「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ターミネーター2」「タイタニック」「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズなど、40年以上に渡り、1500本以上の映画の字幕翻訳を担当してきた、戸田奈津子(とだ なつこ)さんですが、
実は、58歳頃から左目の異常を感じ、病院に行くと、「加齢黄斑変性」と診断されていたそうで、70歳頃にはさらに悪化し、左目を失明していたといいます。
今回は、そんな戸田奈津子さんが「加齢黄斑変性」と診断されるまでの経緯、その原因、現在、そのほかの病気ついて、ご紹介します。
「戸田奈津子がトム・クルーズの通訳を引退した理由とは?出会いは?」からの続き
戸田奈津子は「加齢黄斑変性」で左目を失明していた
戸田奈津子さんは、1994年、58歳の時に、グラフ用紙や障子の桟(さん)が曲がって見えるなど、左目の異常を感じたことから、都内の医療機関を受診すると、
網膜の中心にある黄斑に異常が生じて、視界がゆがんだり暗くなる「加齢黄斑変性」(かれいおうはんへんせい)と診断されたそうです。
(高齢者の主な失明の原因だそうですが、詳しいことは分かっていないそうです)
そして、2006年、70歳頃になると、症状はさらに悪化し、字幕の翻訳をするにも支障をきたすようになっていったそうで、
戸田奈津子さんは、
片目(右目)をつぶるとあなた(取材者)、真っ黒け。焦点にしているところが見えないの
左目だけで見ると焦点にしているところが見えない
と、実質、左目を失明していることを明かしています。
戸田奈津子が「加齢黄斑変性」を患った原因は?
実は、戸田奈津子さんは、もともと強度の近視で(中学1年生の時から眼鏡をかけているそうです)、それが原因で「加齢黄斑変性」を患ってしまったそうですが、
それだけではなく、映画、読書、芝居の観劇など、目を使うことが好きで、仕事でも、年間50本以上の字幕翻訳を手掛けていた時期もあったそうで、目を酷使し過ぎたことも原因だといいます。
戸田奈津子は「加齢黄斑変性」を患ったことから仕事を週1から月1のペースに落としていた
そのため、戸田奈津子さんは、症状が悪化してからは、週1本というハイペースだった字幕翻訳の仕事を、左目を閉じて右目だけを使い、月1本のペースで続けているそうで、
今はそんなに詰めて仕事はしていません。字が読めないのはとても不便。距離感がないからよく階段から落ちるし…
字が読めなくなったら、生きている甲斐がない
と、弱音を漏らしているのですが、
それでも、
80年近く生きててやってきた仕事。楽しい仕事だし、私が好きで選んだ仕事だから、何も悔いはございません
と、語っており、
どんなにペースを落としても、できり限り続けていきたいと思っているそうです。
戸田奈津子は「加齢黄斑変性」の手術を受け左目の視力が回復していた
そんな戸田奈津子さんは、「加齢黄斑変性」と診断された当初は、根本的な治療法がなく、長い間、視界の悪さに悩んできたそうですが、
新たな治療法が開発され、2014年末、左目の手術を受けると、
目が見える喜びはすばらしい。治療法があることを多くの人に知ってほしい
祝杯を上げたいくらいよくなりました。100%は見えないけれど、ずっと良くなった
と、視力が回復したことを明かしています。
戸田奈津子の健康の秘訣は「ストレスを溜めないこと」
また、戸田奈津子さんは、2014年頃から1年に2回、人間ドックを受け、徹底的に病気がないかを調べているそうですが、2022年時点では、数値も全て良く、医師にも驚かれるほど健康だそうで、
戸田奈津子さんは、健康の秘訣について、
「元気ですね」とよく言われますが、健康維持の秘訣はストレスがまったくないこと。それって簡単よ。嫌なことをしなければいいんです。
嫌いな運動はしない、嫌いな人とご飯は食べない。健康にいいという食材も無理して食べません。もちろん、仕事では多少の妥協もありますが、私の仕事は幸いにも完全な一匹狼。わがままが利くところも私に合っているんです。
クヨクヨするの、大嫌い。なんのプラスにもならないし、何かいいこと、ありますか? 私は60代で黄斑変性症になって左目を失明しましたが、そのときも最初こそショックだったけれど、とりたてて落ち込むことはなかった。
『1つはダメになってしまったけれど、右目の“スペア”があるからがまんしよう』と思った。悩んだ末に気持ちを切り替えるというより、いつもそういうふうに考えてしまうのです。
と、語っています。
また、自身の生活について、
私は寝なきゃダメで、睡眠時間を7時間は取らないと、翌日集中できません。寝る以外は机に座ったきりで、ストレッチをしたり姿勢に気をつける時間もなかったですね。もともと運動が大嫌いだから、学生時代から運動をしたことがない。ついでに歩く程度です。
食生活は1日1食半。コーヒーとトースト1枚のブランチ。夕飯は手のかからないものを適当に。アルコールは好きですが、カロリーが問題。
水を見ても太るたちなので、醸造酒は控えて、ウオッカやジン、ワインぐらいです。サプリは一切飲みません。普通の食生活で栄養は摂れていると思うから。
これほど何もしていないのに病気をしたことがなく、今もどこも悪いところがない。疲労も感じないし、更年期は1日たりともなかったわね。鈍感なのかしら?風邪はお義理で年1回くらいはひきますが、熱は出ませんね。
と、語っており、
やはり、健康のためには、ストレスを溜めないことが一番大切なのかもしれません。
1970年、映画「野性の少年」で字幕翻訳家としてデビューすると、以降、年間50本のペースで字幕翻訳を手がけるようになり、著名な字幕翻訳家の一人となった、戸田奈津子(とだ なつこ)さん。 そんな戸田奈津子さんは、終戦後の1 …