天覧試合では、対戦相手の阪神に2点差をつけられ、7回裏の打席では、「なんとかしなくては・・・」と焦るあまりに、見逃しの三振に倒れた、長嶋茂雄(ながしま しげお)さんですが、続く5番・坂崎一彦さんがライト前にヒットすると、当時まだルーキーだった6番・王貞治さんが、同点となる2ランホームランを放ったといいます。
「長嶋茂雄は天覧試合では阪神に逆転され焦りから見逃三振をしていた!」からの続き
ルーキー・王貞治が同点ホームランを放つ
天覧試合では、3回に阪神に1点先制されるも、5回裏には、4番の長嶋さんがレフトスタンドにホームランし、同点に追いつくと、続く5番の坂崎一彦さんも連続ホームランし、あっという間に2対1と逆転した巨人ですが、
直後の6回表には、3番の三宅秀史さんのタイムリーヒットで同点に追いつかれると、続く4番の藤本勝巳さんには初球をいきなり左中間スタンドにホームランされて、再び2対4と勝ち越されたことから、長嶋さんは、7回裏の打席では、焦るあまり、見逃しの三振に倒れてしまったそうですが、
5番の坂崎さんがライト前にヒットすると、続く6番の王貞治さんが、カウント2-2から、阪神のピッチャー・小山正明さんが投じたスライダーを横殴りのように振った打球は、キラッとカクテル光線を反射して吸い込まれるようにライト・スタンドへ入ったそうで、またしても、巨人は4対4に追いついたそうです。
(追いつ追われつのすさまじいデッドヒートに、スタンドのファンは、誰一人帰り支度をしようとはしなかったそうです)
王貞治は大物のルーキーだった
実は、王さんは、この年(1959年)に入団したばかりのルーキーだったそうですが、開幕前の宮崎キャンプから大物ぶりを見せていたそうで、
宮崎キャンプでは、一週間、長嶋さんと王さんは同じ部屋で寝起きしていたそうですが、王さんは凄まじいいびきをかいていたうえ、大変な朝寝坊ぶりだったそうで、練習開始時刻が刻々と迫っていても、まだ寝ていたそうで、
長嶋さんが、いくら「おい、ワンちゃん」とゆさぶっても、「すいません。あと5分でいいから寝かしてください」と、また寝てしまっていたのだそうです。
(それでも、王さんは、ルーキーらしく、非常に礼儀正しく、真っ先に重いボールバッグなど持っていたそうです)
王貞治はミート打法ながら時折りとてつもない大飛球も放っていた
そんな王さんは、ピッチャーとして入団したそうですが、バッティングが素晴らしかったことから、野手(ファースト)に転向していたそうで、
実にきれいなミート打法だったそうですが、時折りとてつもない大飛球も放ったそうで、そのパンチ力にはみな驚いていたのだそうです。
天覧試合で同点ホームランを放つ王貞治さん(ちなみに、王さんは、このホームランまで24打席ノーヒットだったそうです)。
「長嶋茂雄は天覧試合の前夜は村山実に抑え込まれていた!」に続く