深夜番組「11PM」の司会を大橋巨泉さんとともに務め、人気司会者として不動の地位を確立すると、
「11PM」より。愛川さんとかたせ梨乃さん。
1981年には、紀行クイズ番組「なるほど!ザ・ワールド」で、当初は、視聴率一桁台と苦しかったものの、翌年の1982年には視聴率20%を超える人気番組となると(最高視聴率は36・4%)、1996年まで15年も続く長寿番組となり、一躍トップ司会者の座に駆け上ったのでした。
「なるほど!ザ・ワールド」より。愛川さんと楠田枝里子さん。
「はい、消えた!」「ひょうきん由美」「トランプマン」
ちなみに、「なるほど!ザ・ワールド」では、回答者が不正解の時、愛川さんが言う「はい、消えた!」という台詞が名物となっているのですが、
そのほか、益田由美アナウンサーを「ひょうきん由美」と呼び始めたのも、1990年から7年間出演していたマジシャンを「トランプマン」と名付けたのも愛川さんだったそうです。
「ひょうきん由美」こと益田由美アナウンサー。
「トランプマン」
楠田枝里子と名コンビ
また、この「なるほど!ザ・ワールド」で、ずっと愛川さんのパートナーとして司会を担当した楠田枝里子さんによると、現場は、出演者、制作スタッフ、スポンサーがみな仲が良く、大きな家族のような温かさがあったそうですが、
中でも、愛川さんは、誰からも親しまれるにぎやかなお父さんといった存在で、愛川さんの周りはいつも笑いが絶えなかったそうで、
同番組でプロデューサーを務めた王東順氏も、
(愛川さんは)非常にスタッフとの距離が近かった。ADにも丁々発止でやっていましたし、非常に親しみのある大先輩でした
と、語っています。
「なるほど!ザ・ワールド」より。愛川さんと楠田枝里子さん。ちなみに、二人はあまりに身長差があってカメラの収まりが悪いため、愛川さんは立ち、楠田さんはイスに座るようになったそうです。
「出没!アド街ック天国」ではギネス記録も
そんな愛川さんは、1995年には、情報バラエティ番組「出没!アド街ック天国」で司会を担当すると、こちらも、20年以上続く長寿番組となっているのですが、愛川さんが他界後は、井ノ原快彦さんが司会を引き継ぎ、今もなお番組は継続中で、
「出没!アド街ック天国」より。愛川さんと須黒清華アナ。
林祐輔プロデューサーは、
20年間、1回も休むことなく『アド街』を支えてくださった偉大さ、強さ、優しさを改めて感じずにはいられません。悲しみに下を向いていると、『何しょんぼりしてんだ!』と愛川さんの声が聞こえてきそうで、涙を振り払い、前を向かなければ、とも思います。
放送1000回の収録で何度もおっしゃった『街を作るのは建物じゃなく、人なんだ』という言葉。そのメッセージを胸に、『アド街』が、より一層良い番組になるよう、スタッフ一同、努力していきたいと思います
と、語っています。
(ちなみに、愛川さんは、2014年、この「出没!アド街ック天国」で、「世界最高齢(80歳)の情報番組司会者」として、ギネス世界記録に認定されています)
「愛川欽也は昔「トラック野郎」のやもめのジョナサン役で大ブレイク!」に続く
「出没!アド街ック天国」でギネス世界記録に認定された愛川さん。