「キャンディ・キャンディ」のアンソニー、「サイボーグ009」の009(島村ジョー)、「美味しんぼ」の山岡士郎、「NARUTO -ナルト-」のはたけカカシ、「夏目友人帳」のニャンコ先生/斑、「機動戦士ガンダムAGE」のフリット・アスノなど、艶のある低音の声で、二枚目やヒーローを数多く演じ、作品を盛り上げてきた、井上和彦(いのうえ かずひこ)さん。
今回は、そんな井上和彦さんの、若い頃から現在までのキャラや経歴を、デビューから時系列でまとめてみました。
「井上和彦(声優)の生い立ちは?幼少期はガリガリ!高卒後はプロボウラーを目指していた!」からの続き
井上和彦が20代の時は「一休さん」の哲斉、「キャンディ・キャンディ」のアンソニー、「超合体魔術ロボ ギンガイザー」の白銀ゴロー、「サイボーグ009」の009(島村ジョー)ほか
21歳の時に「UFOロボ グレンダイザー」で初のレギュラーを獲得するも1度の収録で降板させられていた
井上和彦さんは、1973年、19歳の時、「マジンガーZ」の兵士役でデビューすると、1975年、21歳の時には、「UFOロボ グレンダイザー」で初めてレギュラー(番レギ)を獲得したそうですが、
(「番レギ」とは、レギュラーながら、名前のない色々な役をやるポジションのことを言うそうです)
大変です! UFOが来ます…
という、何でもないセリフがどうしても言えず、
1度呼ばれただけで降板させられてしまったそうで、
こんな簡単なこともできないのか
と、アパートの部屋で枕に顔を押し付けて悔し涙を流したそうです。
それ以来、井上和彦さんは、近所の河原に行っては、
大変です! UFOが来ます…
と、その時のセリフを繰り返し発声して練習したそうで、
井上和彦さんは、このことについて、
先輩の演技を見ていると、いとも簡単にやってのけるんですよ。だから簡単なんだって思っていたら、そうじゃなかった。簡単そうに見えることが、実はすごいことなんだって気づかされました。
この経験があったから、「何とかこの仕事で食べられるようになりたい」と必死に頑張れたんだと思います。順調にいってしまっていたら、まあ売れなくてもいいかと途中で諦めていたかもしれないですね。
と、語っています。
22歳の時には「一休さん」の哲斉役で初の名前のある役
そんな井上和彦さんは、1976年、22歳の時には、「一休さん」で哲斉役の声を務めているのですが、この時、初めて、(番レギではなく)名前のある役に起用されたそうです。
「一休さん」の哲斉。
22歳の時には「キャンディ・キャンディ」のアンソニー・ブラウン役
また、同年(1976年)には、「キャンディ・キャンディ」のアンソニー・ブラウンの声も務めています。
「キャンディ・キャンディ」のアンソニー・ブラウン。
23歳の時には「超合体魔術ロボ ギンガイザー」で初の主役・白銀ゴロー役
そして、1977年、23歳の時には、「超合体魔術ロボ ギンガイザー」で、初の主人公となる白銀ゴロー役を務めたそうで、
「超合体魔術ロボ ギンガイザー」の白銀ゴロー。
井上和彦さんは、
オーディションで選ばれたんですが、主役とはいってもかっこいいタイプじゃなかったんです。元気が良くて熱血系な感じで、頭は坊主。でも初主役ということもあって、今でもよく覚えています。
と、語っています。
25歳の時には「サイボーグ009」の主人公・009(島村ジョー)役
そんな井上和彦さんは、1979年、25歳の時には、「サイボーグ009」の主人公・009(島村ジョー)役に抜擢されているのですが、島村ジョーを演じたことで二枚目声優としての地位を確立し、声優としての転機となったのだそうです。
「サイボーグ009」の009(島村ジョー)。
ちなみに、オーディションの際、(最初に演じる役名と自分の名前を言ってからセリフに入るため)井上和彦さんが、
島村ジョー役、井上和彦
と、言うと、
その瞬間、高橋良輔監督が立ち上がり、
井上さん!それだよ、ジョーは!
