「アルプスの少女ハイジ」のペーター、「未来少年コナン」のコナン、「ヤッターマン」のドロンジョ、「ドラえもん」の野比のび太などの声を担当すると、一躍、お茶の間の人気を博した、小原乃梨子(おはら のりこ)さん。

今回は、そんな小原乃梨子さんの若い頃の活躍や経歴を時系列でまとめてみました。

小原乃梨子

「小原乃梨子の生い立ちは?小5で子役!中学生時代には女優を志していた!」からの続き

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小原乃梨子が20代の時は女優と並行して洋画の吹き替えも始めていた

22歳頃にアメリカのテレビドラマ「ソニー号空飛ぶ冒険」に声の出演

1957年頃に女優としてテレビドラマに出演するようになった小原乃梨子さんは、同じ頃、洋画のテレビシリーズの吹き替えもするようになったそうで、

アメリカのテレビドラマ「ソニー号空飛ぶ冒険」に、小林恭治さん、城達也さんと共に、声のレギュラー出演をしています。

ちなみに、小原乃梨子さんは、ヘリコプター会社の秘書の声で出演しているのですが、

こちらヘレン、応答どうぞ

と、言うと、スイッチのカチッという効果音まで自分で入れていたそうで、

そのほか、歩く音やドアの開閉などの効果音も自分たちで行っていたのだそうです。

(1957年頃は洋画のテレビシリーズがたくさん放送されていたそうです)

「ソニー号空飛ぶ冒険」
「ソニー号空飛ぶ冒険」より。

また、この頃は、録音ではなく、生放送だったことから、トラブルも多く、途中から映像とセリフがずれていき、男性が映っているシーンに女性のセリフが聞こえていたりすることなどが、日常茶飯事にあったそうですが、

小原乃梨子さんは、もともと、映画が好きだったことから、吹き替えの仕事がおもしろくて仕方がなかったそうです。

小原乃梨子が30代の時は「アルプスの少女ハイジ」のペーター役で一躍お茶の間の人気者に

そんな小原乃梨子さんは、1960年代後半からは、洋画と並行してアニメの仕事も増えていったそうで、1964年には「オオカミ少年ケン」、1965年には「W3」など、アニメで声の出演をしています。

(いずれも役柄不明)

31歳の時にアニメ「ハリスの旋風」で初めて男の子の声で出演

そして、1966年、31歳の時には、ちばてつやさん原作のアニメ作品「ハリスの旋風」のメガネくん役で、初めて男の子の声で出演したそうで、

メガネくんのひ弱な男の子というキャラクターを出すために、

先輩~ッス

という言い方を考え出すと、一躍、人気を博したのだそうです。

(その「ひ弱な男の子」像は後の「ドラえもん」の、のび太くんにつながっていったそうです)

「ハリスの旋風」
「ハリスの旋風」より。左がメガネくん。

34歳の時にアニメ「海底少年マリン」で主人公・マリン役

そんな小原乃梨子さんは、1969年、34歳の時には、アニメ「海底少年マリン」で、主人公・マリン役で声の出演をしています。

小原乃梨子さんは、自身がしょっちゅう貧血を起こしていたこともあり、どちらかというと、強く、体力満々の役が苦手で、マリンのように元気な男の子の声を演じる時は、「大丈夫かな?」と不安に思ったそうですが、収録はとても楽しかったそうです。

「海底少年マリン」
「海底少年マリン」より。

(「海底少年マリン」の主題歌も小原乃梨子さんが歌唱しています)

38歳の時にアニメ「冒険コロボックル」でラブラブ役(女の子)

また、小原乃梨子さんは、女の子の声も演じており、1973年、38歳の時には、アニメ「冒険コロボックル」で、ラブラブ役の声を務めています。

「冒険コロボックル」
「冒険コロボックル」より。

39歳の時にアニメ「アルプスの少女ハイジ」でペーター役

そして、小原乃梨子さんは、1974年、39歳の時には、アニメ「アルプスの少女ハイジ」のペーター役で、一躍、お茶の間の人気者となっているのですが、

「アルプスの少女ハイジ」
「アルプスの少女ハイジ」より。

小原乃梨子さんは、

最初の頃は、男の子役といっても、そんなにお手本がなかったので、「どうやったら男の子の声が出るかしら?」といろいろ試行錯誤しました。ノドを壊したこともあって、声のことを考えるとすごく辛かったです。

それが変わったのは、『アルプスの少女ハイジ』(’74)でペーター役を演じた時。無理に男の子の声を作るんじゃくて、男の子の感情、感覚をつかめばいいんだと気づいたんです。

