入江悠監督作品の常連俳優として活躍され、どこか狂気じみた、冴えない人物を演じることを得意とする、水澤紳吾(みずさわ しんご)さん。一度見たら忘れようにも忘れられない、独特の存在感で、映画を盛り上げておられます。
水澤さんは、1976年生まれ、
宮城県仙台市の出身です。
高校はあの、高校野球で有名な、
仙台育英学園高等学校に通われていたそうです。
水澤さんは、野球部の部員ではありませんでしたが、
マネージャーを担当されていたとのことで、
同期には、北海道日本ハムファイターズや、
阪神タイガースで、ピッチャーとして活躍された、
元プロ野球選手の金村曉さんがおられます。
高校卒業後は、
日本大学芸術学部に進学されていますが、
中退されています。
その後は、どういう経緯で役者を目指され、
芸能界に入られたのか、
情報がなく、分かりませんでした。
SR サイタマノラッパー!
冒頭でも触れましたが、
水澤さんは、入江悠監督の、
「SR サイタマノラッパー」シリーズで、
ラッパーグループ「SHO-GUNG」のメンバーのTOM役を、
コミカルに、そしてちょっとキモ系で演じておられます。
この役は主役ではないのですが、
そこは水澤さん。
その個性的な風貌や、存在感で、
映画を盛り立てておられます。
入江監督が、水澤さんにハマっている理由が、
分かる気がしますね。
ぼっちゃん
そして、2013年、
水澤さんは、大森立嗣監督作品「ぼっちゃん」で、
初の主演に抜擢されます。
この映画は、実際に起こった、
秋葉原無差別殺傷事件から、
大森監督がインスピレーションを得て、
制作された映画ということで、
社会の闇を描き出し、注目されました。
水澤さん演じる、派遣先の工場で働く梶知之は、
友達はおらず、同僚からは笑われ、
威圧的な同僚の岡田(淵上泰史さん)にいじめられ、
自分のルックスにコンプレックスを抱えながら、
孤独な生活を送っていました。
そして、いつも携帯を離さず、
インターネットの掲示板に、
心の叫びを書き込んでいる毎日でした。
そんなある日、似たような境遇の、
田中さとし(宇野祥平さん)と出会い、
お互い共感し合えたことから、友情を深めていき、
ピクニックに行くなど、
楽しい時を過ごすまでになったのですが・・・
というストーリーです。
映画サイト「ぼっちゃん」によると、
大森監督は、主人公の梶知之を、
まずこの主人公は、20代後半~30代前半で、
イケメンではいけないという事が前提。
それに加え、情けないのに、狂気が垣間見える顔。
をイメージしておられましたが、
そんな俳優はおらず、
キャスティングは難航したそうです。
そんな時、大森監督の弟で、俳優の大森南朋さんから、
「水澤紳吾はどう?」
と提案があったそうです。
大森監督はそれまで、
一度も水澤さんの演技を見たことがなく、
会ったこともなかったと思われていたそうですが、
実は、忘年会で、
会われたことがあったのだとか!
泥酔?
2011年に、大森家で行われた、
忘年会に参加された水澤さんは、
2時間で泥酔してしまい、
そのまま深い眠りに入られたそうです(^^)
しかも、その時の水澤さんの服は、
薄汚れたテニスウェアの上下だったとか!
この忘年会に参加した、ほとんどの人たちが、
水澤さんと初対面だったため、
最初、不審者に間違われたそうです(^^)
どこまでがリアルで、
どこからがお芝居か分かりませんね~
恐るべし、水澤さん!
映画サイト「映画.com」のインタビューで、
大森監督は、
お金で付き合う仲じゃなくて、
もっと違う部分を信頼してやっている。(水澤は)信頼して現場にいてくれた。
オレと水澤は信頼しているから、
何をやるかっていうことが言葉がなくてもわかるんだよね。
と、水澤さんに絶大な信頼を寄せておられ、
一方で水澤さんも、
(田中さとし役の)宇野さんと話して、
「監督の最高傑作にしよう」という気持ちで、
現場に乗り込んでいったので、がむしゃらでした。
と語っておられます。
お金のつながりではなく、
少しでもいい作品を作りたいという、
表現者としての意気込みが伝わってくる、
コメントでしたね!
NHKの土曜ドラマ「64(ロクヨン)」では、
14年間引きこもった男、
日吉浩一郎を演じるために、
髪を抜き、
7キロ体重を落として挑んだ水澤さん。
セリフがほとんど無い役なので、
身体で表現するしかない!
と思われたそうです。
こんなに体を張って、
作品を作っていける俳優さんなので、
映画監督が信頼を寄せ、
起用したがるのも分かりますね。
まさに、水澤さんは、
「唯一無二」の俳優さんです。
一般的な知名度は、まだそんなに高くないですが、
もっと、テレビドラマでも活躍してほしいですね~
その怪演ぶりを楽しみにしています♪
今後の水澤さんからは、目が離せません!!