幼い頃、ぐずると、お父さんの中村正常さんからは、「君ぐらいの器量の子は、いつもニコニコしているくらいでちょうどいいですぞ」と言われて育てられたことから、いつもニコニコするようにし、おもしろいことを言ってみたり、人の言うことを素直に聞くよう心がけるようになったという、中村メイコ(なかむら めいこ)さんですが、お母さんからは、厳しく躾(しつ)けられ、毎日、家事一切の手伝いをしていたそうです。
父親・中村正常の教え
幼い頃から、ナンセンス作家であるお父さんの中村正常さんに「君ぐらいの器量の子は、いつもニコニコしているくらいでちょうどいいですぞ」と言われ、泣いたり、愚痴ったり、しかめっ面をせず、いつもニコニコすることを自分に課してきたお陰で、今までやってこれたと語る中村さんですが、
小学生の時には、お父さんから、道端で五十銭銀貨を見つけたと聞き、良い子ぶって、「交番に届けたの」と聞くと、
(当然、中村さんは、お父さんなら交番に届けているだろうと思ったそうです)
お父さんは、誰もいないことを確認し、なんと、
拾ってありがたく使わせてもらった
と、言ったそうで、
これには、中村さんも驚き、子供心にも「なんて人だろう」と思ったそうです。
ただ、お父さんは、
原稿料が入ると拾った場所に五十銭銀貨を置いてきた。きっとまた誰かが拾って、ちょっと楽しい思いをしたんじゃないかな。それが人生の貸し借りのルールだよ
と、続けたそうで、
今では、このお父さんの哲学が、中村さんの一番のお気に入りだそうです。
母親からは幼い頃から家事一切の手伝いをさせられていた
一方、お母さんは、躾(しつけ)に厳しく、中村さんは4、5歳の頃から、晩、寝る前に枕元にきちっと翌日に着る洋服を揃え、朝、起床後は、それを着て、顔を洗ったら、床の雑巾がけをし、おばあちゃんの部屋にあったお仏壇で仏様の支度をし、その後、台所に入って食器の用意などが終わると、外に出て、向こう三軒両隣の家の前を掃くことが日課だったそうで、
この朝の一連の仕事を終えてから、撮影所の仕事へ行っていたそうですが、家に帰ると、また家事などの手伝いをしていたそうで、そのお陰で、23歳で結婚しても、家事には一切困らなかったのだそうです。
(当時、中村さんはすでに子役として活動していたのですが、家では普通の女の子として扱われていたそうです)
母親からは脚がきれいになるよう家の中でも靴を履かされていた
また、お母さんからは、おばあちゃん同様、脚がきれいになるようにと、家の中でも靴を履かされ、
女優さんは脚がきれいなのが一番よ
マレーネ・ディートリッヒ(ドイツの女優)の脚を見なさい
と、言われていたそうですが、
こういった、中村さんの為になることや、躾(しつけ)には厳しかったそうですが、その他のことでは、何かを強制されたり反対されることはなく、お父さん同様、ユニークな考えの人だったそうで、中村さんは、そんな両親に、押さえるところを押さえられつつ、自由にのびのびと育てられたのだそうです。
幼い頃の中村さんと両親。