亡くなってから30年近く経つ現在でも、カリスマ的な人気を誇る、俳優の松田優作(まつだ ゆうさく)さん。1997年、「サッポロ」の缶コーヒー「ジャック」のCMに、在りし日の松田さんが登場し、人気が再燃しました。

そんな松田さんのご家族など、プライベートについて調べてみました!

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同棲

松田さんは、1971年、金子信雄さんの主催する劇団「新演劇人クラブ・マールイ」の演劇教室に、生徒として入団されているのですが、

そこで、1ヶ月早く入団していた熊本美智子さん(現・作家の松田美智子さん)と出会われると、すぐに意気投合したそうで、ほどなくして、美智子さんのアパートで一緒に暮らし始められます。

韓国籍、非嫡出子、実家が遊郭

しかし、同棲から半年ほど経った頃、美智子さんのお母さんが美智子さんに会いに上京されると、同棲のことは内緒にされていたにもかかわらず、お母さんはいち早く男の影を察知。なんと、松田さんの身元調査をされたのでした。

結果、松田さんが非摘出子であること、実家が遊郭のような商売をしていて、警察沙汰になったことがあること、さらに、韓国籍であることが判明。

美智子さんは、この事実をお母さんから聞かされ、驚かれるのですが、以前、松田さんに、

本当のことを知れば、おまえは俺から逃げていくだろう。なにごとであろうと俺を信じ、全てを受け入れるか。

と、言われたことがあったことを思い出されたそうで、美智子さんは、このことは松田さんに伝えず、同棲生活を続けたのでした。

国籍を越えて

その後、1973年、松田さんが、テレビドラマ「太陽ほえろ!」のレギュラーが決まり、松田さんのお兄さんが自宅に訪ねて来られるのですが、美智子さんが寝ている隣の部屋で、

兄ちゃん、国籍のこと話したのか!
いいや、わしが話す前に、うちのこと全部知っとったぞ。

という兄弟のやりとりが聞こえてきたそうで、美智子さんは松田さんに怒られると思われたのですが、お兄さんが帰った後、松田さんは寝ている美智子さんを起こすと、

知ってて、それでも一緒にいてくれたのか・・・

と、涙ぐみながら、美智子さんを力いっぱい抱きしめられたそうで、

ありがとう、ありがとう

と何度も繰り返されたそうです。

日本国籍取得へ

その後、松田さんは、「太陽ほえろ!」に出演され、人気と評価はうなぎのぼりに。


「太陽ほえろ!」より。

そんなある時、松田さんは、

どうしても日本国籍に帰化したい。
協力してくれないか。

と、美智子さんに頼まれます。

実は、これまでにも、松田さんは帰化申請をしたことがあったのですが、実家が、風俗まがいの仕事をしていることを理由に却下されており、美智子さんの養子になれば受け付けてもらえると考えられたのでした。

そして、松田さんは、法務省に帰化申請をするため動き出し、必要書類の中の「日本人になる動機」に、

僕は今年の7月から、日本テレビの「太陽にほえろ!」という人気番組にレギュラーで出演しています。
視聴率は子供から大人までと幅広く、家族で楽しめる番組です。僕を応援してくれる人も沢山できました。

現在は、松田優作という通称名を使っているので番組の関係者にも知られていませんが、もし僕が在日韓国人であることがわかったら、みなさんが失望すると思います。特に子供たちは夢を裏切られた気持ちになるでしょう。

という内容を書かれるのですが、これを読んだ美智子さんは感激。

自民党員だったお父さんのコネを使い、当時の総理大臣に働きかけるなど、松田さんの国籍取得に奔走されたそうで、そのおかげで、松田さんは、無事、日本国籍を取得。

(この時、松田さんが、美智子さんの養子になったのかどうかは分かりませんでしたが、おそらく、ならずに国籍が取得できたと思われます)

