30年以上もトム・クルーズさんの通訳を続け、トム・クルーズさんから強い信頼を寄せられていた、戸田奈津子(とだ なつこ)さんですが、2022年には、トム・クルーズさんの通訳を引退したことを表明しています。
今回は、そんな戸田奈津子さんとトム・クルーズさんの、出会い、信頼関係を表すエピソード、戸田奈津子さんがトム・クルーズさんの通訳を引退した理由、トム・クルーズさんの反応などをご紹介します。
「戸田奈津子の夫は?結婚してる?子供は?家族は?」からの続き
戸田奈津子がトム・クルーズと知り合ったのは映画「遥かなる大地へ」で初来日した時だった
戸田奈津子さんがトム・クルーズさんと出会ったのは、今から30年以上前、映画「遥かなる大地へ」(1992年)でトム・クルーズさんが初来日した際、通訳を務めたことがきっかけだったそうで、
この時、トム・クルーズさんは、「遥かなる大地へ」での共演者で妻のニコール・キッドマンさんと新婚旅行を兼ねていたそうですが、2人はとても仲が良く、
(イチャイチャしたいやらしさを見せないように)マスコミが写真を撮る際には、並んで撮るのはNGで、いつも必ず2人の真ん中に人を入れてくれという指示があり、戸田奈津子さんは、そのような仕切り的な役割も担ったそうです。
戸田奈津子がトム・クルーズと一気に親しくなったのは「ラスト サムライ」の来日がきっかけだった
ただ、すぐに、トム・クルーズさんに信頼されるようになった訳ではなく、その後、トム・クルーズさんが毎年のように来日する度に戸田奈津子さんが通訳を務めたことで、徐々に信頼関係を築いていったそうで、
2003年、トム・クルーズさんが、「ラスト サムライ」で来日した際、長期間日本に滞在したことがきっかけで、一気に親しくなったのだそうです。
ちなみに、戸田奈津子さんによると、トム・クルーズさんは、第一印象と現在の印象が全く変わらず、いつも優しくて威張っているところがないそうで、
戸田奈津子さんは、
例えば他の方は、最初は通訳のことも気をつけてくれているんですが、どうしても熱がこもるとワーッと話されるので、それを追っかけていくのがとても大変なんです。
でもトムは、その大変さを分かっているから、ちゃんとワンフレーズでブレス(息継ぎ)をくれる。すぐに私をちょっと見やってね。そこまで思いやってくれるスターはめったにいないですね。
会見後もエスコートといいますか、終わって私が後片付けしていると、ずっと待っていてくれて、手を差し伸べてくれるんです、もちろん自然にね。
向こうでは当たり前なんですが、ちょっと手を添えてくれるだけでうれしいし、ハートに刺さっちゃいますよね(笑)。
約30年仕事をしていますが、彼が笑顔を絶やしたのは見たことがないです。ファンには愛想よくしても、内輪の人に不機嫌な顔を見せたりわがままを言ったりする俳優もいますが、トムは絶対に違う。寝てるときも笑顔?……と思ってしまいます。
イベントのとき、トムとスタッフ10人くらいで舞台裏を移動することがよくあります。普通のスターは自分が主役だと思ってるから、エレベーターに真っ先に入って一番奥に行きます。
でもトムは自分でドアを押さえておいて、みんなが乗ったのを見届けてから最後に乗る。そんな小さなことからも、真心込めてやってくれていることがわかるので、我々はいつも恐縮しながら乗ってます。
と、語っています。
戸田奈津子はトム・クルーズの誠実なところに惹かれていた
そして、戸田奈津子さんがトム・クルーズさんに最も惹かれるところは、誠実なところで、自分の好きなこと(映画)を命を懸けてやっているところだといいます。
というのも、トム・クルーズさんは、”人を喜ばせたい”という一心で動いているそうで、そんな人はほかにおらず、長年見てきて、本当に美しいと思うのだそうです。
ちなみに、戸田奈津子さんも、トム・クルーズさんとは比べ物にはならないながら、”映画が好き”という情熱は共通している部分が何分の一かはあることから、トム・クルーズさんとはある種の絆があると思っているそうです。
戸田奈津子は毎年トム・クルーズから誕生日とクリスマスにバラの花束を贈られていた
また、トム・クルーズさんからは、誕生日とクリスマスの年2回、バラの花束が届くほか、来日のたびに手土産を持ってきてくれ、年末には、熨斗(のし)に「御歳暮 トム・クルーズ」とカタカナで書かれた贈り物が届くそうで、
戸田奈津子さんは、そのたびに、「なぜこんなにしてくださるの?」と思っているといいます。
(戸田奈津子さんとトム・クルーズさんの誕生日は、たまたま7月3日と同じで、それが分かったのが2013年頃で、以来、7月3日の午前中に立派なバラが届くようになったのだそうです)
ちなみに、トム・クルーズさんからは、2022年、「トップガン マーヴェリック」での来日時にも、花束とリボンのかかったプレゼントを贈られたそうですが、
戸田奈津子さんが、日本の風習ですぐに開けないで置いていると、トム・クルーズさんに「開けないの?」と言われ、あわてて、リボンをほどくと、エルメスのスカーフだったといいます。
(トム・クルーズさんは、戸田奈津子さんがほどいたリボンをがきれいに丸めたそうですが、あまりにもきれいに巻いていたことから、戸田奈津子さんは思わず写真を撮ったそうです)
戸田奈津子がトム・クルーズの通訳を引退した理由とは?
そんな関係をトム・クルーズさんと築いていた戸田奈津子さんですが、2022年5月、トム・クルーズさんが「トップガン マーヴェリック」のプロモーションで約4年ぶりに来日する際には、通訳を辞退したそうで、
戸田奈津子さんは、その理由について、
もうトムの通訳を30年近くやってきましたけど、トムはいつもやること全てに熱心でしょう? 彼はいつも200%の力を出す人で、そんな彼を通訳しているのね。
でも、この年になってパッとうまく通訳できなくなったら、もし私が100%の力でしか応えられなかったら、常に200%の力を出しているトムに申し訳ないなと思ったんです。
トムは本物のプロだから、あれだけ実力があるのに常に努力して200%の力で物事に当たっている。私はこの歳になって、昔のように力を発揮することはできないかもしれないし、もし100%も出せなかったらトムに申し訳ないと思ったんです。だから決意しました。
と、語っています。
戸田奈津子はトム・クルーズに通訳の辞退を伝えると引き留められるも最終的には理解してもらっていた
ちなみに、戸田奈津子さんは、トム・クルーズさんから、来日する1ヶ月前に連絡をもらっていたそうで、その際、今回は通訳を降ろしてほしいと伝えたそうですが、
トム・クルーズさんからは、「えっ」とびっくりされ、「困る」と言われて、引き留められたといいます。
ただ、その時、(長い付き合いながら)初めて年齢を明かして状況を説明すると、最終的には理解してもらったのだそうです。
戸田奈津子はトム・クルーズとは通訳辞退後も一緒にお茶を飲んでいた
とはいえ、トム・クルーズさんには、来日後、「君が(通訳を)やるんだからね」と冗談で言われたほか、ホテルの高層階にあるラウンジで、トム・クルーズさんの妹さんと妹さんの息子さんらと共にトム・クルーズさんと2時間以上お茶を飲んだとのことで、プライベートでの交流は続いているようです。
「戸田奈津子は左目を失明していた!現在は手術をして回復?病気は?」に続く
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ターミネーター2」「タイタニック」「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズなど、40年以上に渡り、1500本以上の映画の字幕翻訳を担当してきた、戸田奈津子(とだ なつこ)さんですが、 実は …