「男の子の声はこうじゃなきゃいけない」なんて決まりはありません。ただ男の子には男の子ならではの心情やプライドがあって、小さくても真っ直ぐでひたむきな気持ちがある・・そういう部分を表現できればいいのかなと。

声を作るのではなく気持ちを表現する、ということですね。ちょうど私には息子が一人いましたから、彼や彼の周りの子供たちを見て参考にしました。そういう役作りをするようになって、アニメのお仕事が大変面白くなりました。

と、語っています。

小原乃梨子が40代の時には「ヤッターマン」のドロンジョや「ドラえもん」ののび太や「未来少年コナン」のコナンほか

40歳、43歳の時には「シンドバットの冒険」「未来少年コナン」などに男の子の声で出演

その後も、小原乃梨子さんは、1975年「シンドバットの冒険」(シンドバット役)、1978年「未来少年コナン」(コナン役)など、男の子の声の出演をしています。

「未来少年コナン」
「未来少年コナン」より。

42歳の時に、「ヤッターマン」でドロンジョ役

一方、小原乃梨子さんは、1977年、42歳の時には、「ヤッターマン」で、ドロンジョ役の声で出演しており、挿入歌ドロンジョ様の歌も歌唱しています。

「ヤッターマン」
「ヤッターマン」より。

44歳の時に「ドラえもん」の野比のび太役で知名度が上昇していた

そんな小原乃梨子さんは、1979年、44歳の時には、「ドラえもん」で、野比のび太役に起用されると、国民的アニメのメインキャラクターを演じたことで、声優として一気に知名度を上げているのですが、

「ドラえもん」
「ドラえもん」より。

小原乃梨子さんは、「ドラえもん」に声の出演をしたことについて、

『ドラえもん』には1979年から2005年まで26年にもわたって参加させていただきました。この期間はとても素敵な時間でした。藤子・F・不二雄先生をはじめとする『ドラえもん』チームで何度も旅行をしました。

伊勢神宮にも行ったし、香港やハワイにも行きました。スタッフ、キャストの皆さんがすごく仲良かったんです。まぁ、仲良くなければ毎週26年も続かないですよね(笑)。すごい結束力だったと思います。

と、語っています。

46歳の時にアニメ「うる星やつら」のおユキ役

また、小原乃梨子さんは、1981年、46歳の時には、アニメ「うる星やつら」で、おユキの声の出演もしています。

「うる星やつら」
「うる星やつら」より。

小原乃梨子の50代~60代の時は講演活動と童話の朗読活動

その後、小原乃梨子さんは、1988年、53歳頃から、講演活動と童話の朗読活動を開始すると、1998年、63歳からは、「小原乃梨子の読み聞かせ講座」として全国各地を飛び回っていたそうです。

小原乃梨子が70代の時には様々な賞を受賞

そんな小原乃梨子さんは、70代の時には、

  • 2005年(70歳)「第14回日本映画批評家大賞」で、田山力哉賞
  • 2006年(71歳)「第11回アニメーション神戸」で、特別賞
  • 2007年(72歳)「第1回声優アワード」で、功労賞
  • 2013年(78歳)「第7回声優アワード」で、「シナジー賞(タツノコプロ50周年)」

と、様々な賞を受賞しています。

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小原乃梨子の80代の頃

80歳の時にドラえもんのトークイベントにサプライズ出演

また、小原乃梨子さんは、2015年、80歳の時には、ドラえもんのトークイベントにサプライズで出演しています。

小原乃梨子
ドラえもんのトークイベントにサプライズで出演する小原乃梨子さん。

88歳で死去

そして、2024年3月、88歳の時には、知人のイベントに参加し、同年4月18日と6月25日には、交流の深かった声優の山田栄子さんらとも会い、元気な様子を見せていたのですが・・・

同年7月12日、88歳で他界されたのでした。

ちなみに、「ドラえもん」で共演していた野村道子さん(しずかちゃん役)によると、小原乃梨子さんは、ここ数年、闘病生活を送っていたそうですが(施設にも入っていたそうです)、病名は明かされていないようで、

所属事務所「81プロデュース」も、

弊社所属俳優 小原 乃梨子 儀(本名 戸部 法子) 令和6年7月12日 病気療養中のところ薬石効なく、88歳にて永眠致しました

と、報告するにとどめています。

なお、山田栄子さんによると、小原乃梨子さんは、前年の2023年にご主人を亡くし、気落ちしていたそうなので、精神的なショックが大きく影響していたのかもしれません。

「小原乃梨子の夫は戸部信一(演出家)!子供(息子)は戸部敦夫(アニメーター)!」に続く

お読みいただきありがとうございました

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