中日に移籍後も、2年連続本塁打王や打点と本塁打の二冠王に輝く活躍をした、落合博満(おちあい ひろみつ)さんですが、なぜ、ロッテ時代に3度達成した三冠王には届かなかったのでしょうか。実は、日米野球でのたった1打席が原因だったといいます。

「落合博満は中日ではリーグ優勝には貢献するも三冠王には届かなかった!」からの続き

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中日で三冠王を獲得できなかったのは日米野球でのたった一打席が原因だった

落合さんが中日で三冠王を獲得できなかった理由について、評論家たちは、加齢や、セ・リーグとパ・リーグの投手の攻め方の違いなどを挙げていたのですが、実は、日米野球でのたった1打席が原因だったといいます。

遡(さかのぼ)ること、1986年(落合さんがロッテ時代、3度目の三冠王を獲得した年)11月1日から日米野球が開催され、落合さんも全日本の一員として出場しているのですが、

第3戦(西武球場(現・ ベルーナドーム ))、落合さんは、4番ファーストでスタメン出場すると、1回表、二死三塁での第1打席、ジャック・モリス投手(デトロイト・タイガース)が投げ込んだ渾身のストレートをバットの真芯で捉えたそうで、打球はバックスクリーンに向かって一直線に飛んでいったそうですが・・・

完璧に捉えたはずの打球がまさかの失速をしていた

落合さんの打球はフェンスの手前で急激に失速し、センターを守るマーフィー選手のグラブに収まったそうで、

(真芯で捉えたにもかかわらず力負けしたのは初めてのことだったそうです)

落合さんは、このことに大きなショックを受け、攻守交替の間も、頭の中が真っ白になったのだそうです。

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力負けしたショックが尾を引き、自分の本来の打撃とはかけ離れたスイングをしていた

というのも、落合さんは、

当時のメジャー・リーガーは、力と力の勝負をしている選手が大半だった。投手は速球を力一杯に投げ込み、打者はそれをパワフルなスイングで打ち返す。対して、日本の野球は、投手はストライク・ゾーンを広く使い、様々な変化球も駆使して勝負をする。

だから、打者もパワーよりもバランスのいいスイングを重視して、そうした攻めに対処する。つまり、力一杯のスイングではなく、投手が投げ込むボールの速度、重さ、キレなどの力も利用して弾き返すんだ。

投手が投げるボールの力を10とすれば、メジャーはほぼ10の力で打ち返すのに対して、日本では5くらいの力で打ち返す違いがあった。力一杯のスイングよりは、無理のないスイングでボールを捉えにいったほうが、いい打球を飛ばせる確率は高かった

と、語っており、

メジャー投手のボールに対しても、パワフルなスイングではなく、日本流の打撃、つまり、「5」くらいの力で打ち返し、それまで、7打数4安打と打ち込んでいたそうですが、

このモリス投手の投球に対し、完璧な本塁打と思った打球が失速したことにショックを受け、次の打席からは「10」の力でボールを捉えにいったそうで、その結果、1安打はしたものの、自分本来の打撃とはかけ離れたスイングとなっていたのだそうです。

(落合さんは、モリス投手の投球を確実に捉えた感触が残っていたにもかかわらず、その打球が急激に失速したシーンが脳裏に焼きついて離れなかったのだそうです)

これをきっかけに、落合さんの歯車は微妙に狂い始め、バッティングは三冠王を3度獲得したロッテ時代とは異なるものとなり、じわじわと苦しむようになったのだそうです。

「落合博満は日本人選手で初めて年俸調停を申請していた!」に続く

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