1984年、6歳の時、六代目尾上丑之助として、歌舞伎座「絵本牛若丸」の牛若丸役で初舞台を踏むと、数々の歌舞伎のほか、近年は、「下町ロケット2」「西郷どん」「グランメゾン東京」「カムカムエヴリバディ」などのテレビドラマにも出演している、五代目尾上菊之助(ごだいめ おのえ きくのすけ)さん。今回は、そんな菊之助さんの出演作品を画像を交えてご紹介します。
「尾上菊之助のファイナルファンタジーXはコロナ禍がきっかけだった!」からの続き
「カムカムエヴリバディ」で初の朝ドラ出演
菊之助さんは、歌舞伎の道を極める真面目なタイプだったことから、以前は、テレビ出演はほとんどなかったのですが、近年は、2018年には「下町ロケット2」、2019年には「グランメゾン東京」などのテレビドラマに積極的に出演しており、2021年には「カムカムエヴリバディ」で初の朝ドラ出演も果たしています。
「カムカムエヴリバディ」より。
ちなみに、菊之助さんは、「カムカムエヴリバディ」では、銀幕のスターだった初代・桃山剣之介(モモケン)役と、父親が遺した映画のリメイクに挑む二代目桃山剣之介役の1人2役を演じているのですが、
アクション指導の中村健人さんは、
モモケンの映画『棗黍之丞(なつめきびのじょう)シリーズ』の殺陣のシーンは、クランクイン初日に撮影されました。菊之助さんは、昼に動きをつけて夜にはもう本番、というタイトな日程でしたが、手を覚えるのは早く、形もお綺麗で。
苦労されている様子はありませんでしたが、『歌舞伎は動きがゆっくりなので、スピード感が違いますね』と仰っていました
轟監督役の土平ドンペイさんも、
(菊之助さんが)『黍之丞、見参!』とポーズを決めた後に、ぴくっと1センチに満たないくらい、僅かに首が動くんですよ。それを見た時ゾクッと鳥肌が立ちました。『これやわ、これはできへんわ』と思いました
と、菊之介さんの演技を絶賛しています。
出演作品(歌舞伎)
それではここで、菊之助さんの主な出演作品をご紹介しましょう。
歌舞伎では、
「白浪五人男(しらなみごにんおとこ)」で弁天小僧菊之助(べんてんこぞうきくのすけ)役
「鏡獅子(かがみじし)」で小姓・弥生(こしょうやよい)役
「京鹿子娘二人道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)」で白拍子花子(しらびょうしはなこ)役
「京鹿子娘二人道成寺」より。白拍子花子に扮する菊之助さん(左)と坂東玉三郎さん(右)。(※二人で花子役)
「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」で揚巻(あげまき)役
「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」で政岡(まさおか)役
「伽羅先代萩」で政岡に扮する菊之助さん。
「摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)」で玉手御前(たまてごぜん)役
「梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)」で髪結新三(かみゆいしんざ)役
「梅雨小袖昔八丈」で髪結新三に扮する菊之助さん。
「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」で小姓・弥生(こしょうやよい)/獅子の精役
「春興鏡獅子」で小姓・弥生に扮する菊之助さん。
「春興鏡獅子」で獅子の精役に扮する菊之助さん。
「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべ さとのえいざめ)」で兵庫屋八ツ橋役
「籠釣瓶花街酔醒」で兵庫屋八ツ橋に扮する菊之助さん。
出演作品(新作歌舞伎)
新作歌舞伎では、
2005年「NINAGAWA十二夜」で琵琶姫/獅子丸役
「NINAGAWA十二夜」で獅子丸(シザーリオ)に扮する菊之助さん。
2017年「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」で迦楼奈/シヴァ神
「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」より。
2019年「風の谷のナウシカ」でナウシカ役
「風の谷のナウシカ」でナウシカに扮する菊之助さん。
2023年「ファイナルファンタジーX」でティーダ役
「ファイナルファンタジーX」より。ティーダに扮する菊之助さん(左)とシーモアに扮する尾上松也(右)さん。
出演作品(その他の舞台)
その他の舞台では、
1990年「ライル」
2000年「グリークス」
2002年「疾風のごとく」
2003年「若き日のゴッホ」
2008年「わが魂は輝く水なり」
「わが魂は輝く水なり」より。野村萬斎さん(左)と菊之助さん(右)。
出演作品(映画)
映画では、
1993年「水の旅人 侍KIDS」
1994年「四十七人の刺客」
2006年「犬神家の一族」
シネマ歌舞伎「日高川入相花王」
2007年 シネマ歌舞伎「京鹿子娘二人道成寺」
2007年「怪談」
「四十七人の刺客」より。
2008年「ナルニア国物語/第2章: カスピアン王子の角笛」 ※吹き替え
2009年「THE CODE/暗号」
2011年「ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島」 ※吹き替え
2023年「映画 イチケイのカラス」
出演作品(テレビドラマ)
テレビドラマでは、
2000年 NHK大河ドラマ「葵 徳川三代」
2009~2011年「坂の上の雲」
2016年「鬼平犯科帳 THE FINAL」
2017年「オリガミの魔女と博士の四角い時間」
2018年「下町ロケット2」
NHK大河ドラマ「西郷どん」
「坂の上の雲」より。
「西郷どん」より。
2019年「下町ロケット 特別編」
「グランメゾン東京」
2020年「刑事アフター5」
2021年 連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」
2023年「家電侍スペシャル ストップ!忠臣蔵」
「探偵ロマンス」
「下町ロケット」より。
など、数多くの作品に出演されています。
受賞歴
そんな菊之助さんは、
1985年には、「京鹿子娘道成寺」の所化喜観坊で「国立劇場特別賞」
1987年には、「実録先代萩」の千代松で「国立劇場特別賞」
1992年には、 「歌舞伎座賞」
1993年には、「人情噺文七元結」の娘お久で「国立劇場奨励賞」
1996年には、 「浅草芸能大賞新人賞・十三夜会奨励賞」
1998年には、「仮名手本忠臣蔵」「大序」の足利直義で「松竹会長賞」
1999年には、「春輿鏡獅子」で「松竹会長賞」
2000年には、「弁天娘女男白浪」の弁天小僧菊之助で「松竹会長賞」
2003年には、 「第24回松尾芸能賞演劇賞・新人賞」
2005年には、「京鹿子娘二人道成寺」「児雷也豪傑譚話」「助六由縁江戸桜」ほかで「読売演劇大賞杉村春子賞」
「NINAGAWA十二夜」など歌舞伎の可能性を広げる活動で「朝日舞台芸術賞寺山修司賞」
「芸術選奨新人賞」
2011年には、「摂州合邦辻」通し狂言で「読売演劇大賞優秀男優賞」
2023年には、「第44回松尾芸能賞優秀賞」
「第73回芸術選奨文部科学大臣賞(演劇部門)」
など、数々の賞を受賞するほか、
2005年には、重要無形文化財(総合認定)に認定され、「伝統歌舞伎保存会会員」
2017年には、「第46回ベストドレッサー賞芸能部門」
にも選出されています。
「尾上菊之助(5代目)の妻は?息子は尾上丑之助(7代目)!娘は?」に続く