結婚30周年パーティーでは、泥酔状態の作家・野坂昭如さんに殴られるも、負けずにマイクで殴り返していたという、大島渚(おおしま なぎさ)さんですが、野坂さんの妻・暘子さんは、2人の間ではあくまで遊びだったのではと語っています。
「大島渚と野坂昭如は公衆の面前で殴り合っていた!」からの続き
野坂昭如は緊張を紛らわすために飲酒していた
大島さんの結婚30周年パーティーで挨拶する予定が、大島さんに飛ばされたことに腹を立て、大島さんにいきなりパンチを浴びせた野坂さんですが、実は、野坂さんは、今回の祝辞のために、10日ほど前から和歌を6首も作るなど、張り切っていたのだそうです。
ただ、もともと、人前に出ることが苦手だったため、テレビに出る時なども、緊張をまぎらわすために、お酒を飲むことが多く、このパーティーでも、自身の出番を待つ間、ダブルのウィスキーを10杯も飲んでいたそうで、
パーティー終盤で呼ばれた時にはすでに泥酔状態で、自分の挨拶を飛ばされたことに対する怒りが爆発し、大島さんを殴りつけてしまったのだそうです。
(ちなみに、野坂さんは、無類の酒好き、かつ、酒癖が悪く、高校時代には、酔っ払って真っ裸で深夜の街を歩いたり、大学時代には、酔っ払って教室の窓から入るなど、お酒にまつわる様々な逸話があるそうです)
野坂昭如とはすぐに仲直りしていた
ただ、事件から1週間後には、野坂さんが、週刊誌のコラムで、大島さんへの謝罪エッセイを発表。
そして、その後、「EXテレビ」(11月15日放送)にも、事件以来初めて、大島さんと2人そろって出演しており、仲直りしたのはもちろんのこと、この一件がきっかけで、大島さんと野坂さんは、それまで以上に交流が深まったのだそうです(笑)
野坂昭如との殴り合いのケンカは遊び心からだった?
ちなみに、この事件について、
大島さんの妻・小山明子さんは、
どちらも子供でしたよね
でも、あんな魅力的な男たちはなかなかいない。どちらも大酒飲みで、やりたいことを貫いて生き抜いた。スケールの大きな男たちだった
と、語っているのですが、
野坂さんの妻・暘子(ようこ)さんも、
60歳と58歳になって、スピーチの順番という些細なことで腹を立て、人前で少年のように殴り合える男同士って羨ましい。それだけで魅力的です。
翌朝、朝刊を読もうとしたら見当たらず、変だなあと思っていると、間もなくパーティーの場面がテレビで何回も出てきて、そこで初めて知りました。
「昨日どうしたの?」と聞いたら、野坂は気まずそうに「うふふ」ってはぐらかして、そのまま逃げて行きました。
たまたま世間の目に触れるところでやってしまったから大騒ぎになっただけで、あくまで2人の間では遊びだったのだと思います。
あのシーンはこれまで、事あるごとに繰り返しテレビで流されてきて、もちろん野坂本人も見ていますが、感想はいつも一言、「日本は平和だな」、それだけでした。
と、語っており、
大島さんと野坂さんは、不仲ではなく、むしろ、気心が知れた仲だったからこそのケンカだったのかもしれません。