「水戸黄門」「大江戸捜査網」「長七郎天下ご免!」などで、テレビ時代劇スターになられた、里見浩太朗(さとみ こうたろう)さんですが、今回は、そんな里見さんのそのほかのテレビ出演作品をご紹介します。
「里見浩太朗の昔は水戸黄門で助さん!大江戸捜査網と長七郎天下ご免も!」からの続き
「忠臣蔵」で大石内蔵助役
里見さんは、1985年、50歳の時、「年末時代劇スペシャル 忠臣蔵」で大石内蔵助役を務められているのですが、里見さんにとって、この大石内蔵助役を演じることは大きな夢だったそうで、その夢を50歳にして叶えられた訳ですが、
この時点で、敵役の吉良上野介役はまだ決まっておらず、森繁久彌さんにオファーしようとの案が出たそうです。
ただ、当時、喜劇役者として人気の高かった森繁さんに、憎まれ役である吉良上野介をどう頼むのか、ということになり、話し合いの末、里見さんに白羽の矢が立ったそうで、
里見さんは、森繁さんが出演されている劇場の楽屋を訪れ、緊張しながら話を切り出されたのですが・・・
森繁さんからの返事は、
帰れ
の一言。
それでも里見さんは、日を改めて、もう一度頼みに行かれ(「忠臣蔵」で脚本を担当した杉山義法さんの協力もあり)、ようやく、森繁さんは出演を承諾されたのだそうです。
「忠臣蔵」より。大石内蔵助に扮する里見さん。
「忠臣蔵」のあらすじ
それでは、ここで、「忠臣蔵」の物語を知らない人のために、簡単にあらすじをご紹介しましょう。
江戸時代中期、播州赤穂藩主・浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)(風間杜夫さん)は、「勅使饗応役」に任命されるのですが、指南役の高家筆頭、吉良上野介(森繁久彌さん)への御礼を鰹節など質素なものにしたため、憎まれてしまい、その後、饗応料理や屏風の絵柄にまで文句をつけられるようになるほか、大広間の畳替えを一晩で命じられたりと、嫌がらせを受け続けます。
そして、元禄14年3月14日、浅野内匠頭は、吉良上野介に、
鰹節、カツオ武士道じゃ
と、おやじギャグの如くあざけられると、ついに堪忍袋の尾が切れ、江戸城殿中松之大廊下で、
上野介覚えたか!!
と刃物で吉良上野介を切りつけます。
この一件で、加害者となった浅野は即日切腹となり、被害者となった吉良はお咎(とが)めなしとなったのですが、この沙汰を不服とした、浅野内匠頭の家臣で赤穂藩国家老・大石良雄(内蔵助)(里見さん)をはじめとする赤穂浪士(赤穂藩の旧藩士)が紆余曲折の末、吉良邸へ討ち入りしたのでした。
「忠臣蔵」より。大石内蔵助に扮する里見さん(中央)。
ちなみに、この作品のクライマックスでは、追い詰められた上野介が、観念して炭小屋から出てくる際、雪の庭に敷かれた畳の上を舞を舞いながら優雅に登場するのですが(これは、森繁さんの提案だったそうです)、
実際には、上野介は、逃げ惑い、小屋に隠れているところを、ボロボロになった姿で、大石らに引きずり出されるという惨めな最期だったといいます。
「リーガルハイ」で堺雅人を絶賛
ところで、里見さんは、2012年には、テレビドラマ「リーガルハイ」に出演されているのですが、同年、東京都内で行われた完成披露試写会での舞台挨拶で、
主演の堺雅人さんが、
恐れを知らぬキャラクター役なんですが、普段はこんな感じなんでオドオドしながら参りました
と、低姿勢で挨拶され、共演者の新垣結衣さんなどから、そのセリフ回しの速さを絶賛されると、
里見さんも、
芸能生活の中でこんなに早くせりふをしゃべる人を見たことがない。もちろん、これは堺くんの挑戦。テープの早回しのようだが、そこにはちゃんとリズムがあって、ドラマの流れを作っている。
と堺さんの役者魂を絶賛されていました。
「リーガルハイ」で服部役
ちなみに、里見さんは、この作品で、謎に満ちた過去と特技を多く持ち、古美門研介(堺雅人さん)をサポートするほか、古美門の身に危険が降りかかった際には、ボディガード的な役割も果たすという服部役を演じられているのですが、
「リーガルハイ」より。服部に扮する里見さん。
2013年、神奈川・清川カントリークラブで「77歳バースデー&喜寿記念」のゴルフコンペを開催された際のインタビューでは、
この間も小学生に「あっ服部さんだ」と言われました
と、「リーガルハイ」の役名で声をかけられることが多くなったことを明かされていました。
出演作品(テレビドラマ)
それでは、ここで、里見さんのデビューからの主な出演テレビ作品をご紹介しましょう。
1963年「貸間あり」
「浅草の灯」
1964年「忍びの者」
「幕末」
「幕末笑談 文明爆裂弾」
「俺も義士だ」
1965年「穴の中」
