ハンブルク(西ドイツ)からの強制送還で散り散りバラバラになり、一時は解散危機を迎えた「The Beatles」ですが、「カスバ・コーヒー・クラブ (Casbah Coffee Club) 」で再始動を果たすと、いよいよ、大ブレイクへと突っ走ります。

「ビートルズはブレイク前に解散危機を迎えていた!」からの続き

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一晩でビートルマニア(Beatlemania)が続出

「カスバ・コーヒー・クラブ (Casbah Coffee Club) 」で再始動した「The Beatles」は、1960年12月24日には、ワラジーのリスカードにあるグローヴナー・ボールルームのクリスマス・イヴ・ショーに出演し、

12月27日には、マネージャーのアラン・ウィリアムズが「The Beatles」に紹介したボブ・ウーラー(後にキャバーン・クラブの館内DJ)によって手配された、リザーランド・タウン・ホール (Litherland Town Hall) で公演しているのですが、

この公演では、最初の曲「のっぽのサリー (Long Tall Sally)」を演奏し始めた瞬間から、観客は熱狂。

ジョン・レノンさんが、

まったく突然に僕たちはスターになっていた。いいかい、観客の70%は僕らをドイツ人のスターだと思ったんだ。しかしまあそれは気にしなかった。

リヴァプールにおいてでさえ、人々は僕らが地元の人間だとは知らず、ハンブルグから来たと思っていたんだ。彼らは言った「なんと!奴らはいい英語を話すじゃないの!」そりゃそうだよね。英国人なんだから。

僕らが本当に殻を破って外に出たのは、あの夜だった。ステージに立って祝福を感じたのはそれが初めてだった。以来、僕らは「自分たちはいい」と考え始めた。

ハンブルグまでは「自分たちは悪くはない」と思っていたが、決して「いい」とは思わなかったんだ。他のみんながクリフ・リチャード (Cliff Richard) を真似ている間に、僕らには変化が起こり、他のミュージシャンとの違いが現れた。でもそれはリヴァプールに帰って初めて分かったんだ。

ピート・ベストさんも、

リザーランドはビートルズ開運の爆発だった。僕らは1500人ほど収容できるダンスホールでダンスのための音楽を演奏していたんだ。しかし僕らが演奏を始めると、彼らはダンスを止めた。

そして群衆は僕らの近くに攻め寄せて来て、僕らの動きをじっと観察し始め、さらには金切り声を張り上げて叫び始めた。人々は悲鳴をあげるためにダンスにいくわけじゃないから、これはニュースだった。

と、言っているように、

「The Beatles」は、この一晩でライヴバンドのトップに躍り出るきっかけとなったのでした。

当初ビートルズはドイツ人だと思われていた

ちなみに、「The Beatles」のライブ出演は決まったのが遅かったため、「The Beatles」はライブの宣伝ポスターに間に合わず、既に印刷されていたポスターに「ハンブルグ直送 ザ・ビートルズ!」と手書きで書き加えられていたのですが、

リヴァプールの北部ではほとんど知られていなかった「The Beatles」は、リザーランドの常連客にドイツ人だと思われていたそうで、

ジョージ・ハリスンさんは、

僕たちに演奏の仕事が来た。アラン・ウィリアムズが、ダンスホール巡業の司会をやっているボブ・ウーラーという奴を僕らに紹介した。彼は僕らを一晩駆り出して「ハンブルグ直送 ザ・ビートルズ!」という広告ポスターを作った。

実際僕らはドイツ人ぽく見えたのかもしれない。他のグループとは違って革のジャケットを着ていたからね。見た目が風変わりだったし演奏も風変わりだった。僕らは爆弾を落としたんだ。

ポール・マッカートニーさんは、

僕らは全員、ハンブルグにいた時に採用した黒い服を着た。リヴァプールの女の子はみんな言ってた「ドイツから来たの?」「ドイツから来たって新聞で見たわ!」

と、後に言われています。

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ポールマッカートニーがベース?

ところで、「カスバ・コーヒー・クラブ (Casbah Coffee Club) 」での「The Beatles」再始動以来、ハンブルグに残ったスチュアート・サトクリフさんの代わりに、臨時でベーシストを務めていたチャス・ニュービーさんが12月31日で抜けると、翌1961年1月5日には、ポールマッカートニーさんが、初めてベースギターを演奏されています。


ベースを弾くポール・マッカートニーさん。

そして、1月20日にスチュアートさんがイギリスに帰国した後も、しばらくは、ポールさんはベースギターをされていたようです。

「ビートルズ(マッシュルーム)カットはプールで偶然に誕生?」に続く

ベースギターを弾くスチュアートさん(左端)とポールさん(左から2人目)。

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