と、叫んだそうで、
井上和彦さんはびっくりしたそうですが、自身が選ばれたことについて、
まだセリフに入る前だったのでムダな力の入っていない状態でしゃべっていたんですが、それが良かったんでしょうね。
と、語っています。
井上和彦が30代の時は「タッチ」の新田明男、「機動戦士Ζガンダム」のジェリド・メサ、「美味しんぼ」の山岡士郎ほか
31歳の時に「タッチ」の新田明男役
以降、井上和彦さんは、様々なヒーローや二枚目役を演じることとなったそうで、1985年、31歳の時には、「タッチ」で新田明男役を務めています。
「タッチ」の新田明男。
31歳の時に「機動戦士Ζガンダム」のジェリド・メサ役
また、同年(1985年)には、「機動戦士Ζガンダム」でジェリド・メサ役も務めています。
「機動戦士Ζガンダム」のジェリド・メサ。
34歳の時に「美味しんぼ」の山岡士郎役
そんな井上和彦さんは、1988年、34歳の時には、「美味しんぼ」で山岡士郎役を務めているのですが、これまで、ヒーローや二枚目を多く演じてきたことから、スタジオのマイクの前では、ちゃんとしゃべらなければという意識が抜けず、
山岡士郎独特のだらしない話し方ができなかったそうで、だらしなさを出すために、あえて二日酔いで臨んだこともあったそうですが、
(力を抜くということがとても難しかったそうです)
そんな中、音響監督をしていた浦上靖夫さんがボソボソ話している姿を見てひらめき、マイクの前でボソッとしゃべってみると、
浦上靖夫さんが、
それそれ!
と、言ってくれたそうで、
それ以来、力を抜いて表現できるようになったそうです。
(「浦上靖夫さんのマネをした」とは言えなかったそうです(笑))
「美味しんぼ」の山岡士郎。
井上和彦が40代の時は「LEGEND OF BASARA」の朱理、「NARUTO -ナルト-」のはたけカカシほか
44歳の時に「LEGEND OF BASARA」の朱理役
また、井上和彦さんは、1998年、44歳の時には、「LEGEND OF BASARA」で、朱理役を務めています。
「LEGEND OF BASARA」の朱理。
48歳の時に「NARUTO -ナルト-」のはたけカカシ
そして、2002年、48歳の時には、「NARUTO -ナルト-」で、はたけカカシ役を務めています。
「NARUTO -ナルト-」のはたけカカシ。
井上和彦が50代の時は「夏目友人帳」のニャンコ先生/斑、「機動戦士ガンダムAGE」のフリット・アスノ
54歳の時に「夏目友人帳」のニャンコ先生/斑役
そんな井上和彦さんは、2008年、54歳の時には、「夏目友人帳」で、ニャンコ先生/斑(まだら)役を務めているのですが、
「夏目友人帳」のニャンコ先生。
「夏目友人帳」の斑。
井上和彦さんは、
変身しないで気持ちでスイッチが切り替わるという役は(「美味しんぼ」の)山岡あたりからできるようになったと思います。
『夏目友人帳』のニャンコ先生と斑の場合はそれとは逆。ニャンコ先生はちっちゃくて、斑はドーンと大きくて、でも中身は一緒。見た目が違っても中身は同じというのが出せればと思って演じています。
と、語っています。
57歳の時に「機動戦士ガンダムAGE」のフリット・アスノ役
また、2011年、57歳の時には、「機動戦士ガンダムAGE」で、フリット・アスノ役を務めています。
「機動戦士ガンダムAGE」のフリット・アスノ。
井上和彦が60代の時は「おそ松さん」の松野松造(父さん)役
そして、2015年、61歳の時には、「おそ松さん」で、松野松造(父さん)役を務めています。
「おそ松さん」の松野松造(父さん)。
井上和彦の現在(70代)は「外科医エリーゼ」のミンチェスター・ド・ロマノフ役
そんな井上和彦さんは、2024年、70歳の時には、「外科医エリーゼ」で、ミンチェスター・ド・ロマノフ役を務めており、70代の現在も現役で活躍しています。
「井上和彦の再婚相手は?前妻・いがらしゆみことの息子・いがらし奈波にパイプカットさせられていた?」に続く
「外科医エリーゼ」のミンチェスター・ド・ロマノフ。
1970年代から、声優として数多くのアニメ作品に出演すると、主に二枚目やヒーローの声で人気を博し、2024年現在も活躍中の、井上和彦(いのうえ かずひこ)さんですが、プライベートでは、結婚を3回、離婚を3回しています。 …