1966年「われら九人の戦鬼」
「銭形平次『七年目の仇討』」
1967年「仮面の忍者 赤影」
「野次馬がいく」
「暴風雨の中」
1967~1968年「用心棒シリーズ」
1968年「カツドウ屋一代」
「大奥」
1969年「はやと」
「無用ノ介」
「忠臣蔵」
「なんでも引きうけ候」
「緋剣流れ星お蘭」
「仮面の忍者 赤影」より。
1970年「女殺し屋 花笠お竜」
「キイハンター」
1970~1973年「大岡越前」
1970~1971年「柳生十兵衛」
「青春太閤記 いまにみておれ!」
「紅つばめお雪」
「遠山の金さん捕物帳」
「徳川おんな絵巻」
1971年「清水次郎長」
「弥次喜多隠密道中」
「特別機動捜査隊」
1972年「紫頭巾」
1974~1979年年「大江戸捜査網」
1978年「江戸の鷹 御用部屋犯科帖」
「風鈴捕物帳」
1979年「長七郎天下ご免!」
1980年「さよなら・お竜さん」
1982年「天下御免の頑固おやじ」
「松平右近事件帳」
1983年「新・松平右近」
「長七郎江戸日記」
「秘剣揚羽蝶 源氏九郎颯爽記」
「大江戸捜査網」より。
「長七郎江戸日記」より。
1985年「忠臣蔵」
1986年「白虎隊」
1987・1994年「田原坂」
「江戸を斬る」
1988年「五稜郭」
1989年「八百八町夢日記」
1990年「樅ノ木は残った」
1991年「源義経」
「おやじのヒゲ11」
「寛永風雲録 激突!知恵伊豆対由比正雪 」
「白虎隊」より。森繁久彌さんと里見さん。
「田原坂」より。
1992年「風林火山」
「半七捕物帳」
「人形佐七捕物帳 凶悪のけものを追え!!」
1993年 NHK大河ドラマ「炎立つ」
「闇を斬る!大江戸犯科帳」
1994年「大忠臣蔵」
1995年「魚河岸のプリンセス」
「一色京太郎事件ノート」
1996年「将軍の隠密!影十八」
「風林火山」より。舘ひろしさんと里見さん。
1997年「正月時代劇 / 風光る剣~八嶽党秘聞」
「弁慶 怪力無双の荒法師!」
NHK朝の連続テレビ小説「あぐり」
1997~1999年「作家 小日向鋭介の推理日記」
「荒木又右衛門」
1998年「家康が最も恐れた男 真田幸村」
「必要のない人」
1999年「赤穂浪士」
「加賀百万石~母と子の戦国サバイバル」
「しくじり鏡三郎」
「痛快!三匹のご隠居」
「あぐり」より。
2000年「いい旅いい夢いい女~九州路~」
「マッチポイント!~?女が勝負をかける時~」
2001年「歌恋温泉へようこそ」
「信濃のコロンボ事件ファイル」
2002年 NHK大河ドラマ「利家とまつ」
2004年「奥さまは魔女」
2005年「里見浩太朗芸能生活50周年特別企画 夜盗」
2006年「特命!刑事どん亀」
2008年「フルスイング」
「名犬フーバーの事件簿」
「萬屋長兵衛の隅田川事件ファイル」
「名犬フーバーの事件簿」より。
2009年「萬屋長兵衛の隅田川事件ファイル 其ノ弐」
2010年 NHK大河ドラマ「龍馬伝」
2012年「さすらいのプラチナワゴン~歌手・美波丈太朗の事件簿~」
「濃姫」
「ハンチョウ~警視庁安積班~」
2012~2014年「リーガル・ハイ」
2013年「ホゴカン 熱血保護司・村雨晃司の事件簿」
2014年「名探偵 神津恭介」
「ドクターハート 薮田公介の事件カルテ」
「ハンチョウ」より。(左から)里見さん、佐々木蔵之介さん、高島礼子さん。
2015年「大江戸捜査網2015~隠密同心、悪を斬る!」
「警視庁捜査一課9係 Season10」
「名探偵キャサリン」
「BARレモン・ハート」
「黒蜥蜴」
2016年「名探偵キャサリン~消えた相続人~」
「ミステリー作家・朝比奈耕作シリーズ・花咲村の惨劇」
「ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~」
「金沢のコロンボ3」
「ホテル警備隊 田辺素直」
「刑事吉永誠一 ファイナル」
「黒蜥蜴」より。
2017年「トットちゃん!」
2018年「バイプレイヤーズ」
「特捜9」
「執事 西園寺の名推理」
「名奉行!遠山の金四郎」
「犬神家の一族」
2019年「執事 西園寺の名推理2」
「小吉の女房」
「よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~」
「スローな武士にしてくれ~京都 撮影所ラプソディー~」
「「トットちゃん!」」より。
と、テレビだけでも、これだけ多くの作品に出演されています。
「里見浩太朗の最初の嫁との離婚理由は?現在の嫁は?息子は佐野圭亮!」に続く
https://www.youtube.com/watch?v=ph7t7V8M2x8