「岩波映画製作所」では、ポリオ(小児麻痺)をテーマにしたテレビ番組を「ヌーヴェルヴァーグ」風に撮影して好評を博し、演出家として番組を担当するようになったという、田原総一朗(たはら そういちろう)さんは、その後、日本テレビやNET(日本教育テレビ)など他のテレビ局でアルバイトするようになったそうですが、やがて、テレビのいい加減さやインチキ臭さに魅力を感じ始めるようになったといいます。
「田原総一朗は科学映画をヌーヴェルヴァーグ風に編集し好評を博していた!」からの続き
日本テレビで「こんにちは二十世紀」「奥さま こんにちは」の構成をしていた
ポリオ(小児麻痺)をテーマにしたテレビ番組を「ヌーヴェルヴァーグ」風に撮影して好評を博した田原さんは、その後、プロデューサーの渡貫敏男さんの了解を得た上で、日本テレビで構成のアルバイトも始めるようになり、
「こんにちは二十世紀」や「奥さまこんにちは」を担当するほか、NET(日本教育テレビ)やテレビ朝日などの番組の構成も担当するようになったそうです。
当初はテレビのいい加減さに驚くも・・・
ただ、NET(日本教育テレビ)の幼児向け番組「トッポちゃん」の構成を担当することになった際には、若い女性ディレクターに、「幼稚園児向けの番組でどういうことをやったらいいか」と聞かれて、思いつきで、口から出まかせに話したことが、「それで行きましょう」とその場で決まったことがあったほか、
田原さん:台本はいつまでに書きますか
ディレクター:今晩中に書いてください
田原さん:ところで、本番はいつですか
ディレクター:明後日です
とのやり取りもあったそうで、
田原さんは、こんないい加減な打ち合わせがあっていいのかと、驚いたそうです。
やがてテレビのインチキ臭さに魅力を感じていった
というのも、「岩波映画製作所」では、番組を企画する際には、何度も何度も打ち合わせをし、台本も2回、3回と書き直して練り上げるのが普通だったそうで、
その場で企画を決め、その晩に台本を書くスタイルのテレビは、とてもいい加減で、インチキ臭さを感じたのだそうです。
ただ、逆に、田原さんは、そのインチキさにすごく魅力を感じるようになったそうで、テレビのいい加減さを知れば知るほど、
もしかしたら、何でも好きなことが自由にできるのではないか。新たな可能性がたくさん、隠されているのではないか。
と、俄然(がぜん)、
テレビに行きたい、テレビで仕事をしてみたい
と、思うようになったのだそうです。
「田原総一朗は若い頃「東京12チャンネル」へ転職していた!」に続く