そして、同棲から4年後となる1975年にお二人は入籍。翌年の1976年には、娘の紗綾さんが誕生したのでした。


松田さん、紗綾さん、美智子さんの3ショット。

離婚理由は松田美由紀との不倫

しかし、そんなお二人も、1981年には離婚。

というのも、1979年、松田さんが、テレビドラマ「探偵物語」で共演された、
熊谷美由紀(現・松田美由紀)さんと激しい恋に落ちてしまったのでした。


「探偵物語」より。松田さんと美由紀さん。

松田さんは、

今まで見たことが無いエキセントリックな女だ

この女から離れられない

と、美由紀さんに感じたと言われています。

兆し

そんな松田さんは、美由紀さんをとても気に入り、なんと、美由紀さんを自宅にまで連れてきたこともあったとか。

そして、その時、美智子さんが勧めた小説の話を、松田さんと美由紀さんがソファに並んで座って話されていたそうですが、お二人の解釈が違うと感じた美智子さんが、お二人にそのことを伝えると、

私の言葉を聞いた二人は、顔を見合わせた。ほらな、つまらないことをいう女だろう?

というリアクションを、松田さんは美智子さんにされたそうで、

そのとき、はっきりわかった。優作はついに、私の評価も変えてしまったのだと。

と美智子さんは感じられたのでした。

また、その後も、

昭和五十五年八月上旬、その日は私の三十一回目の誕生日だった。

「カントとか哲学書を読んでいるんだ。十八歳で哲学を語るんだぜ、すごいよなぁ」

彼女(美由紀さん)への賛美の言葉を聞いたときに気づくべきだったのに、私は鈍感だった。

と、松田さんが美由紀さんに惚れ込んでいるふしがあったことを、美智子さんは、著書「永遠の挑発―松田優作との21年」に綴っておられます。


永遠の挑発―松田優作との21年

美由紀が自殺未遂、続いて松田も・・・

とはいっても、当初、松田さんは、美智子さんと離婚する気はなかったようで、結婚を迫る美由紀さんに、

子どもがいるので離婚しない

と言われていたようです。

しかし、それにブチ切れた美由紀さんが、なんと、松田さんの自宅に押しかけ、

結婚できなきゃ死んでやる

と、美智子さんと娘さんの前で、手首を切って自殺を図ったというのです!

このような出来事から、松田さんも、美智子さん、娘さん、美由紀さんとの関係に悩み、自己嫌悪の末、自殺を決意。バイクで新潟県のどこか知らぬ海岸まで行かれると、数時間立ち尽くしておられたのですが、お母さんの声が聞こえたような気がして我に返り、

自分が死んだら親兄弟が悲しむ上に、紗綾(娘)を自分と同じように父親のいない子にしてしまう。死ぬ気になったら何でも出来るはずだ。

と、自殺を思いとどまったといいます。

美由紀と再婚~息子と娘が誕生

そして、最終的には、松田さんは家を出て美由紀さんと同棲。

1983年、長男(現・俳優の松田龍平さん)が誕生したことをきっかけに、美由紀さんと入籍されたのでした。


松田龍平さん。

ちなみに、1985年には、次男(現・俳優の松田翔太さん)、


松田翔太さん。

1988年には、次女(現・「young juvenile youth」のヴォーカルYukiさん)


Yukiさん

が誕生しています。

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前妻の娘は今・・・

ところで、前妻、美智子さんとの間に生まれた、娘の紗綾さんなのですが、芸能界とは無縁のお仕事を選ばれ、すでにご結婚、お子さんも出産されているとのこと。

ただ、松田さんが亡くなったのは、紗綾さんが中学に進学した年だそうで、両親が別れることになった経緯を、テレビや週刊誌で知った紗綾さんは、松田さんのことを忌み嫌っており、

美智子さんは、そのことについて、

私は娘に父親を嫌いになってほしくなくて、「あなたのことをものすごく愛してくれた」「養育費も払ってくれた」などと話しましたが、

「そんなことは当たり前でしょう」とむしろ反発していましたね。

とにかく、「松田優作の娘」だっていうことを知られたくないっていう思いがすごく強かったんです。

と明かされています。

さて、いかがでしたでしょうか?

俳優としては、強くてクールでかっこいい松田さんですが、プライベートでは、こんなにもか弱く、自分のことで精一杯な人だったのですね。

もしかしたら、俳優「松田優作」は、松田さんの変身願望が投影されたものだったのかもしれません。こういう視点で松田さんの作品を見れば、また違ったものが見えてくるかも。

この機会に、松田さんの作品を観てみられてはいかが。

「松田優作の若い頃は?本名は?韓国?身長は?死因は?なんじゃこりゃ?」

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