金田正泰監督に頼まれて永平寺の修行に同行するも、当の本人の金田監督がトイレ掃除などをサボっているのを見て、不信感を覚えたという、江夏豊(えなつ ゆたか)さんですが、実は、この金田監督、なんと、二度も、選手に殴られているといいます。今回は、この「金田監督殴打事件」のうち、一度目の「金田監督殴打事件」を、江夏さんの証言を交えながらご紹介します。

「江夏豊と金田正泰監督の確執の原因は?」からの続き

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金田正泰監督は鈴木皖武を番記者の前で怒鳴っていた

金田正泰監督は、1973年8月6日、鈴木皖武(すずき きよたけ)さんに殴られているのですが、実は、伏線があったといいます。

というのも、江夏さんによると、開幕前の3月29日、皇子山での試合前、投手である鈴木さんが外野から引き上げて来ると、

金田監督は、鈴木さんに対し、

おまえ、横にボールがあったのに、なんで拾わんのじゃ

と、番記者の前で怒鳴っていたというのです。

金田正泰監督と鈴木皖武が二人きりになれるようにセッティングしていた

そして、8月6日、長期ロード最初の遠征地である名古屋の「美そ乃旅館」でのこと、江夏さんは、深夜12時に、酔った鈴木さんが台所横の帳場で涙を流しながら、

オレはもう辞める

と、奥さんに電話していたのを見かけたことから、

(江夏さんはたまたまその時、帳場でおかみさんと一緒にいたそうです)

鈴木さんに声をかけたそうですが、

鈴木さんはというと、

今から監督の部屋に行く

と、言ったそうで、

江夏さんは止めたそうですが、鈴木さんが聞かなかったため、鈴木さんに同行して、金田監督の部屋にいた浅越マネジャーやコーチの岡本伊三美さんに部屋から出て行ってもらうなど、鈴木さんが金田監督と二人きりになれるようにセッティングしたのだそうです。

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鈴木皖武は金田正泰監督に灰皿を投げつけたうえ殴りかかっていた

すると、しばらくして、ガシャンガシャンと音がし、金田監督が「助けてくれー!」と言って逃げ出して来たそうで、

(鈴木さんが金田監督に話をするも、金田監督が「チェッ」と舌打ちしたことから、鈴木さんは金田監督めがけて灰皿を投げつけ、まともに殴りかかっていたのだそうです)

江夏さんは、

その少し前に、台所横の帳場で皖さんが涙を流しながら奥さんに電話しているのを見ているだけに、よっぽど腹に据えかねているものがあったんだろうな

と、語っています。

(鈴木さんは、1ヶ月の謹慎処分となっています)

「江夏豊は権藤正利による金田正泰監督殴打事件をセッティングしていた?」に続く

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