1960年のデビュー以来、60年以上経つ現在も、第一線で活躍されている、橋幸夫(はし ゆきお)さんですが、人気絶頂だった1963年、ステージ上で暴漢に軍刀で斬りつけられるという、想像を絶する体験をされています。

「橋幸夫のデビューからの出演ドラマ映画を画像で!」からの続き

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暴漢に襲われる

その事件は、1963年5月12日、金沢市の金沢市観光会館(現在は金沢歌劇座)で行われた「橋幸夫ショー」で起こりました。

その日の最終公演では、弱冠20歳の橋さんが、白と黒の華やかな着物という出で立ちで、フィナーレの曲「北海の暴れん坊」を歌い終わると、会場の1500人ものファンは歓声を上げ、色とりどりのテープがあちこち飛び交ったそうですが、

舞台の緞帳(どんちょう)が下がり始めた、ちょうどその時、若い男が舞台の上手(かみて)に上ってくると、白い布袋を右脇に抱え、ステージ上につっ立ったというのです。

それでも、当初、橋さんは、「ファンのひとりが何かプレゼントを持ってきたのだろうか」と思ったそうですが・・・

しばらくして、その男が白い布袋から取り出したのは、橋さんへのプレゼントではなく、なんと、刃渡り65センチの軍刀(旧陸軍のサーベル)で、男は、突然、その軍刀を振りかざし、橋さんに襲いかかってきたというのです。

暴漢に背中を軍刀で刺される

そして、とっさに体をかわした橋さんは、刀の直撃は避けたものの、刃の切っ先が頬を薄く切り裂かれると、次は、そばにいた、司会者の晴乃パーチクさんが後頭部を切り裂かれて、血と切れた髪が飛び、

(この時、観客たちは、演出の殺陣かと思い、静まり返っていたそうで、何が起きているのか事態がうまく飲み込めていなかったそうです)

今度は、逃げる橋さんが背後から背中に一突き食らったというのです。

両手で刃を掴んで応戦

その後、マネージャーらが止めようと、とっさに軍刀を掴むも、マネージャーは手を切られて、阻止できず、

(マネージャーは、右手中指がぶらんぶらんとぶら下がるほどの大ケガを負ってしまったそうです)

逃げる橋さんは、とうとう、男に舞台の隅まで追い詰められてしまったのですが・・・

なんと、橋さんは、左手で刀を掴み、右手で男を殴りつけたというのです。

それでも、男は死物狂いで向かってきたことから、今度は、両手で刀を掴み、なんとか男の勢いが止まったそうで、この隙きにスタッフらが男に飛びかかって数人がかりで男を押さえつけ、駆けつけた警察官に逮捕されたのだそうです。

全治2週間のケガ

ただ、襲われた橋さんは、背中の心臓の裏に深さ2.5センチもの傷を負うほか、右肘の肉はそがれ、手のひらにも無数の切り傷を負ったそうで、

近くの外科医院に搬送されると、全治2週間との診断を受けたのだそうです。

犯人は橋幸夫を逆恨みしていた

ちなみに、この犯人、寺の住職の息子で、傷害の前科がある30歳のトラック運転手だったそうで、軍刀以外にも、懐に短刀を隠し持っていたそうですが、

犯人は、取り調べに対し、

(同僚に)橋幸夫を見てみろ、あいつみたいに若くて一生懸命やってるヤツが人気あるんだ。お前何やってんだ

と、いつもイジメられていたことを供述。

そして、

取引先の自分をよく叱る男が橋幸夫に顔が似ていたから

と、橋さんを逆恨みしての犯行だったと供述したのでした。

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後遺症で現在も小指を伸ばすことが出来ない

ところで、橋さんは、2018年、テレビ番組「怪傑えみちゃんねる」に出演された際、この時のことを、

舞台で暴漢に襲われた。ショーの最後はバンバン(観客を)ステージに上げちゃってたんだけど、(珍しく)男が来たなー、と思いながら歌ってたら、数秒の間にピカッと光ったんです。

それが1刀目。無意識によけて、2刀目、また横にふられてよけて、3刀目、背中に・・・

と、3回切りつけられ、最後に、舞台の隅に追い詰められた際には、犯人が振りかざした軍刀を両手で受け、腕で抱えて抑えたところ、犯人がグリグリと回してきたため、左手の手の平がズタズタに切られてしまい、着物が血だらけになったと、生々しく明かされています。

また、別のインタビューでは、

刀を強く握っていなかったら指をすべてもっていかれた

と、振り返り、今でも、小指の筋を切られた後遺症で、小指を伸ばすことができないことを明かされており、どれほど凄まじい体験をされたかが分かります。

「橋幸夫はぼんちおさむと清水アキラのモノマネで再ブレイクしていた!」に続く

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