1980年、テレビ番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」が放送開始すると、ライオンの頭を撫でたり、ワニの口の中に笑顔で頭を入れたり、野生のゾウと触れ合うなど、型破りな行動でたちまち人気を博した、ムツゴロウこと畑正憲(はた まさのり)さんですが、番組では、事前の打ち合わせは一切しなかったそうです。

「「ムツゴロウ(畑正憲)とゆかいな仲間たち」がスタートしたきっかけとは?」からの続き

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「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」で野生動物と触れ合うシーンはぶっつけ本番だった

“動物愛”という枠を超えたムツゴロウさんの型破りな行動や生き方が大反響を呼んだテレビ番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」では、ムツゴロウさんが野生動物と触れ合うシーンが数多くあるのですが、実は、台本は一切なく、ぶっつけ本番だったそうで、

ムツゴロウさんは、あらかじめ、

僕のすべてをぶつけます、手加減しませんよ

と、宣言し、

番組のスタッフには、

大丈夫?野生動物だから一歩間違えたら死んじゃうよ

と、とても心配されたそうですが、

ムツゴロウさんは、さらに、番組のスタッフに、

事前に動物についての説明をしないでほしい

と、お願いしていたそうで、

ムツゴロウさんは、その理由について、

前もって動物を馴らしておいたり、なんなら前日に餌をあげておけば簡単に仲のいいシーンが撮りやすいかもしれないけど、僕はそれはやりたくない。

とにかく僕と動物が会った初見の場面を見てもらいたかったんです。

と、語っています。

「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」で残念に思っていたこととは?

そんな型破りな方法で撮影に臨んでいたムツゴロウさんには、さぞや危険なことがあっただろうと思われますが、ムツゴロウさんにとっては、危険なことよりも、むしろ、残念だったことがあったといいます。

それは、野生動物と触れ合う最初の肝心な部分を、カメラマンが撮ることができなかったというのです。

例えば、動物園から野生に戻ったゾウと再会するシーンでは、ムツゴロウさんは、ゾウの前に立ち、一度全身の力を抜き、呼吸をゾウに読まれないようにするため、何も話さず、動かないでいると、最初は警戒していたゾウが「何だろう」という感じで近づいて来て、ムツゴロウさんも、「どうした?」と応じ、そこからスキンシップが始まっていったそうですが、

その一番撮ってほしかったお互いの呼吸を、カメラマンは撮ることができなかったのだそうです。

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打ち合わせをしなかったのは小学校の理科の本のようになってしまうため

ただ、ムツゴロウさんは、動物を触る箇所や何を話すかということを事前に打ち合わせしていなかったため、カメラマンがどこをどう撮っていいか分からなくなるのは、仕方がないことと考えており、

かといって、その後も、事前に、スタッフに動きや(動物の)性質を説明することはしなかったそうで、それをしてしまうと、小学校の理科の本のようになってしまい、やっても意味のないことなのだそうです。

「ムツゴロウ(畑正憲)はライオンに指を食いちぎられていた!」に続く

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