時代劇風人気コメディ番組「てなもんや三度笠」で、浪人・蛇口一角(へびぐち いっかく)役を演じると、劇中、甲高い声で叫ぶギャグ「非っ常にキビシ~ッ!」「~してチョウダィ!」が視聴者に受け、たちまち大ブレイクを果たした、財津一郎(ざいつ いちろう)さんですが、やがて、主演を務めていた、藤田まことさんの「受けの芝居」を勉強するようになったといいます。

「財津一郎は昔「非っ常にキビシー」「してチョウダィ!」のギャグで大ブレイク!」からの続き

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藤田まことの「受けの芝居」を勉強していた

藤田まことさんと白木みのるさんが主演の時代劇風人気コメディ番組「てなもんや三度笠」で、「非っ常にキビシ~ッ!」「~してチョウダィ!」などのギャグがウケ、たちまち大ブレイクした財津さんですが、

ある日のこと、「てなもんや三度笠」で演出を担当していた澤田隆治さんに呼び出され、ツッコミだけだと、次から次へと若い人たちがどんどん出てきて、存在感を失ってしまうと、

藤田まことさんの「受けの芝居」を勉強するように言われたそうで、これに納得した財津さんは、藤田さんの芝居を舞台の袖で見ながら、必死に勉強したそうです。

(「受けの芝居」というのは、共演者の良さを引き立てる芝居ということなのですが、「てなもんや三度笠」では、「チョウダイ チョウダイ」と奇声を発して、自ら目立とうとする財津さんの芝居を、藤田さんが、「はははー」と笑いながら、ふわっと受け止め、やわらかく返してくれていたのだそうです。(野球でいうと、財津さんがピッチャーで、藤田さんがキャッチャーだったそうです))

テレビドラマ「はぐれ刑事純情派」の撮影で藤田まことと久々に再会

ただ、1968年に「てなもんや三度笠」の放送が終了すると、以降、藤田さんと一緒に仕事をする機会はめっきりなくなったそうで、

1997年、ようやく、藤田さん主演のテレビドラマ「はぐれ刑事純情派」にゲスト出演することになり、2人で撮影の出番を待っていると、

しばらくはお互い黙っていたそうですが、ふと目が合うと、藤田さんが、にやっと笑い、

お互い、年取りましたなぁ

と、言ったそうで、(お互い、60歳を過ぎていたそうです)財津さんも、にやっと笑い返したそうです。

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藤田まことに最後に会った時には抱き合って再会を喜んでいた

それから、藤田さんとは、また長い間会うことがなかったそうですが、2010年、財津さんが、映画「ふたたび SWING ME AGAIN」を京都で撮影している時、藤田さんも、何かの仕事の衣装合わせに京都に来ており、

スタッフから、

藤田さん、来てますよ

と、耳元でささやかれたそうで、

すぐに、駆け足で藤田さんの楽屋に行き、

蛇口一角でござる

と、大きな声で叫ぶと、

藤田さんは、ももひき姿のまま「わーっ」と財津さんに抱きついてきたそうで、再会を喜んだそうですが・・・

藤田さんは、それから間もなく大動脈瘤破裂で他界したそうで、この再会が、藤田さんと会った最後となってしまったのだそうです。

(藤田さんは、2009年11月から慢性閉塞性肺疾患の治療に専念すると、2010年1月には、体調が回復したため、ナレーションの仕事を務めており、3月からは完全復帰を予定していたそうですが、そんな矢先の他界だったそうです)


「てなもんや三度笠」より。(左から)藤田まことさん、白木みのるさん、財津さん。

「財津一郎は「吉本興業」を退職希望もすぐには辞めさせてもらえなかった!」に続く

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